岩波科学ライブラリー
個体発生は進化をくりかえすのか

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  • サイズ B6判/ページ数 112p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000074483
  • NDC分類 481.2
  • Cコード C0345

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

154
「個体発生は系統発生を繰り返す」かに見えること、すなわち反復説は18世紀後半にメッケルに始まり、19世紀にフォン=ベーアに受け継がれた。ただ、驚くべきことに、彼等にはまだ進化の考え方がなかったことだ。これが進化と結びついた時、それは確かにひじょうに魅力的な説に見える。発生期のある段階の脊椎動物は、みんなよく似ているからだ。人間にも最初は尻尾があるし、魚みたいではある。本書は、進化と発生の関係をわかりやすく、しかも先端の知見を踏まえて、刺激的に語る。進化のメカニズムが、いくらかは理解できた気になれる書物だ。2014/09/22

おりん

30
高校生物でお馴染み、「個体発生は系統発生を繰り返す」反復説についての本。反復説と言うのは例えば人の胎児には、成人に必要の無い鰓穴ができる時期があるが、これは魚が我々人の祖先だからだ。生物の胚発生は進化の歴史を繰り返してるんだとする説。本書では、胚発生が進化を反映するように「見える」というのが正しいという結論を出す。科学的、生物学的に見ても妥当な結論だと思い満足。個体発生に進化の歴史を重ねて見る、なんてのはロマンチックなお伽話であって、だからそうなりかねない反復説は胡散臭く感じられるという話。2017/12/17

手押し戦車

11
ソニックヘッジホッグ遺伝子があり四肢の前後軸、腹側の体節のパターン形成に関与しする。遺伝子は汎用性、重複性、共通性があり、大工道具一式の様にツールキット遺伝子があり使う道具が似ていて、設計図にも共通性と重複性があり生命が出来る過程は固体発生は系統発生を繰り返すように見える。動物の子供は 親と同じ姿で 生まれる。それを繰り返すことで 複雑化や多様化してい行き環境の条件で系統発生して行く。男には道具がたった一つしかなく、それで二つの機能を果す。しかもそれがいつも問題を起こす。大工道具を揃えないと進化はない2014/07/16

佐藤一臣

6
難しい。いったい何が言いたいのかもわからなかった。個体の発生過程において進化の道を繰り返す反復説に異議を唱えているようだが、私にしてみれば「だから何?」みたいな感想しか出てこなかった。反復しようがしまいが、そんなことはたいして重要じゃないんじゃないかなあ。責任負荷説が後になって説明されてくるが、まあそうだろうねとしか思えない。過去の発生ルートに縛られているけれども、同じルートの余分なルートを使って新しいものに使うという進化の仕方があるので、温故知新なんだろうね、発生も。2021/11/13

ひろただでござる

2
受精卵は生物のすべての進化の過程を経て成体になると習った(多分)しそう思っていた。けど随分回りくどいことをするなぁ…と嘗て思ったことを思い出した。ここでは今使えるものを使ってどれだけ進化的に形態的分化を遂げたのかということを問うている(多分)。生物として共通する(祖先的パターン)ところは再利用して時代とともに新しく変化させる部分が次第に発生後期に集中した…ということらしい…のを理解できたような気がした。どちらが正しいのかはわからないけど理解できたと思った瞬間の血圧の下がり具合が(上がったのか?)なんとも…2018/12/20

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