出版社内容情報
すべての文学研究が拠り所とする「テクスト」.しかしそれは,異同をまじえながら複製されていく,揺れをはらんだものでもある.成立の状況,異本の分析など,丹念に文学作品のテクスト形成過程を追うことで見えてくる問題は何か?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あなた
1
1巻はテクスト論特集。右の論者も左の論者もあわせてちゃんとコーディネイトしてるところはえらい。テクスト分析には大きくわけて2つの方法がある。テキストを論理的に精読していく泥臭くて堅実なテキスト分析。テストパイロットのように文学理論を用いながらテキストの意味を反転しアクロバティックな読みを展開するテクスト論。テキスト分析とテクスト論のどちらをあなたは選ぶだろうか。学会ではどうやって選ぶかというと利権で選ぶ。信念のためではない。2009/07/14
いまにえる
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論文集みたいな感じ。「テクスト」という概念が比較的最近生まれ、それまでは口伝伝承で「オリジナル」が変えられることも少なくなかったと知り、それもそうかと思った。ギリシア神話やコーランなど聖典類は文字のおかげで現代まで伝えられているが、その意味内容ないし魅力は失われている部分も多いのではないかと思う。2017/09/12
星規夫
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これだけでは解らないことが山ほどあるので、別途勉強していく必要がある。当然か。ロバート・キャンベルさんの論文が一番興味深かったなあ。明治期の教育熱は善くも悪くも強烈だったのね。2012/09/14