岩波文庫<br> ジーキル博士とハイド氏

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岩波文庫
ジーキル博士とハイド氏

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  • サイズ 文庫判/ページ数 114p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784003224229
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

医師ジーキルは自ら発明した秘薬によって凶悪な人物ハイドに変身するが,くり返し変身を試みるうちにやがて恐るべき破局が…….人間の二重性を描いたこの作には天性の物語作家スティーヴンスン(一八五〇―九四)の手腕が見事に発揮されており,今も変わることなく世界中で愛読されている.映画化されることに実に七十回という.

内容説明

医師ジーキルは自ら発明した秘薬によって兇悪な人物ハイドに変身するが、くり返し変身を試みるうちにやがて恐るべき破局が…。人間の二重性を描いたこの作には天性の物語作家スティーヴンスン(1850‐94)の手腕が見事に発揮されており、今も変ることなく世界中で愛読されている。映画化されること実に70回という。新訳。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

83
物心両面での二面性を考察。意識の中で時々その変化に気付く後者に対して、常時外観も含めて変化する前者。加えて、変化が齎す常習性が、破綻への道となる。学問的興味と本質の探究。その比重の変化で揺れ動く心理が印象的。特に、特殊な塩の調合ができない最後の件で垣間見る「生」への執着。物理的な生死と共に、本質の生死。敢えて言えば、善悪両極面の一極(ハイド)しか検証していない。踏まえると、ジーキルに戻れなかったことだけが”不幸”なのではなく、対極の検証をできずに迎えた自身の死が不幸だったとも解釈できる。2020/04/12

こばまり

57
恥ずかしながら初読。“オチが苦しい”との訳者まえがきに驚くも、読み終えてこの最後の独白こそ、本作の醍醐味だと感じました。「それは少しめちゃな話だぞ、お前」等、私好みの古式ゆかしい胸キュン和訳が散見され楽しめました。2015/06/14

ユーさん

46
色々な例え話の中で出て来る「ジキルとハイド」。具体的な内容は、知らないまま、今まで生きて来たが、やっと読む事が出来ました。どのように変化するのか、どんどんと引き込まれて読了。最終の陳述書は、思い悩むジーキル博士の気持ちが、ひしひしと伝わって来ます。2016/03/21

イプシロン

45
善悪は人間が作り出した概念である。当然でありながら忘れがちなことを確認させてくれる。物語作家として評価が高いには違いない。だが個人的には高邁な哲学性があると感じた。冒頭、アタスンの人柄紹介では、彼が知情意において非常にバランスを持った人間と描かれている部分、終章のジーキル博士の告白を読むだけで哲学性の高さは感じられるのでは……。漱石が好感をもったのも頷ける。それ以前にプロットが卓抜。登場人物による客観視を見事なまでに積み上げたあと終章に持っていく力量には舌を巻いた。物語作家といわれる所以はここにあるかと。2015/11/12

金吾

39
自己の中の善と悪の対立の話です。ジーキル博士の行動を見ると悪に侵食されていく恐怖はあっても、行動に対する反省はないので偽善者ではないのかなと思いました。2022/10/04

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