感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おはら
2
筆者まず、現在の「キャリア」を優遇する仕組みに何ら法的根拠はないと指摘した上で、戦前の身分差別的な官吏制度から戦後の(タテマエ)民主的な国家公務員制度に移行する過程で、「キャリア」と「ノンキャリア」の身分差別を規定する法的な基盤は撤廃されたものの、人事のインフォーマルな運用によって戦前の「高文組」に代わる「特権階層」が生み出された様を「こぼれ話」を織り交ぜながら物語調で書いてるので図らずも楽しみながら読めた。インフォーマル格差であるが故に透明性が低く改革が難しいというのは男女格差についても言えると思った。2024/11/09
Kenji Suzuya
0
幹部候補コースである「キャリア」について、試験・任用・給与の各側面から着目する。3つの側面について、制度そのものと実態、相互の関係に着目するという着眼点は優れている。しかしながら、いずれについても制度・実態ともどもについて理解が不十分で、本書の目的である「キャリア」システムの解明には全く手が届いていない。また、修士論文をもとにしたとのことだが、無駄な文章が非常に多く、洗練されていない。2016/07/13