内容説明
歴史を遡ること百年。芸妓の写真の品評会から、舞台での水着審査にいたるまで、時代の趨勢を敏感に反映し続けた美人コンテスト。ミスコン批判にさらされ、下火になりつつある昨今、面喰いを自認する著者はその必要性を敢然と説く。その真意は意外にも―。不美人のための、美人コンテスト擁護論。
目次
第1章 ミスコンテストのルーツをさぐる
第2章 水着で舞台にあがるまで
第3章 美人市場とフェミニズム
第4章 美人の歴史と女の時代
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡本匠
7
井上章一の風俗史もの。 いわゆるミスコンについて、日本における変遷をまとめたもの。明治の時代の記述が多いのは、戦後については大宅壮一文庫に行けば簡単に書けるから、敢えて、資料の少ない明治に力を入れたとの事。調べ物が本当に好きな方なのですね。2016/05/24
むぅ
0
I was not fully satisfied with this book. is it really report?? I thought it was wind. not even resource...2010/12/06
やいとや
0
矢鱈漢字を開く書き癖と「女」と記述するマチズモに読み始めはゲンナリしたが(まぁ92年初版なのだから宜なるかな)、丹念に雑誌などの資料から情報を拾い上げていく仕種は当に風俗史。明治時代のミスコンテストの模様など、興味深く読んだが、個人的に面白かったのは三章以降。ミスコンと切っても切れないフェミニズムに因る批判を正面から喧嘩を売らないまでも逆批判する手際は92年当時の時代状況を考慮すると中々のもので感心する。掉尾の「女が女を比べ合う」という未来予測は、コンテストという形式を取らぬ形で、実現していると思う。2018/12/12