岩波文庫<br> 日本アルプスの登山と探検

岩波文庫
日本アルプスの登山と探検

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  • サイズ 文庫判/ページ数 381p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003347416
  • NDC分類 291.5
  • Cコード C0126

出版社内容情報

日本アルプスを世界に紹介して,日本アルプスの父といわれるイギリス人登山家ウェストン(1861-1940)の日本滞在中の登山記録.槍ヶ岳,乗鞍岳,立山,穂高岳,御岳などへの登山や周辺地域の民俗がユーモアにみちた文章でつづられた山岳文学の古典.日本の登山の先駆者たちもこの書物によって近代登山に開眼したという.1896年刊.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

T2y@

36
ウェストンさんの古書。アルピニズム未開時代の日本での山紀行。 民家は蚤が跳び(?)「雨乞い」がまだまだ実際に行われていた日清戦争の頃。 各地の土着信仰迷信、英国人登山家への偏見・厚遇エピソードや、嘉門次との邂逅を経て、『日本アルプス』が国内外に確立される程の影響力を持った山行記録の金字塔。また一つ山岳名書に出逢った。2020/03/23

detu

28
明治中期、陸軍の測量部による地図作成測量、山岳信仰と鉱山開発以外に、日本人には登山という認識はない。『上高地』を広く知らしめた英人、ウェストンによる登山日誌とでも言うべきもの。まだ登山道など整備されてる訳もなく、すごい強硬日程だ。よく事故が起きなかったものだと感心しました。それにしてもウェストンから見た当時の山間部の日本人の様子がなかなか面白い。外国人を初めて見る人が殆どでウェストン一行を見物に来る様子が笑えた。2018/08/02

syota

24
日本に近代登山がまだ存在しなかった明治期に、日本アルプスの主要峰を片端から踏破し、世界に紹介したウェストンの登山・旅行記。わが国の山岳地帯が当時いかに美しく、豊かな自然に溢れていたかが、ありありと伝わってくる。軽妙な筆致で綴られた地元の人々との交流も、読んでいて楽しい。同行した英国人の仲間が撮影した写真も、当時の空気感を雄弁に伝えてくれる。抜群の体力と行動力、そして外国人など見たこともない人々の中にどんどん入り込んでいくコミュニケーション能力の高さも見事だ。歴史的価値はもちろん、紀行文としても秀逸。2017/05/30

Yoko

6
明治の田舎の様子や人々とのふれ合いが興味深いし、文章も読みやすくイギリス人らしいユーモアに溢れていて面白い。この方無類の登山好きなわけだけど、驚くほどタフ!恐ろしく健脚なだけでなく異国の山奥を旅できてしまう強い精神力と好奇心、それに知識欲がすごい!詳細に公正に記録しようとする姿勢が感心します。最後のほうで、当時の迷信、印結びや憑依等シャーマニズムに触れていて少し気味悪がりながらも調べようとしてますが、でもイギリス人も降霊会とか魔女狩りとか結構いろいろ好きじゃんって思いました(まあこの方宣教師ですから)。2016/02/27

Happy Like a Honeybee

5
地の声の届かぬところに、平安あり。 現代人が安心して登山できるのも、先人たちが生死を掛けて道を開拓してくれたお陰だ。 明治維新直後の紀行文であるが、山を取り巻く環境は何一つ変わっていない。きっとこれからも…。 著名な山で暮らしていた、私たちの先祖たちも描写されており関心深い。明治期に温泉は混浴が主流だったのか。2017/11/08

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