内容説明
過去は消え去り、未来は到来する。過去―現在―未来という時間の常識的理解からは見えてこない「過去と未来の正体」を考究する。
目次
1 夢と人生
2 人生の短さについて
3 時間の速さとは何か
4 過去はどこへ行ったのか
5 過去はどこへも行かない
6 「死ぬ」時としての未来
7 現在という謎
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
61
現在・過去・未来という3つの分け方、過去・未来の対称的な見方ではなく、時間論の重点を過去に置いて論じる。存在しない過去を理解することを通して、はじめて実在する現在が理解できるという主張。現在と過去は、地と模様のような関係性であるということだろうか。また未来を、端的にないものとして考えるということ。時間論をまた別のアプローチの本で読んでみたい。2019/02/23
SOHSA
25
時間論を扱った本としては非常に分かりやすく親切丁寧に書かれている。しかし一方で著者の視座が今一つよく理解できない。時間へのアプローチが科学的なものか哲学的なものか、或いは中でも文法的なものなのか。いろいろな所へ話が展開しかえって分かりにくくしてしまっている。例えば、チンパンジーが殴られたときの刺激に対して「痛い」というカードを示すことを覚えた場合に、「しかしこの言葉を学んだ状況とはまったく異なった状況において、新しい広がりにおいて、このカードを使用してみようという企ては生じないであろう」と述べる根拠は →2013/10/01
ネムル
20
ハイデガーの未来へと企投する時間論がどこか抽象的というか、健康的な理想論に感じられるなか、人が強く実感を抱けるところの過去を中心とした中島時間論。新書の読みやすさ重視でごり押ししたような胡散臭さはあるが、しかし面白い。「客観的時間がフィクションらしいという一縷の望みをもっており、それを全身で実感したとき「死ぬ」ことが恐怖ではなくなると思っている」、「われわれがおよそ過去の存在を信じるからには、その底には自分の直接的体験をはるかに越えた内容を信じる態度、すなわち「不在への態度」がすでに成立している」2020/07/18
かふ
18
西欧哲学の時間論を否定しながら、最後は直感とかでひっくり返す東洋哲学の時間論なのか。物理的時間と身体的時間。時間について考えれば考えるほど時間を失っていく。死の恐怖と現実感。傷という出会い。痕跡なんだと思う。喜びでも悲しみでも。だから過去はないということはない。ただその痕跡を言語化して再現するイメージは現実ではなくヴァーチャルなものとなる。論じ方が屁理屈が多いから読むのに苦労する。それぞれの哲学者の時間論もわかりにくい。少年老い易く学成り難し、ということか。外に出て四季折々の時節に触れたほうがいい。2021/12/23
わったー
17
普段なんとなく過ごしている中で基準として扱ってきた時間についてこれだけ語られた本は初めてだったのですが、特に、過去が実は存在しないのかもしれないというところは自分にとっては斬新で面白い考え方だなと思います。全部理解できたかといえば自身はないですが(笑) 今、無駄遣いできない大事な時間について少しでも見識が深められたのはすごく為になりました。2013/05/24
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