出版社内容情報
塩辛・魚醤油・ナレズシなどの魚の発酵食品を手がかりに,東アジアと東南アジアの味覚の深層を探り,世界的視野から水田稲作地帯の食事文化を検討する.フィールド・ワークに基づいた食文化研究における画期的労作.
内容説明
塩辛・魚醤油・ナレズシなどの魚の発酵食品を手がかりに、東アジアと東南アジアの味覚の基層を探り、世界的視野から水田稲作地帯の食事文化を検討する。13ヵ国に及ぶ諸地域についての精力的なフィールド・ワークに基づき,漁業生態学・歴史民族学・食品科学などの方法を駆使してまとめあげた、食文化研究における画期的労作である。
目次
序論 魚介類の発酵食品の種類と分類
第1部 ナレズシ(アジア各地におけるナレズシの実態と歴史;ナレズシの通文化的検討)
第2部 アジア各地における魚醤の実態と歴史
第3部 魚の発酵食品をめぐる漁業生態学的考察(生態学的背景;発酵に利用される魚種;漁業技術;東アジアの漁業における季節性)
第4部 魚醤の食品科学的考察(うま味調味料としての魚醤;魚醤の含有成分と調味料としての機能;食品としての魚醤)
第5部 文化史的考察(世界の魚醤と魚醤類似製品;製塩史の問題;魚醤とナレズシの起源と伝播に関する歴史民族学的検討;東アジアと東南アジアの関係)
第6部 うま味の文化圏(味の世界地図のなかでの魚醤;水田稲作の食事文化;穀醤と魚醤)