生と死の接点

生と死の接点

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  • サイズ B6判/ページ数 370p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784000011914
  • NDC分類 146.04
  • Cコード C0011

出版社内容情報

老い,そして死――この人間にとって最大の問題をどう受けとめたらよいのか.昔話や児童文学,また具体的な臨床例などに即して,人生後半の課題について考察する.人間の尊厳,生きることの意味をめぐる深い洞察.

内容説明

老い、そして死。この人間にとって最大の、しかもきわめて現代的な課題をどのうよに受けとめるべきか。昔話や児童文学、また具体的な臨床例などわかりやすいモデルに即して、臨床心理学の第一人者が、人生後半の課題について考察をめぐらす。そして人間の尊厳、生きることの意味について深い洞察を加えて、「生と死の均衡」の重要性を説く。

目次

1 生と死の間(ライフサイクル;元型としての老若男女;老いの神話学;老夫婦の世界;ファンタジーの世界)
2 昔話と現代(グリムの昔話における「殺害」について;片側人間の悲劇―昔話にみる現代人の課題;日本人の美意識―日本の昔話から;日本昔話の中の他界)
3 現代社会と境界性(現代と境界;境界例とリミナリティ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

kayak-gohan

11
第一部では人生後半をどう生きるかに焦点を当て、エリクソンによって提唱されたライフサイクル論、ユングの「中年の危機」、孔子の「論語」などを紹介しながらアプローチしている。各世代における発達課題の考え方は洋の東西で大きく変わらないことは興味深い。親子関係では、人間は成長の過程で一度自分の親を精神的に“殺す”ことが大人への通過儀礼として必要であるとする。2025/08/11

阪口まな

5
今まで河合隼雄を読んでいたのはこの本に出会うためではないか。これまでに読了するなかで気になった「父親殺し」「トリックスター」「他界」「昔話」などが語られていて、久しぶりに読み込み型(ノートとペンを用いる)の読書をしなければ。ユングの「完成」と「完全」について河合隼雄の解釈で、前者は欠点を削っていったものであり無くしたもののぶんだけ「不完全」さに悩み、後者は全てを内包しようとするため「欠点」に悩む。こういったことをね…ノートにいっぱい書いていきたい。興奮する。2025/10/04

Z

3
初河合隼雄だが、ちょっとあわなかった。日本って、西洋の個人主義と違うよねって話を、昔話のなかに、さぐって、分析深く感じなかったし、よくいわれる説をもう一度昔話のなかに、確認して、それで終わってしまったんじゃないかと、ちょっと失望。2015/01/16

eirianda

3
まったくわたしは一時期、河合隼雄信者だったのだな。こころのお父さんだったのよ。

はじめ 

2
河合隼雄の真骨頂は、真面目に気張ったものを書こうとする時よりも、具体例に即しながら肩の力を抜いて自由に書いている時にある気がする。この本は色々な所で書いたものの寄せ集めなので、その両面がある。ただやはり随所にみられる課題に対する考え方、姿勢、向き合い方などに著者の本領が発揮される。それはあれかこれかの解決策ではなく、第三の道を見出し、そのような道もあったのかと目から鱗が落ちるような心境を毎回味わう。それは時に時間をかけることであり、新たな視点の獲得でもあり、状況にポジティブな物語を見出すことである。2021/03/12

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