出版社内容情報
国連難民高等弁務官をつとめ、「人間の安全保障」を提起した緒方貞子。生い立ちからの歩みをたどる。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
41
貞子氏の曽祖父は犬養毅氏（3頁）。名家出身か。無責任の体制：政治的統合力を欠き、既成事実を積み上げるとき、政治であれ軍事であれ、指導者が選択しうる政策幅は狭まる（46頁）。貞子氏の愛読書は、清沢洌（きよし64頁）。Ph.D取得、本になったが、就職先が決まらず苦労されたという（81頁）。拙者など箸にも棒にも掛からぬということだね。鶴見和子氏や内発的発展論の話も出る（85頁）ということは、人間の安全保障（HS）とも関わることは認識しておきたい。センは哲学者と貞子氏は指摘される。貧困は経済学でもある。2016/01/07
Kaz
32
国連難民高等弁務官、JAICAの理事長、ICUや上智大学での教員など世界を股にかけて活躍をした、まさしくスーパーウーマンの半生を対話形式で振り返る。多くの課題を乗り越えられたのは、前向きさと行動力であった。 幼少期から中国との縁が強かったことから、同国との付き合いについては中々の見識を持っている。「中国と向き合うことは、実は日本自身と向き合うこと」との言葉には納得した。 個人レベルでは隣人との付き合いだからね。気に入らなくとも離れられない関係だから、断絶などできるわけもなく、上手く付き合うしかないのだ。2020/05/16
はまななゆみ
19
国連難民機関のトップを務めた時のポリシー「人間を大事にする価値のためにあらゆる工夫をして力を合わせてきた」 緒方貞子さんがこんなに凄い方とは知りませんでした。とても多くの示唆に富んだ回顧録でした。2015/12/28
よしひろ
13
緒方貞子を知る。元国連難民高等弁務官。世界的な活躍をした。孫正義もそうだが、バークレー校での博士課程時代に膨大な文献を読んだ経験をしている。そこから得た知識や議論して得られた知見が、その後の人生に果たす役割は決して小さくないと思った。そして、世界で仕事をするには、そういった知的基盤は不可欠だろう。2016/03/20
koji
12
自分から手を挙げて始めた仕事はあまりなかった緒方さんが国連難民高等弁務官に就いたのは６３歳。ＪＩＣＡ理事長を退いたのが８４歳。長く必要とされ続ける人物の生き方を覗いてみたくなり、本書を手に取りました。少し書き残します。①周りの人に質問をたたみ掛け、教えてもらいながら始め、次第にその仕事が天職のように感じられるよう全力投球すること、②多様性を涵養し、それを育む教育を積み重ねること、③現場に踏み込むこと、④多くの仲間に支えられていること、⑤学究とプグマティックの調和。この本から得たことはこのウン十倍もあります2016/02/13
