内容説明
武田信玄と上杉謙信の川中島合戦、倹約家の家康、毛利家の三本の矢の譬え=サン・フレッチェ・ストーリー…。講談や時代劇の戦国大名たち。彼らの姿はどこまで史実に迫るのか。伝説はいつ生まれ、だれが育てたのか。歴史学が踏み入らなかった“伝説”の世界に分け入ると、根も葉もある話の誕生の瞬間が見えてくる。力を合わせて家を守る麗しい親子愛話には、関ケ原合戦後の毛利家を取り巻く厳しい背景があったのだ。物語はここから始まる―群雄創世紀。
目次
紅蓮の不動 武田信玄
朱夏の慈君 北条氏綱
蒼海の策士 毛利元就
衆の赤、弧の蒼
枯野の老翁 徳川家康
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マッピー
4
戦局的に大して重要なポイントではない川中島で、なぜ武田、上杉両氏は何度も戦ったのか。戦国大名随一の領土面積を持つ北条氏は、始祖早雲以外はなぜ影が薄いのか。逆に言えば、影が薄いくせに広大な領土を治めていられたのはなぜか。毛利家に伝わる三本の矢の譬えは、なぜ日本中に広まったのか。なぜこの家訓が必要であったのか。家康はなぜかくも倹約を奨励したのか。歴史学的にあまり価値がないと言われてきた書物や伝承などを読み比べることによって浮かび上がってくる、歴史の真実。もっとほかの大名の分析も読んでみたいと思う。2015/10/28
■■■(伏せ字)
2
これはひどいw 史料を元に“信玄公”“氏綱さん”などのゆるキャラを創作したエッセイで、冒頭に「妄想でありフィクションです」と断り書きを入れておく必要がある。リアリティラインも創作手法も『ヘタリア』に通じるものを感じた。あえて氏綱にフォーカスしているのが気になって読んでみたら正直はじめはイラっとしたのだが、ヘタリアに「戦争をなめるな!」とツッコむのが野暮なように、この本に「戦国武将をなめるな!」とツッコむのは野暮なんだと思い直して心を鎮め、著者が妄想の翼を羽ばたかせる様を生温かく見守った。2025/03/17
MrO
2
面白かったなあ。一般庶民にとっては、資料の読み方、施政者にとっては、英雄伝説の作り方。どちらの立場から読んでも為になる本だ。今の失言政治家たちも、せめてこれくらいの深謀遠慮ができたらいいのになあ。2019/06/27
MrO
1
本当に面白い。面白い、という言葉の原義通りに面白い。つまり、目の前に見えていなかった光景が現出する快感を味わうことができる。歴史はつねに勝者の歴史を語るが、勝者というのはつねに厚顔無恥であることを忘れてはならないと肝に銘じた。 2017/07/22
手ぬぐいゲッター
0
良かった
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