内容説明
一九四三年、山本長官はなぜか危険な前線視察にラバウルから飛び立ち、待ち伏せをした米戦闘機に撃墜され戦死した。祖父、実父、養父とも戦死または負傷した戊辰の役から太平洋戦争までの百年を、長い戦後として生きた山本五十六。その宿命の生涯を死生観を含めて浮かび上がらせる。
目次
戊辰の残歌
父母との別れ
会津の娘
華やかな雄飛
鎌倉の家
暗雲の下
ロンドン軍縮会議
海軍の葛藤
家族の絆
虚実の間で
英米の眼
連合艦隊司令長官
多様な面貌
真珠湾への道
日米開戦
一抹の不安
ミッドウェー作戦
トラック島の日々
戦艦武蔵への移乗
ラバウル進出
運命の日
残された人々
著者等紹介
工藤美代子[クドウミヨコ]
1950年東京生まれ。大妻女子高校を経て、チェコスロバキアの大学に留学、カナダのコロンビア・カレッジを卒業。『工藤写真館の昭和』(朝日新聞社)で講談社ノンフィクション賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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GaGa
4
太平洋戦争当時、日本海軍は冷静に情勢を見ていたのだなと、本書を読んで思いました。戦争に反対をしていた山本五十六が、結果立案した真珠湾への奇襲が成功するのは、ある意味歴史の皮肉かも知れない。2010/05/04
lilysX
1
家庭人としての山本五十六評2022/07/04
湖宮
1
著者初読み、教科書には知っている人物程度でしたが、筆力をして新たな山本五十像を構築出来ました。私が好きな言葉に『粗にして野だが卑ではない』と在りますが、其を地で行くように感じます。勿論様々な方が対象として筆を執り、史実とずれることもあると思いますが。一番感銘を受けたのが、五十六が戦争は避けるべきと主張していたにかかわらず、平和維持のための戦争の矢面に立たされた無念さです。それでも始まれば軍部が、、言い訳にはなりません。戦争の悲劇、歴史の惨劇を認識し世界平和を願う祈念となる素晴らしい作品でした。 2018/11/15
iso1884(いそって呼んでね)
1
涙なしには語れない時代背景であることを深く掘り進めた五十六本きっての感動作であるかと思います。これを読むと絶対五十六びいきになる。
unflyable
0
山本五十六の伝記もの。軍人としてではなく、個人的な家族関係やふるさととの関係を重視して描いている。筆者の意見と調べた内容をくっきりと分けて記述しているので読みやすかった。過度な神格化を避け阿川本とは違うスタンスなので面白かった。2016/11/27
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