岩波現代文庫
キネマと砲声―日中映画前史

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  • サイズ 文庫判/ページ数 420p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006030919
  • NDC分類 778.222
  • Cコード C0136

出版社内容情報

日中戦争の時代,上海と満州での日本の映画工作をめぐる物語.川喜多長政,岩崎昶,亀井文夫…日中の映画人,軍人と転向左翼,抗日運動家たちが,人間の条件が問われる極限状況のもとで,夢と打算を賭けて活躍する.

内容説明

日中戦争の時代、上海と満州での日本の映画工作をめぐる物語。川喜多長政、岩崎昶、亀井文夫、甘粕正彦…日中の映画人、軍人と転向左翼、抗日運動家たちが、それぞれの夢と打算を賭けて展開するドラマは人間の条件が問われる極限状況のもとで、自らの信念に生きることの意味を問い、真の国際理解とは何かを考えさせる。

目次

日本の憲兵が北京で日本の将校を殺した
川喜多長政の中国への夢
岩崎昶が上海に行く
上海の映画が目覚めた
アメリカ映画を日中映画人は学んだ
戦争が始まった
「満州」に日本が夢の工場を作る
ヨリス・イヴェンスの戦い
日本の戦意高揚映画は何を高揚したか
川喜多長政が「輸出映画」に発言する
抵抗する「孤島上海」に川喜多長政が上陸する
筈見恒夫が馬徐維邦の怨念に魅了される
亀井文夫の孤立した戦い
満映が活動する
上海の「孤島」が消滅した
満映は崩壊して中国の撮影所に生まれかわる
「中華電影」が終り李香蘭は山口淑子になった
戦争責任の問題が残った
恨みは深し香港
思い入れが多くて長すぎる「後書き」

著者等紹介

佐藤忠男[サトウタダオ]
1930年新潟県に生まれる。国鉄職員、電電公社員、『映画評論』『思想の科学』編集長を経て、映画評論家となる。以後、文化、教育全般にわたる幅広い評論活動を展開。日本映画学校校長
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感想・レビュー

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Tac

1
日中戦争という難しい状況の中、中国で映画を作る事に情熱を傾けた川喜多長政を中心に、日中映画人の交流と主要な作品群について解説した貴重な本。川喜多は日本の国策として上海に作られた中華電影の実質的トップであり、やはり国策として作られた甘粕正彦率いる満州映画協会と共に、それぞれ違った方法で両国共同の映画作りを模索していく。終戦後、中華電影に協力した中国人は香港に逃れ香港映画勃興の礎となり、満映の日本人は中国に居残り映画人材の育成に貢献する。歴史というのは面白い。2017/12/09

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