角川文庫<br> 死刑囚の最後の瞬間

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角川文庫
死刑囚の最後の瞬間

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  • サイズ 文庫判/ページ数 213p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041878026
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

戦後、我が国で処刑された死刑囚は六百人以上にのぼる。しかし密行主義といわれる現行の死刑制度の中で、我々は確定囚のその後を知ることは出来ない。彼らが処刑までをどのように生き、どのようにして人生を終えるのか…。二十年以上にわたり、“死刑”を追い続ける著者が、世間を騒然とさせた十三人の死刑囚の最期を通して、ベールに包まれた死刑制度の実態に迫る。衝撃のドキュメント。

目次

昭和の毒婦・戦後初の女性死刑執行―ホテル日本閣殺人事件 小林カウ
一年半で結審、二十二歳で死に赴く―鏡子ちゃん殺し 坂巻 脩吉
死の獄舎を脱獄、仙台送りの翌朝処刑―雑貨商一家四人殺し 菊地正
母親の借金・叱責…におびえ、扼殺―母親バラバラ殺人 奥野清
「生まれ変わりました。喜んで死にます」―強盗放火殺人 中島一夫
短歌と文鳥に生き甲斐を見いだす―吉展ちゃん誘拐殺人 小原保
「成仏して被害者に会って詫びたい」―横浜の強盗母子殺し 堀越喜代八
「このつらさ、苦しさを、いまの若者に伝えて…」―少年ライフル魔 片桐操〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

GaGa

53
現法務大臣はおそらくはこういう著作はすべて読んでいるのであろう。ただ、大臣となったからには現実と向き合う努力も必要だと思う。13人の死刑囚のルポ。人の命を奪った人間が命を奪われるルポ。ただ、厳罰基準が今よりも強い時代の死刑囚たちも多く、現代の裁判であったら減刑される可能性がある方もいる。いっそ無期懲役を廃止し、終身懲役という刑を設けてはどうか。加害者は生涯、その労働で得た金のほとんどを被害者家族に支払い続けるというような。そうなれば、片桐なんかは今も被害者への贖罪をし続けているだろうに。2011/11/24

北風

26
取材不足の一語につきます。憶測を見てきたことのように書いちゃいかんでしょう。しかしこの著者死刑廃止論者のわりに、廃止!廃止!とお題目のように唱えるのか?と思いきや、あとがきを除いてわりと淡々とした書き方で、そこは存続論の者からみても嫌みがなかったです。2015/01/05

James Hayashi

24
十三人の死刑囚の終末を記しているが、著者がその場を見たり、インタビューしたわけではなく、何処かで書物になっているものをかき集めまとめたものであろう。そのためか響いてくるものがないし、死刑直前の死刑囚が幾つかのコメントなど残しているが、判決以後どのように意識が変わったのか分らない。それぞれの事件も簡単に触れているが、加害者中心(著者は死刑廃止論者)の書き方なので、被害者や被害者の家族の気持ち、状況など読み取れない。とにかく古臭いし(92年頃の作)読む価値を感じなかった。2015/11/20

青葉麒麟

16
他人の命をあっさり奪っといて、いざ自分の時は死にたくないって騒がれても自業自得だと思う。拘置所に収用され自分のした事を猛省して悟ったみたいになっている死刑囚もいるみたいだけど、それじゃ遅いよね?その前に犯罪やっているんだから。土壇場になっても普段と変わらない態度をとる女死刑囚は凄い。やっぱり肝が据わっている。死刑を執り行う刑務官のメンタル面が心配。2013/08/12

ジョニーウォーカー

16
多くの死刑囚が、潔く、崇高とさえ感じるほどの見事な死を遂げていることに驚かされる。最後まで暴れ狂う者が少なからずいることからも、その恐怖、刑の厳しさも想像するに余りある。けれど、だからといって著者が訴える死刑廃止論には到底賛成できない。彼らが自分を省み、心から贖罪の意識に目覚めたのは、やはり「死刑」という現実を目の前に突きつけられたからこそだと思うからだ。絞首台を目の前にとり行なわれる自らの通夜で、最後に食すことを許される供物のドラ焼きは、一体どんな味がするのだろう…。2009/03/25

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