岩波新書<br> スターリニズム - 帝国再興のプロジェクト

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スターリニズム - 帝国再興のプロジェクト

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004321200
  • NDC分類 238.07
  • Cコード C0222

出版社内容情報

テロルや飢餓で数千万人もの犠牲者を生んだ「究極の野蛮」か、帝政ロシアの版図を維持・拡大し、遅れた農業国を近代的な工業大国へと押し上げた未曾有の成功譚か。体制下を生きた市民の声を拾い、「再スターリン化」と呼ばれる現在までを射程に、その構想、実態、遺産を考察する。個人より国家が優先される体制の実態とは。


【目次】

 はじめに

序 章 スターリニズムとは何か
  ロシア的な土壌に根差したマルクス主義
  帝国の遺産①「技術的・経済的立ちおくれ」
  帝国の遺産②「はてしなく巨大な国」
  「ガーデニング国家」――モダニティの極限として
  帝国の生存・再興をかけた野蛮でモダンなプロジェクト

第1章 上からの革命――極限のモダン、究極の野蛮
 1 ロシア革命からネップへ――「上からの革命」前史
  ロシア革命
  内戦へ
  ポーランド・ソヴィエト戦争
  戦時共産主義
  新経済政策(NEP)の始動
 2 一国社会主義論と工業化路線の登場
 3 戦争の恐怖――安全保障化の第一局面
  「安全保障化」の政治力学
  仮想敵への恐怖
  「大規模作戦」の前哨戦
 4 穀物調達危機から非常措置・農業集団化へ――安全保障化の第二局面
  「非常措置」による穀物徴発
  集団化の開始
 5 テロルとグラーグ
 6 飢饉と戦争の脅威――ウクライナにおける二つの戦線
  大飢饉
  ウクライナの重要性
  ウクライナを注視するポーランド
  ソ連・ポーランド不可侵条約
 7 社会主義的近代化の評価
  経済成長率の実数
  農業集団化の評価

第2章 生きられたスターリニズム
 1 流砂社会の発生と国内旅券制度の導入
 2 社会的上昇移動
 3 消費のヒエラルキーからソヴィエト型消費主義へ
  消費のヒエラルキー
  「我がソ連にパンはないのでしょうか?」――労働者の抗議行動
  ソヴィエト型消費主義
 4 祝祭行事
 5 ガーデニング国家の下での社会と個人――社会に対するテロル
  「新しい人間」の育成
  「育成」から「除草」へ
  「第五列」とは誰か
  大テロルの始まり
 6 個と共同性
  スターリニスト的主体
  親密圏① 試される「家族」
  親密圏② 支えあう家族
  親密圏③ 友人関係

第3章 スターリンの帝国――対外膨張、「大祖国戦争」、非公式の帝国へ
 1 スターリン独裁
  「巨大な強大国」への執着
  スターリン独裁とは何か
  スターリン崇拝
  帝国を統べる「ロシア権力」
 2 ソ連帝国
  スターリンの「自治化」案
  「アファーマティヴ・アクションの帝国」
 3 ナショナル・ボリシェヴィズム
  スターリンの歴史教育
  ロシア・ナショナリズムとソヴィエト愛国主義
 4 「大祖国戦争」
  経緯と結果
  「党を核とする文明」
  ロシア・アイデンティティの高揚
 5 拡張するソ連帝国
  西部国境へのこだわり
  スター

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

67
スターリニズムといえば「1国社会主義」を思い出させるが、このスターリンのやり方について、「ロシアという土壌ににマルクス主義という異質な種から育った木」という見方を知ることができたのが本書の一番の収穫。その木を護るため、強力な耕作(農業集団化の強行)、時には除草(大粛清)を行い、ソ連という帝国を作っていったとする。スターリンは帝政ロシアの「良いところ」として国土の大きさとそこにある資源をみていた。これが領土に対する飽くなき執着に繋がっていったという見方が面白い。そしてこれを破壊したのがゴルバチョフだった。2026/08/11

Ex libris 毒餃子

10
スターリニズムにおける社会制度変革にフォーカスした本。2026/08/23

O次郎

5
現代ロシアとスターリズムに関する第5章は白眉。現在のプーチンロシアにおいてスターリンが称揚され、指導者のみならず市民レベルでもスターリニズムの帝国復興の試みが共有されていることが分かりショックを受けた。何より現代のロシアにおいてスターリンの犠牲者を追悼するような展示すら「ロシアに対する攻撃」と位置づけされ始めたとは…。ロシアにとってスターリン時代の記憶は決して過去ではないということなのだろうが、あまりに不健全すぎるのではないだろうか2026/07/25

NorthVillageHRE

1
スターリニズムの政治的推移から「生きられたスターリニズム」、プーチン政権下のスターリニズムの復権まで、ロシア史的な現象としてのスターリニズムに着目した1冊という趣/スターリニズムは社会を設計・育成・除草の対象と見る「ガーデニング国家」論/コルホーズの設置=農業集団化は農民たちの抵抗を招き、「取られるなら食べる」とおう行為から家畜が不足、ソ連の畜産業の停滞を招いた/配給制のもとでは「ブラート」というコネクションが形成され、これは集団ごとの消費のヒエラルキーに抵抗した。一方、ブラートは国家のシステムに寄生2026/08/05

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