出版社内容情報
戦国割拠から豊臣・徳川へ.時代は激しく動きつつあった.仮名草子は,新時代にマッチする新たな娯楽と教養をもたらし,すばやく情報を伝達して民衆の心を捉えた.「大坂物語」「尤之双紙」「清水物語」「一休ばなし」など7篇.
内容説明
戦国割拠から豊臣・徳川へ、時代は激しく動きつつあった。沸き返る期待と不安、そして好奇心。平明な仮名・漢字まじり文で書かれた「仮名草子」は、そうした流動の時代にマッチする新たな娯楽と教養をもたらし、すばやく情報を伝達して、揺れ動く民衆の心を捉えたのだ。本書には仮名草子の多様さを示す七つの作品を収める。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゴロチビ
4
実際に読んでみたのは「日本古典文学大系90假名草子集」の方。三宅香帆さんが伊勢物語のパロディと紹介していた「仁勢物語」をどうしても覗いて見たかったのだ。笑えるかな?と思ったがハードル高かった!面白がるにはまず本家を読まなければ!と訳付き本片手に読み比べる。仁勢物語の方には訳が無く(語呂合わせ的な言葉遊びが主なので訳しても仕方ないのかも)、時代は成立当時の江戸初期に、内容はお下劣庶民的なものに。仮名草子そのものが古典文学のパロディ集らしい。こういうものを作れる当時の文化人の教養とバイタリティ凄いなぁと感嘆!2022/10/27