内容説明
時宗の開祖一遍聖は、鎌倉新仏教の展開の最終段階に登場した最も行動的な思想家である。その思想の特色は「南無阿弥陀仏」の六字の名号そのものに見出した救い、遊行、賦算、踊り念仏に象徴される。鎌倉仏教六宗のなかでひときわ異彩を放つ捨聖一遍の思想と生涯を『一遍聖絵』『遊行上人縁起絵』『法語集』等にさぐり、一遍歿後の時宗教団の行方を追う。
目次
序章 一遍聖の行動と思想を知るために
第1章 一遍聖の教えの手だて
第2章 民衆の求めに応じて
第3章 浄土の教えを求めて
第4章 苦難を越えて
第5章 政権の所在地鎌倉と京で
第6章 捨聖に徹した最後の遊行
第7章 教団の成立
第8章 藤沢に道場を建立
著者等紹介
大橋俊雄[オオハシシュンノウ]
1925年神奈川県生まれ。大正大学文学部卒業。文学博士。現在、日本文化研究所講師。主著には『時宗の成立と展開』『法然全集』(全5巻)『法然上人事典』『法然 一遍』(岩波版『日本思想大系』)『一遍―その行動と思想』『一遍と時宗教団』『一遍上人語録』『一遍聖絵』(岩波文庫)、講談社学術文庫に『法然』などがある
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