学校に行かない子どもの社会史 - 不登校とフリースクールの源流

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学校に行かない子どもの社会史 - 不登校とフリースクールの源流

  • ISBN:9784766429954

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内容説明

“学校ぎらい” “登校拒否” “不登校” ──「学校に行かない子ども」という問題は、どのように生まれたのか。そして学校に行かないことへの文部省の認識が、個人の「性格的なもの」から「誰にも起こりうるもの」へと大きく転換していった過程はどのようなものだったのか。多様な人びとの「声」から再構成する。

・行政による不登校生支援が始まった1990年代初頭までの認識や対応の変容を精緻に検証。
・「学校に行かない子ども」への、社会からのまなざしの変遷を探る。
・毎年過去最多を更新し続ける不登校問題を考えるうえで、議論の基礎となる研究。

目次

序 章

第1部 学校に行かない子どもの問題化と学校外における諸対応――日本児童精神医学会と学校外の学びの場に着目して

第1章 学校に行かない子どもの研究と専門的対応の開始――1960年代を中心に

第2章 教育問題の顕在化と学校外の学びの場の成立――1970年代を中心に

第3章 子どもの人権侵害と新しい教育の希求――1980年代を中心に

第2部 学校に行かない子どもに関する認識と対応の変容過程――奥地圭子たちの活動に着目して

第4章 学校に行かない子どもに関する新たな認識の生成――渡辺位と奥地圭子を中心に

第5章 「母親教師」としての奥地圭子――教育雑誌『ひと』における記述に着目して

第6章 学校に行かない子どもの治療をめぐる論争――稲村博と奥地圭子を中心に

第7章 学校に行かない子どもに関する行政の認識と対応の変容――実態調査と有識者会議を中心に

終 章

付 論 学校外の学びの場への通学定期券制度の準用過程――フリースクールと行政の関係性に着目して

年表
謝辞
引用文献
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

katoyann

19
「学校に行かない子どもに関する認識と対応の変容過程」を分析した教育学の博士論文。一次資料の収集という観点から読むと出色の出来と言える。ポイントは、精神医学における不登校の解釈の変遷と、フリースクールによる当事者運動の社会的影響力の考察にある。専門家による分類が当事者の権利を抑圧する機能を持つことを見抜いた点で、素晴らしい業績の一つが生まれたと言える。ただ、牽強付会と思われる記述があり、ある学術的トレンドや党派性に無理に解釈を合わせようとしているように思われる文章もあった(例えば162ページ)。2024/12/24

安藤 未空

3
「学校に行かない子ども」が行政分野以外でどのように認識されてきたのか、1960年代から90年代までの状況を概観している。 「学校に行かない子ども」をどう理解するかということは、医療分野・保護者の間で手探りで認識が形成されてきた様子がよくわかる内容だった。ただ、現状もこの混乱が収束したわけではなく、混乱の延長線上にあるように感じる。そのようななか、教育機会確保法が一つのポイントとなるものであることは想像に難くない。現実を見ること大事だが「何のための義務教育か」という視点を持つことも重要だと感じる。2025/08/16

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