内容説明
草原の血戦は終わった。それは多くの人々にとってあらたな悲劇の始まりだった。
目次
フイ高地撤退事件
窮余の対応
2個旅団の空しい反撃
閉じられた鉄環
寸断されたバル高地
第23師団の壊滅
大命に反抗する関東軍
砲声やんで
代償
懲罰
国境の再画定と収支決算
戦訓と応用
教訓にならなかったノモンハン戦
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
筑紫の國造
8
完結編。ジューコフによる八月攻勢と停戦、そして戦後日ソ両国がどのような教訓を得たのか、膨大な証言と史料、客観的な視点で描く。記述は客観的ではあるが、高等司令部への批判や貴重な教訓を活かせなかった日本の欠点にもきっちりと触れている。その反面、困難な状況でも最善を尽くした現場指揮官や兵士たちには同情の眼差しを注いでいる。特に、優秀な指揮官である酒井美喜雄大佐の最期には涙を禁じ得ない。事件の発生から終結、その後を描いた書物として、決定版的な名著といえるだろう。ソ連側の文書があまり使えない欠点もあるが、必読の名著2022/04/12
印度 洋一郎
4
下巻は、8月に開始されたソ連軍の大攻勢、そして日本軍の壊滅。急転直下の停戦と、その余波。日本軍内には、この敗戦(今でも色々見方はあるが、敗戦ではないというのは流石に苦しい、と思う)に関して、「臭いものに蓋」という態度だった。この戦いでは、戦闘自体では所々で日本軍の善戦もありつつも、それ以外の部隊の移動、戦場地理の把握、兵站等の問題が表面化していた。そして、何よりも中国で戦う日本にはソ連と戦う余力が無かった。まともに検証しても、当時の日本の国力にはそれを実現する術が無いという事を関係各位は知っていたのだろう2019/03/28
Toska
2
上下巻の感想。労作にして大作。当事国の出身者でもないのにここまでの情熱とエネルギーを注いだ、という事実に感動を覚える。もっとも、第三者であるが故の傍目八目的な視点、あるいは忖度のなさが肯定的に働いた側面もあろう(インタビューを受けた参戦者の中にも、相手が外国人だからこそ胸襟を開いて語ることができたケースがあったのではないか)。「外国史」を研究することの意義と可能性について考えさせられる。2021/04/04
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