告白

ジェンキンス，チャールズ・Ｒ．【著】〈Ｊｅｎｋｉｎｓ，Ｃｈａｒｌｅｓ Ｒｏｂｅｒｔ〉/伊藤 真【訳】

角川書店（2005/10発売）

• サイズ B6判／ページ数 255p／高さ 19cm
• 商品コード 9784047915107
• NDC分類 289.3
• Cコード C0098

出版社内容情報

韓国駐留の米軍兵だった彼が北朝鮮へ渡った理由、曽我ひとみさんとの運命の出会い、拉致の実態と他の被害者の消息、等々…。沈黙を破り、すべてを明らかにするノンフィクション。

内容説明

北朝鮮からの帰還者が初めて長い沈黙を破る衝撃の手記。

目次

第１章　スーパー・ジェンキンス
第２章　陸軍入隊、そして非武装地帯を越えて
第３章　同居人たち
第４章　料理人、士官候補生、妻たち
第５章　妻・曽我ひとみ
第６章　友人たち、そして異邦人たち
第７章　家庭生活
第８章　ひとみの脱出
第９章　私の脱出
第１０章　帰郷

著者等紹介

ジェンキンス，チャールズ・Ｒ．［ジェンキンス，チャールズＲ．］［Ｊｅｎｋｉｎｓ，Ｃｈａｒｌｅｓ　Ｒｏｂｅｒｔ］
１９４０年２月１８日生まれる。１９５５年、ノースカロライナ州軍に入隊。１９５８年、米国陸軍に入隊、サウスカロライナ州フォート・ジャクソンで訓練に参加。１９６１年、四等特技官に昇進。再入隊し、さらに六年間兵役を延長。軍曹に昇進。１９６４年、韓国のキャンプ・クリンチに配属。１９６５年１月５日、非武装地帯（ＤＭＺ）を越えて北朝鮮へ。１９７３年、平壌の士官学校で英語を教える。１９８０年、曽我ひとみと出会う。８月８日、曽我ひとみと結婚。１９８１年、馬東煕大学の英語教員になる。１９８５年、英語教員の職を解かれる。２００４年、娘二人と共にインドネシアのジャカルタへ。７月１８日、妻子と共に東京到着。東京女子医大病院へ直行し、入院。９月１１日、在日米軍基地キャンプ座間へ出頭。１１月３日、軍法会議で三十日間の禁固刑が確定。米海軍横須賀基地に収監。１１月２７日、刑期短縮により釈放。１２月７日、一家四人で佐渡に到着（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ぶんこ]

蓮池薫さんの本を読んだ後だったので、違いが歴然としていました。蓮池さんは配慮の人。北朝鮮に残された拉致被害者、残された人々の日本での家族の方々や政府関係者等々への配慮が随所に感じられ、奥歯に物が挟まった感じではありました。ジェンキンスさんには感じられませんでした。とても弱い人というのが私の印象です。何かあるとお酒に逃げてましたし。文中に書かれている人の中には、この本によって被害を被った方がいないように願うしかありません。続いて蓮池透さんの本を読みます。

2015/09/29

[yori]

★★★★★ かなり読み応えのある内容でした。正直な告白だという印象。北朝鮮の厳しい食料事情や思想統制など想像を超える状況。著者もギリギリの生活を送ったが、それでも一般市民よりは恵まれていた、、。それにしても、日本人以外にも韓国人、タイ人、その他の国から拉致された人達が居る事は明らかで、日本政府の様に取り返そうとしないのはなぜか、とあり、本当にその通りだと思う。

2012/04/16

[yuka_tetsuya]

権力・軍部の暴走がいかに一庶民の生活と人生を踏みにじるか、真実であるが故に鋭く胸をえぐる。北朝鮮のやり方を痛いほど知り抜いているジェンキンス氏がひとみさんが帰国してからの2年間、苦しみ耐え抜いた事を素晴らしいと思う。小泉首相とのやりとり、米軍の軍法裁判など当事者側からの真実が明らかにされている。やっぱりノンフィクションはおもしろい。それも同時代を生きた者としては。

2011/05/26

[紡ぎ猫]

家族そろって脱出できて本当に良かった。日本へ行くか、北朝鮮に残るかの選択を迫られ、まだ北朝鮮の嘘にだまされて迷っていた著者が、家族をばらばらにしたくないという思いで日本行きを決心したこと、インドネシア行きの飛行機の中で北朝鮮の指導員が「家族はいいものですよ」ともらしたことなど、これは国境を越えた家族の絆の物語なのだと思った。まだ北朝鮮に残されている拉致被害者が一人残らず帰国できる日を願ってやまない。いつか、できれば娘さんたちにも手記を書いてほしい。

2011/04/12

[必殺！パート仕事人]

何年も積読していたけれど、読んでみたら読みやすかった。訳者の腕の良さかな。訳といより、リライトではと思うのだけど。

2021/01/03