出版社内容情報
戦艦に劣らぬ攻防の装備をもち、かつスピードのある重巡洋艦。その中でも「摩耶」は、荒武者のような勇姿で太平洋戦争の初戦から暴れまわった。しかし、昭和19年10月23日、無念にも米潜水艦により撃沈された。その重巡洋艦「摩耶」の悲運の生涯を描く。
内容説明
主力艦数が制限されたワシントン会議以降、世界の海軍国は補助艦建造に力を入れた。厳しい条件下で日本海軍が造り出したのは、戦艦に劣らぬ装備をもつ条約型巡洋艦。その最後の建造艦が「摩耶」であった。当時経営危機にあった川崎造船所での誕生の経緯から、レイテ沖海戦2日前、米潜水艦に撃沈されるまでの14年を、乗組員たちの人間模様と共に臨場感たっぷりに描く。「摩耶」生き残りの著者が、609名の英霊に捧げる鎮魂の記録。
目次
「摩耶」誕生
計画
艤装委員長着任す
北浜岩壁にて
訓練開始
艦長たち
開戦への道
出撃
南から北へ
チラチャップ沖海戦
北の海をもとめて
ガダルカナル砲撃戦
ソロモン海戦
ふたたび北の海をめざして
奇跡のキスカ撤退作戦
激闘
決戦・あ号作戦
捷号作戦
葬送
著者等紹介
池田清[イケダキヨシ]
1925年、鹿児島県生まれ。1944年、海軍兵学校卒業。「摩耶」「武蔵」「伊47号潜水艦」で太平洋戦争に参加。1952年、東京大学法学部政治学科卒業。大阪市立大学、東北大学(名誉教授)を経て、2000年、青山学院大学で定年退職。専攻はヨーロッパ国際関係史
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