岩波新書<br> ヒトとAI

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ヒトとAI

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004321224
  • NDC分類 007.1
  • Cコード C0204

出版社内容情報

AIと共に生きるなかで、私たちは自己の再定義と社会の再設計を迫られている。AIが知の領域に組み込まれるなかで、仕事や教育のあり方はどのように変化し、経済や文化の枠組みはいかに再編されるのか。そしてヒトという存在の何が変わり、何が変わらないのか。AIが前提となる時代の見取り図を第一人者が提示する。


【目次】

 はじめに

第Ⅰ部 ヒト以外の知能

第1章 学習する計算機
 学習する計算機と、説明できなくなった人間
 理解する前に答えがある世界へ

第2章 学習とは何か
 模倣する学習から、試行錯誤する学習へ
 なぜ人は「理解していないもの」に従うのか
 わからないものに判断を委ねるとはどういうことか
 理解を前提とした判断の限界
  コラム 学習の三つの基本形

第3章 AIは断片的な世界で学習する
 断片的な学習がもたらす強さ
 連続性を持たない学習の限界
 AIは表面的にしかわかっていない
 世界の厚みを持った人の学習
  コラム 大規模言語モデルの学習

第4章 AIは継続学習が苦手
 分散表現が生む「記憶の干渉」
 破滅的忘却
 AIは忘れながら覚え直している
 反復によって成立する学習

第5章 なぜヒトは少ない経験から学べるのか
 生存戦略としての「その場学習」
 多次元的で高密度な学習
 記憶の固定化と干渉の回避
 抽象化という圧縮装置

第6章 抽象化の力と副作用
 カテゴリ化
 因果を見出したいという欲求
 抽象化や因果推論が生む誤りと迷信
 抽象化と偏見
 人とAIの抽象化の違い
 抽象化は知能の加速装置であり、不安定化要因でもある

第7章 究極の抽象化である言語
 個人を超える学習
 曖昧さの強さ
 離散化とコピー可能性
 無限の表現力
 AIが言語を扱うということ
 さまざまな情報をつなぐハブとしての言語

第8章 AIは理解しているか
 言語の理解と世界の理解
 理解を構成する五つの観点
 AIは五つの理解をすでに高い水準で実現している
  コラム 文脈内学習

第Ⅱ部 ヒトの知能――AIとの対比からみる特徴

第9章 個別性と多様性――同じ世界でも、異なる世界にいる
 評価軸の違いからの個別性
 多様性は探索のための設計原理である
 AIとの対比――評価軸の固定という制約

第10章 文化――個人を超えて学ぶ仕組み
 文化がもたらす集団学習
 評価軸の外部化
 文化を持たないAIとの対比

第11章 死と有限性――不可逆な有限性が知能を形づくる
 不可逆性が選択を生む
 死と集団の学習
 AIとの構造的な違い

第12章 感情――学習を駆動する内的報酬
 感情の起源――身体状態のモニタリングから社会的評価へ
 感情は経験に重みを与える
 内的報酬としての感情
 感情と個別性
 AIは感情を持ちうるか

第13章 自由と責任――選択を引き受ける主体
 主

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

17
AIが知の領域に組み込まれる時代。仕事・教育・経済・文化がどう変化し、ヒトという存在の何が変わって何が変わらないのかを、技術的な仕組みから社会制度まで体系的に論じる1冊。AIの学習の仕組みを解説して断片的なデータ処理や継続学習の苦手さ、理解の限界を明らかにし、AIに欠けているものからヒトとは何かを浮き彫りにしていて、仕事の再設計や教育の更新、責任の所在を誰が引き受けるかAIが判断しても、それを固定し続ける主体にはなれないという指摘は重要なポイントで、人間の有限性や責任を再確認するきっかけになる1冊でした。2026/08/26

Shin

13
「判断は委ねることができても、責任は委ねることはできない」。AIは判断するが、失敗を自らの履歴として背負わない。深層学習の第一人者が、ヒトが持つ死や感情や多様性といった特性を「AIが持っていないもの」として機能要件の言葉で語り直す。AIと人間の何がどう違うのかを理解することは、これからAIをどう使いこなしていくべきかという問いに直結する。AI時代の教育の在り方、経営者の役割などアクチュアルな問いにも数々の示唆を与えてくれる。個人的には「AIは身銭を切っていない」というひと言が印象に残った。2026/08/02

ossan12345

12
著者は哲学的素養もある方なのでしょうか?独特の言い回し。人は死と有限性の制約のなかで、自分が引き受ける人生を前提に判断を行う、この判断は不可逆的であり、仮に間違ってもその履歴の蓄積がそのまま人生を形成する。これが世代を超えて継続されるとき、それは文化となり、外部化される。このなかで生きる我々人間は選択を引き受ける責任を負う。対してAIはどうか。人間には理解できない処理を同時並行に進め、出された結果はほとんど神託と化す、人智を超えるエージェントに対して、我々はどのように人としての判断を下せるのだろうか。2026/08/23

iwtn_

7
前に読んだ本の著者だったし、薄いし、新書だし、情報が新鮮なうちにサクッと読んだ。概ね同意。自律的なAIエージェントは、どれぐらいの機能で誰がどれぐらいの数作るかは、諸説あるだろうけど。情報処理系の、ホワイトカラーな感じのお仕事は減る、というか、情報を流すことや整えることに特化した仕事は代替される、か。コーディングをする立場なので、一応その影響と恩恵を受けている身としては、とても便利になったなぁという感想はある。もちろん、汎用的な技術なので、悪いことにも使えちゃう問題はある。まぁ、なんとかなるでしょ。2026/08/09

読書熊

6
AIは人間の自由と責任を代替しない2026/08/11

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