内容説明
深夜の御前会議は対立のまま午前2時を過ぎた。鈴木総理は立って、かくなるうえは、聖慮をもって本会議の決定としたき旨を述べ、天皇の前に進んだ。天皇はやや体を起こしたのち、自分は外務大臣の意見に賛成すると述べられた。ポツダム宣言受諾決定、降伏文書調印へと至る過程を新たな史料と史眼で検証し、混迷と決断の委曲を描く。
目次
第13章 鈴木内閣の誕生
第14章 本土決戦と対ソ工作
第15章 対ソ交渉をめぐって
第16章 「和平」の隘路
第17章 最後の戦争指導大綱
第18章 「和平交渉」への決断
第19章 「近衛特使」派遣案
第20章 「近衛特使」の挫折
第21章 対米英直接和平の模索
第22章 ポツダム・広島・クレムリン
第23章 ポツダム宣言の「受諾」
第24章 「バーンズ回答」をめぐって
第25章 敵意の清算
第26章 降伏調印