内容説明
著者について
近代史研究家。昭和23年生まれ。昭和46年東京大学経済学部卒業後、日本興業銀行にて審査、産業調査、融資、資金業務などに携わる。とくに企業審査、経済・産業調査に詳しく、今も的確な分析力には定評がある。平成13年日本興業銀行を退社し、以後歴史研究に専念、現在は「幕末史を見直す会」代表として、現代政治経済と歴史の融合的な研究や執筆活動などを行っている。著書に、『明治維新の正体』(毎日ワンズ)、『日露戦争と日本人』(かんき出版)、『日本征服を狙ったアメリカのオレンジ計画と大正天皇』(かんき出版)、『アメリカの罠に嵌った太平洋戦争』(自由社)、『陸軍の横暴と闘った西園寺公望の失意』(勉誠出版)、『昭和の宰相近衛文麿の悲劇』(勉誠出版)など。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
九曜紋
8
表面的には、軍事・軍記マニアの知識披瀝の書に見えるかもしれない。しかし著者の真意は司馬遼太郎の「坂の上の雲」によって不当に貶められた乃木希典の名誉回復と日露戦争の実相を明らかにすることにある。「司馬史観」という言葉があるように、司馬は国民作家として祀り挙げられ、それこそが真実であると信じている日本人はきっと多い(ちなみに私は坂の上の雲は未読)。本書によると後の第二次大戦まで続く陸軍と海軍の不和がこの時代に芽生えていたことがわかる。断っておくが本書は決して戦争賛美の書ではなく、むしろ反戦の書と読むべき一冊。2023/12/04
H
4
「坂の上の雲」に対する違和感が全て払拭出来た。「坂の上の雲」で司馬遼太郎が嘘ばかりを書いて乃木将軍を徹底的に貶めた理由は一体何なのかは謎だが。2023/10/21
Junichi Watanabe
1
#読了 。日露戦争に至った経緯から、初戦からバルチック艦隊に勝利した日本海海戦まで、資料を基に詳しくまた読み易く書かれている。所謂「司馬(遼太郎)史観」が真の史実でない事がよくわかった。2023/11/29