内容説明
角栄の物心を支え、角栄がすべてを許した芸者が初めて明かす「生の角栄」！東京・神楽坂の超売れっ子芸者が、角栄に見初められ、人生を共にすることを決意。二男一女をもうけ、誰よりも身近で寄り添ってきた大宰相との日々と女の意気地を語る。
目次
序章 運命の男
第１章 芸妓置屋に生きる
第２章 田中びいき
第３章 素人さんの生活
第４章 戻ることのない日々
第５章 真実の重さ
第６章 最後まで共に
著者等紹介
辻和子［ツジカズコ］
１９２７年、東京・深川で、山梨吉次郎・なおの末娘として生まれる。父が商売に失敗し、八歳のとき、東京・神楽坂の芸妓置屋・金満津に養女としてもらわれる。養母・辻むらのもとで芸を仕込まれ、十四歳で「円弥」の名前でお座敷にあがる。踊り上手で美人、戦前から戦後の超売れっ子時代のただなか、１９４６年、十九歳のとき、二十八歳の田中角栄に出会う。その後、四十七年間にわたって、田中角栄と人生を共にし、二男一女をもうける
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感想・レビュー
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kiyoboo
29
石原慎太郎氏の「天才」の参考文献ということで読んでみた。田中角栄の妾というと、もっと女王みたいな人を連想していたが、地味で育った境遇も苦労した人と知り意外だった。子供ができるまでは本妻との関係も良好であったし、身分をわきまえた一人だった。角栄氏の素の表情や子供との接し方が面白い。また、真紀子さんは最初からこころを開かなかった点はむしろ微笑ましい。神楽坂のお座敷と聞けば格式高いところだと認識していたが人情味のあるところで新鮮だった。筆者の養母は気風がよく、読んでいて心地よかった。2016/11/04
みーなんきー
22
田中角栄の愛人の1人政治と金庫番を任った佐藤昭の本に引き続き、今度は神楽坂で角栄の食事と癒しを与え続けた愛人辻和子の著書を読んでみた。役割別に愛人を使い分け，本人は利己的な幸せのなかにいたのだ，と思う。男の子を亡くした本妻との間を埋める如く愛人の産んだ2人の男の子を認知し，後継者にしたかったようだが結論から言うと田中眞紀子が完全に阻止し，家族の集まりは勿論角栄の告別式からも排除し、角栄の期待通りにはならなかった。しかも数日前次男は、生活保護を申請というニュースも見た。彼らにとっても不運な運命だった。2021/08/28
risako
4
田中角栄の「二号」（「三号」？）さんだった神楽坂の元芸者、辻和子さんによる角栄本。佐藤昭子さんの本と違って、政治の話がほとんど出てこず、「家庭人」としての角栄をうかがい知ることができるのが本書の魅力だろう。ここ（神楽坂の家）は落ち着く、という角栄の言葉が染みる。和子さん自身が置屋の養女であることもあり、血のつながりとはまた違った、芸者の街独特の大家族のような人間関係やそこに住む人々が、角栄にとっては故郷新潟の親戚のような存在だったのかもしれない。2021/03/26
ロッキー
2
石原慎太郎さんが大ベストセラー『天才』を書くにあたってこの本を参考にした、と最近知りました。角栄さんは、きっと子煩悩だったんだろうな…と思ってましたが、二号さんがいたとは今の今まで知りませんでした。真紀子さんにしても、この芸者さんの息子さんにしても複雑な子供時代を過ごしたんだろうなぁ～と思う。次は、この芸者さんの息子さんの著書を読みます。それにしても気になるのは、角栄さんがしょっぱい食べ物を好きだったこと。そのせいで健康を害したのではないかと、しょっぱいもの好きの北国出身者としては反省。克雪、頑張ろう！ 2021/02/17
ゆうゆう
2
角栄さん周辺の話。政治的にどうこう～となると、難し過ぎて、パス(ごめんなさい)だが、角栄さんの生き方を見ると、一回の生のうちに何生もの人生を同時平衡で生きた人なのかなと思う。いや、本当にパワフルでないと、タフでないと出来ない生き方だ。ここまで人間として愛されて、情に厚い人は、凄い！時代が違うので何ともいえないが、今だったら…あっという間に、女性スキャンダルで政治家生命消えているのだろう…が、いくら待ったところで本妻にはなれない身というのは、辛かったのでは…2017/08/13
