出版社内容情報
硬直した幕藩制社会変革への期待が庶民の胸に膨らむとき,意次は登場した.鋭敏な財政感覚をもって打ち出される政策の数々.そして保守派との確執.金権政治家のイメージを払拭し真の意次像を提示する,壮大な歴史叙述.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュンジュン
10
近代歴史学は史料批判にあり。史料こそ歴史復元の基。田沼意次=腐敗政治・金権政治家のレッテルを剝がそうと、史料を丹念に検証する。汚名返上は達成しているが、実像は驚くほど見えてこない。それもそのはず、「田沼意次については個的な史料はもちろんのこと、彼をとりまく根本的史料もほとんどといってよいほど、残っていない」ため。よって本書の主眼も、田沼意次その人より、田沼時代の実相を明らかにすることに置かれている。2022/05/29
go
3
山本周五郎の栄花物語を読んだ後だったので、よりわかりやすく頭に入ってきた。面白かった2021/05/03
ダージリン
2
歴史上の人物ではことのほか評判の悪い人物だが、実際は評価されるべきところも多いと聞き、以前から関心があった人物。田沼意次の人となりについては信頼に足る資料が少ないらしく、本書は田沼が進めようとした政策を紹介しつつ、遠まきに眺めるといった趣を抜け出なかった面はあるのだが、当時の一揆の様子や、蝦夷開拓の様子が詳しく記述されており、なかなか面白かった。天変地異が頻発し、そもそも舵取りが難しい時代であったろうし、田沼の失脚は能力次第で家格の低い者が高位につくことへの根深い反発が爆発したということもあったのだろう。2016/03/03
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