朝日選書<br> 「男の恋」の文学史

朝日選書
「男の恋」の文学史

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  • サイズ B6判/ページ数 280,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022596901
  • NDC分類 910.2
  • Cコード C0391

内容説明

惚れたが悪いか!我恋する、ゆえに我あり。恋は女のものなのか、相思相愛だけが恋なのか、苦しい片思いに身を焦がす、そんな男は「女々しい」のか、気鋭の研究者が試みる異色の日本文学史。

目次

序 「片思いは恋じゃない」?
第1章 「男の恋」―頂点と変容
第2章 冷たい女の運命―中世の女性蔑視
第3章 教科書が教えない恋愛―徳川期の「色道」思想
第4章 坪内逍遙における「恋愛」
第5章 「相愛」の呪縛―北村透谷
第6章 「男の片思い」の復活―二葉亭四迷
第7章 「感傷」と「性」の転倒―『蒲団』が『平凡』に与えたもの
第8章 「女物語」と「男物語」の系譜―尾崎紅葉その他
第9章 執着、未練、狂乱―近松秋江
むすび 『行人』を超えて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

51
近世文学において、目だった女流作家が存在していなかったということが、近世の恋愛観にも影響を与えているのかもしれないと思った。2018/02/12

chisarunn

7
文学史における、男性の恋、それも片想いの恋について考察した本。小谷野先生にしては硬いなあと思って読み終えたら、なんと博士論文の書籍化だそうだ。そりゃ堅調なのは当然だな。「片思いとは、いいかえれば、自分の心に愛を感じることのできない不安と同質の、他者、あるいは女性への不安を、激しい感情でもって充塡し、みずからの感情に酔うための装置だったのではないだろうか」おっしゃるとおりです、先生。女はその点、片思いしてもあんまり不安に捕らわれないですよね(私見ですが)やっぱり、恋愛においては男女は斯くも違うのか。2022/03/30

しんこい

5
男が恋しているような小説でも、実態は相手に愛されていると分からないと自分も好きと言えなかったり、恥と思ったり、江戸時代から明治、恋愛ものが数多書かれたようでも今とは違うのですね。作者もいうとおり、川端とか違う人についても読みたかった。2014/02/15

Gen Kato

2
「『恋愛』は、個々人にとっての『大きな物語』なのだと思う。そして人間は、どうやら『物語』を消費したいという強い欲望を捨てきることができないらしい」「『恋』とは、いいかえれば、『愛されたい』という欲求である」……平安時代の文学、二葉亭四迷、田山花袋、近松秋江らの各論、それぞれ発見に満ちていて楽しかった。2015/06/21

kokada_jnet

1
「もてない男」で衝撃を起こす2年前の博士論文刊行本。ただし、後書きではすでに猫猫節が炸裂です。「メタ言語」「ディスクール」等のニューアカ用語が登場するのも、なんとも隔世の感。そして『蒲団』の革新性の解釈には驚かされた。そうだったのか。2012/01/13

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