内容説明
ローマ時代末期の最大の神学者・思想家アウグスティヌス(三五四‐四三〇)が語る魂の遍歴。若き日の放縦な生活ののち故郷タガステからカルタゴ、ミラノを転々とし、宗教的にはマニ教の信者であった彼が回心を経験してキリスト者となった経緯を語り、罪深い生活から真の道へと導いてくれた神の恩寵を心からたたえる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
7
397-400年頃初出。意外と、平仮名が多い漢字の文体で、子供が読んでもいいのかもしれない。学問を嫌い、遊びを愛した(第1巻第9章23頁~)。第17章学芸の虚妄と教育の害悪(36頁~)。他に気になったのは、「人生の快楽そのものも、思いがけず意志に反してふりかかる苦しみのみによってではなく、みずから進んでつくった苦難によっても得られる」(253頁)。水を得た魚のような自由。そんなときもあったが、長くは続かない。2013/06/06
もっこす
0
図書館本。初めてこの本を知って約10年、ようやく上巻を読めた。基本的に神に対する懺悔のような文体の為、読み始めはなかなか慣れなかったけど、読み進めると己が過去犯した過ちに対する懺悔(告白)だと分かる。それとアウグスティヌスの回心において母モニカの存在がいかに影響しているかよく分かる。下巻も読んでみたい。2025/03/23