角川文庫<br> ひめゆりの塔をめぐる人々の手記 (改版)

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角川文庫
ひめゆりの塔をめぐる人々の手記 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 448p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041515013
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

太平洋戦争の末期、日本国土で唯一戦場となった沖縄では、住民をまき込んで二十数万の犠牲者を出した。中でも悲惨をきわめたのは、従軍看護婦として戦争に参加したひめゆり学徒たちの最後であった。十六歳から二十歳までの若い彼女たちの悲劇は年月とともに、伝説化され、誤り伝えられようとしている。引率教師であった著者が、奇蹟的に生き残った生徒たちの手記を集め、自らの体験と照応させて綴った本書は、生霊への鎮魂歌であると同時に、永遠に読み継がれるべき戦争の実録である。

目次

陸軍病院の日々
戦火に追われて
死の解散命令
浄魂を抱いて
ひめゆりの塔の記

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三代目 びあだいまおう

293
忘れてはいけない事、知るべき事、語り継がれるべき事がある。ひめゆりの塔の悲劇もそう。戦争の悲惨さ、平和への願い、命の尊さ!彼女たちの気持ち・覚悟・使命感が、一人称で連なり紡がれる「手記」となり、叫びとなって切なく伝わってくる。傷ついた兵士達の看護という尊き志を必死の働きで遂げる学徒隊。時に敬われ、時に罵倒されながらも必死で頑張るその姿。尊さを超越した何かにしか思えない。耐え忍び皆で歌う姿、彼女たちを偲び創られた歌の数々に涙を禁じ得ない。彼女たちの魂かけた祈りと涙。決して忘れてはならない!必読書です‼️🙇2020/07/07

榊原 香織

58
悲惨すぎて、リゾート沖縄、ハイさーい、とかいう気分は飛んでしまった。 上陸戦とは、一般市民が前線に置き去りにされること。 生き残った引率教師と生徒の手記。2023/06/26

へくとぱすかる

40
沖縄戦が、いきなり艦砲射撃の開始から書かれる。すでに空襲で那覇は焼け跡になっていた。ひめゆりの悲劇は、まだそれでも始まってさえいない。銃弾と砲撃が飛び交う中、女生徒たちは必死で看護に働き、そして負傷・流血の果てに死んでいく。屍臭と排泄物の臭いの中、食糧も満足になく、医薬品も包帯もない。何度「自決」という言葉が出てくるのか数え切れない。戦場では人の死にこんなに鈍麻になってしまうのか。この世の地獄というより、これこそが地獄。これは生き残った教師が、贖罪として平和を願い、今の私たちに残してくれた貴重な本である。2016/01/25

28
ボリュームあります。沖縄戦の中で本書はひめゆり学徒隊の女学生の手記をまとめたもの。つい数日前まで学生だった彼女たちが、負傷者の面倒を見、友人の死を見送り、自分も明日の命もわからぬ状況で戦った歴史です。死なせてほしいと願うくらい生き地獄という言葉がまさにふさわしい光景だらけです。彼女たちは無駄死にではありません。日本人として立派に戦いぬいて下さったと思います。2014/08/08

ロビン

18
学徒動員が行われ沖縄戦全体では約2000名以上の生徒が亡くなった。その中で沖縄師範学校女子部、沖縄県立第一高等女学校の生徒は生徒・教師240名のうち136名が死亡。本書はその「ひめゆり学徒隊」の引率教諭であった著者が、自身の記憶と生き残った人たちの手記を纏めて書いたもの。沖縄に一人旅した時ひめゆりの塔、平和祈念資料館に行きガマにも入らせてもらったが、本書を読み戦争のおぞましさ、その非人間性への怒りと平和への誓いを新たにした。輝かしい青春を生きるはずの若い命を、もう二度とこんな地獄に落としてはならない。2025/08/14

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