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岩波文庫
湛山回想

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  • サイズ 文庫判/ページ数 436,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003316825
  • NDC分類 289
  • Cコード C0195

出版社内容情報

『東洋経済新報』で小日本主義を提唱し,日本に比類のない自由主義の論調を貫いた石橋湛山が,生いたちから戦後政界で活躍するまでを淡々と語った自伝的回想.特に,坪内逍遙・島村抱月等の謦咳に接した早稲田の学生時代の叙述をはじめ,東洋経済新報社の同僚であった片山潜の事や二・一スト前後の回想は貴重な記録. (解説 長 幸男)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

23
学校教師の経験(43頁~)。早大卒業、修身と教育との中等教員免状をもらったという。東大の本郷では卒業式の際、陛下の行幸があって、制服で奉迎、奉送(53頁)。私が最も早く読んだ経済学の本は、トインビーの『インダストリアル・レボリューション』(75頁)。私の借りた本には、134頁に大きく折り目が付けられていた跡があるので、痛々しく、公共財としての図書館の書籍を丁重に扱ってほしいと思う。そして、司書がぺらぺらと返却するや否や、捲りまくるのも信用されていないのだと、がっくりきた。 2015/04/13

isao_key

5
東洋経済新報社の主筆として日本のジャーナリズムを牽引してきた石橋湛山の回想録。本書は1948年から51年まで「東洋経済新報」に連載された「随筆 若干の感想」「おいたちの記」が元になっている。従って後、1956年に総理大臣に就任するも病気のためわずか2ヶ月で退陣したときの記述はない。おいたちから早稲田大学時代の様子、軍隊での生活、文筆業を始めた頃からその後の活動などが思い出すままに書かれている。中でも戦時中、自由主義を捨てないことから軍部から睨まれても、主義を捨てずに雑誌を存続させた反骨精神はさすがである。2014/01/21

denz

4
僧侶の子として生まれ、母の姓を名乗り、父親の友人を育ての親とする。中学時代は、二回の留年を経験しクラークの教えを受けたキリスト教徒の校長の薫陶を得る。高等学校試験では一高を失敗し、早稲田へと進み、田中王堂の影響を受けた哲学徒として主席で卒業。哲学者として出発したはずが、東洋経済新報という経済雑誌社に就職し、経済評論家として活躍し、後に政治家へと転身する。総理就任直前位までの湛山の回想録であるが、生涯を見るにつけ個人として生きることを課されつつも周囲の感化をしっかりと受け感謝する穏健な個人主義者像がみえる。2013/10/24

AR読書記録

3
表紙の内容紹介からは、明治生まれの知識人による時代の証言、くらいな印象を受けて読み始めたんだけれども、まるで今の時代に読まれるために書かれたような、そんなところが多く含まれている感じがしてきた。政治にしろ経済にしろ、いつも新たな事態に直面しては様々な立場・主張から“正解”を見つけなければいけないというわけでなく、歴史をたどり、由来をたどれば、自ずと導かれるものがある、はず。今はだいぶ忘れられ軽んじられている大事なものがここにある気がするな。ところで福来友吉博士の催眠療法体験が、証言としてかなり興味深い。2014/05/08

Yoshio

2
植民地放棄などの論説集は、到底世論に受け入れられない内容を孤軍奮闘、彼らしく攻撃的かつ隙無く武装した戦闘モードなイメージだが、こちらはゆったりと思い出話を同窓会でしているような、良い意味で力の抜けというか、リラックスした語らいのように思った。とは言え解説によると、政界復帰タイミングでの出版であり、何もかも自然体によかれと出した本ではないという。なかなかギャップがある点は興味深い。2019/11/27

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