講談社文庫<br> ルイズ - 父に貰いし名は

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講談社文庫
ルイズ - 父に貰いし名は

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  • サイズ 文庫判/ページ数 326p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061834446
  • NDC分類 289.1

出版社内容情報

【内容紹介】
虐殺された大杉栄、伊藤野枝の遺児の青春と自立を追う。「主義者の子」という重い十字架を背負いながら、1人の女として自己を確立していく軌跡を、克明な取材で綴った感動の記録。単なる人間ドラマで終わらない、昭和という時代を明らかにする生きた証言がある。第4回講談社ノンフィクション賞受賞作!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆいまある

75
第4回講談社ノンフィクション賞。伊藤野枝と大杉栄の四女、ルイの半生。親の顔も知らぬまま、今宿で野枝の祖父母に愛情深く養育される。しかし時代は太平洋戦争に向かっており、遺児たちは高い知性を持ちながらも生まれながらに危険思想の持ち主とされ、差別されて生きる。十分な教育も受けられない。それでも親を殺したのは個人ではなく、時代の空気なのだと運命を受け入れ、誰も恨まないルイ。自分を抑圧して生きるがようやく離婚し、父から貰った名前、ルイズを再び名乗り、社会問題などの勉強を始める。野枝ファン必読の書。2020/06/26

浅香山三郎

15
手元にあるのは、1998年の第4刷だが、著者のサイン入りの古本だつた。大杉栄・伊藤野枝の間の3女伊藤ルイさんの半生を描く。姉妹を育てた祖母ウメのこと、姉の真子・笑子のこと、満州での新婚生活と夫の借財、大杉の同志のアナーキストたち。あまりにも濃密な半生で、これを語つた伊藤ルイさんも、聞き書きした松下竜一さんも凄い。「一時期は顔を見るのも嫌だつた」といふルイさんの述懐もさもありなんと感じられた。2018/05/09

はる

10
こんな名前をつけた人がいたのか、さぞかし肩身の狭い訳のわからない幼少時代、子は親を選べないという決められたように信じる社会に束縛されて生きたことだろうか。そのルイに大杉栄・伊藤野枝の娘としてあるのではなく私自身意外の何ものでもないと決意させた環境に巡り会えたことを喜びたい。決意するのが五十近くであったとしても喜ばしい。2022/01/08

駄目男

5
一代の風雲児といわれた大杉栄と伊藤野枝が殺害されて90年余の時が流れた。現在、二人の名がどれほど記憶されているか知らないが、私が彼らの名に出会ったのは昭和47年頃ではないかと記憶する。その後、事件の真相に興味を持ち、下手人とされる甘粕大尉に関する文献なども読んだが、未だ謎の残る事件だけに、いつまで経っても興味が尽きない。最近のこと、二人の四女ルイズに直接取材を申し込んで上梓された本が存在すると知って、いつか手に入れようと思っていた矢先、先日、立ち寄った古書市で偶然、目に留まったので歓び勇んで購入した。 2017/08/30

あやこん

3
伊藤野枝を主人公にした小説『風よあらしよ』を読んでいて、その子どもたちのことが気になったので、こちらの本を電子書籍で。大杉栄との間に生まれた4女(第4子)ルイさんにインタビューして書かれた本。親が大正時代に無政府主義者で惨殺され、その後母方の祖父母に引き取られた。そして、ずっと親の名前を背負って生きるという大変な人生。社会ってひどいと思わされた。この本は力作。2023/10/02

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