内容説明
徹底した反ナチス報道が追放され、なお軍部の言論弾圧に屈せず、敗戦後は読売新聞大争議を指導、のち釜石市長として反権力・反公害運動を展開、一生を時流に媚びず反骨に生きた男の破天荒の生涯。
目次
第1章 岩手県唐丹村
第2章 大正デモクラシーの洗礼
第3章 「ナチスの国を見る」
第4章 流謫(るたく)の日々
第5章 読売新聞大争議
第6章 抵抗の釜石市長
第7章 石をもて追わるるごとく
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tu-ta
2
奈須さん主催の以下の集会 https://www.facebook.com/nasurie/posts/3442663339132526 を前に図書館で借りて集会中に読了。 確かにすごい人である割に、鎌田さんが書くまで無視されていたようだし、鎌田さんが書いても、もう忘れられているようだ。 ただ、彼の生涯を、いまの時代にどう参考にするか、なかなか難しい課題でもある。にしても、読売新聞が労働者の自主管理で編集されていた時期があったという話に驚く。第一次読売争議の勝利の話はもっと語られていいのだと思う。 2020/10/25
ishii.mg
1
読書メーターで反骨を検索するといろんな人が反骨なことがわかるが、鈴木東民は生涯にわたっての反骨という意味では極めつけだ。ナチスドイツでヒトラー批判記事を書き追放され、戦後読売新聞で労働運動の先頭に立ち、岩手釜石市長として製鉄所の企業の理不尽と戦い続ける。かかわる人物も歴史上の名をあげるだけでも宮沢賢治、吉野作造、正力松太郎、人名索引を見ても多士済々。魅力的だが知り合いにはなりたくないタイプ。狷介不羈、自説を曲げず正義を貫く人物には敵も多く友は少なかったようだ。それでもよいと思える人生。2020/11/19
Koichi Mori
0
読売大争議を主導し、後に釜石市長を務めた鈴木東民の伝記。これを読んで正力松太郎、柴田秀利の伝記でしか知らなかった東民の素顔を知ることが出来た。2012/03/03
たつや
0
新田次郎文学賞受賞作品。朝日新聞記者〜ドイツへ渡航〜読売新聞記者〜釜石市長〜市議、と波瀾の人生を歩んだ東民を貫いたモノは、正に反骨の精神だった。戦前戦後の共産的な言論を統制する時代に生きることの空気が如何様なものであったのか、現代の日本では想像するのも難しい2022/01/05
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