立ち退かされるのは誰か? - ジェントリフィケーションと脅かされるコミュニティ

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立ち退かされるのは誰か? - ジェントリフィケーションと脅かされるコミュニティ

  • 著者名:山本薫子【著】
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • 慶應義塾大学出版会(2025/01発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 810pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784766429985

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内容説明

<ジェントリフィケーション>がもたらす問題とは?

再開発による「立ち退き」、グローバルな不動産投資と家賃高騰……。

<ジェントリフィケーション>という言葉を生みだしたのは、1960年代の社会学者ルース・グラスだった。
彼女が都市ロンドンで<発見>した現象は、現代の都市問題を予見していた……。

地域コミュニティが脅かされつつある現代都市の課題との共通点をさぐる注目の書。



――ロンドンでは、空間をめぐる競争がますます激しくなっている。さまざまな要素がこの競争をさらに強化している。(……それらは)予測も制御もされなければ手に負えなくなり、地価(上昇)のスパイラルにつながる。そして、まさにこれが起きてしまったのである。
(ルース・グラス『ロンドン――変化の諸相』より)


――ジェントリフィケーション。ダウンタウン・イーストサイドは大きな変容の最中にある。過去10年の間に中流層、上流層の階級の住民たちがこの低所得地域に移り住むようになった。新たな住民たちがコミュニテイ再生の手助けをする一方で、そのことは周縁化された住民たちを追い出すことでもある。
(バンクーバーのストリート・ペーパーMegaphoneより)

目次

序 章 ジェントリフィケーションとは何か
第1部 都市ロンドンとジェントリフィケーションの<発見>
第1章 「ジェントリフィケーション」の名づけ親 ルース・グラス
第2章 英国の住宅はどう変わったか
第3章 地域コミュニティの重要性
第4章 労働者の賃貸住宅をめぐる新たな問題
第5章 移民労働者の増加と「人種問題」
第6章 スケープゴート化された移民たち
第7章 現代から見るグラスの意義と再評価
第2部 現代のジェントリフィケーションを考える
第8章 カナダ・バンクーバーの住宅不足と家賃高騰
第9章 バンクーバーの低所得地域ダウンタウン・イーストサイド
第10章 DTES におけるジェントリフィケーションへの対抗
第11章 チャイナタウンでのジェントリフィケーションと移民の「歴史」
第12章 縮減する低所得地域とホームレスの排除
第13章 福祉化する横浜・寿町の現在
終 章 ジェントリフィケーションを通して社会をとらえる

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヨンデル

10
立ち退かされるのは誰か、山本薫子、慶応義塾大学出版会、ジェントリフィケーション、私にとって初めて聞く言葉です。下層階級が多く住む下町が再開発すれば街が審美化され、セキュリィーが強化され街が活性化することを目指す。そうすることで高級住宅や中流層の人たちが多く集まれば住民の入れ替わりが起き、地元の風景が一変するということはどういうことかという問題である。これは今始まった問題ではなく昔から続いている問題だと思う。そもそも人とは様々な能力があり、時代によって所得が増えたり減ったりするのは、2025/03/31

お抹茶

5
ジャントリフィケーションを初めて使用した社会学者・グラスの功績に光を当て,バンクーバーと横浜寿町の事例を挙げる。グラスの特徴は,住民調査を基に世代を超えた長期的な地域コミュニティの持続にまで視野を広げ,住宅政策を考えたこと。郊外化進展の一方でジャントリフィケーションの発生に気づいたが,社会政策や都市計画には懸念が反映されていなかった。社会的経済的に劣位の者が自分よりさらに劣位なものを叩くという構図も予想した。多民族多文化のバンクーバーのような都市では,移民は追い出す側にも追い出される側にも含まれる。2025/01/27

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