空洞のなかみ

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空洞のなかみ

  • 著者名:松重豊
  • 価格 ¥1,400(本体¥1,273)
  • 毎日新聞出版(2020/10発売)
  • 盛夏を彩る!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~7/28)
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  • ISBN:9784620326467

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内容説明

物書き松重豊、誕生! 軽妙洒脱な筆致で描かれる演者の心象風景。 連作短編小説12編+エッセイ25編を収録!!
『孤独のグルメ』『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』『きょうの猫村さん』などさまざまな映画、ドラマで注目を集める著者の初の書籍。書き下ろし連作短編小説「愚者譫言(ぐしゃのうわごと)」と週刊誌「サンデー毎日」の連載エッセイ「演者戯言(えんじゃのざれごと)」の2種を収録。演者だからこそ描くことができた心象風景を、独自の軽妙洒脱な筆致で表現。「サンデー毎日」連載時から人気を呼んだ旭川在住のイラストレーターあべみちこによるイラストが彩りを添える。
【目次】愚者譫言/バスの中 「プロローグ」/取調室 「第一話」/ガベル 「第二話」/酒場 「第三話」/伴走 「第四話」/土の中 「第五話」/かさぶた 「第六話」/オペ室 「第七話」/仇討ち 「第八話」/日当 「第九話」/独房 「最終話」/鯖煮 「エピローグ」/演者戯言/設定を変えてしまうほど自白に影響を与える食べ物の存在/昨日ニンニクさんざ食った奴の臨終に立ち会う気分は如何/脳に詰まった起訴状がカレーに追い出され睡魔が襲う午後/異国で異教徒になった日の寿司と浴槽その冷たさについて/沈黙するポテチ片手の羊たちその記念写真が手許に無い件/背が伸びる秘訣をと問われたらとりあえず牛乳と答えるよ/坊主頭の中学生はレゲエとパンクの間で揺れ動くのだった/覚えられないのは茗荷の所為なのよと可愛い文字で書いた/オムレツもエッグベネディクトも便座にしゃがんだあとで/神に見守られた美しい雪隠で考えるのは今宵の夕飯の献立/定食屋の奥に並ぶ宇宙人の眼差しにライス大盛りを完食す/東京特許許可局なんて実際には存在しないものじゃぞ隆景/けして孤独ではないチーム孤独は彼の下で円陣を組むのだ/餃子耳にはなりたくない相撲好きの柔道家の下手な素振り/大晦日紅白の真裏で独り年越す方々と共に食さんと欲する/鬘をとって風呂上がり万願寺唐辛子の甘さを教わった夜に/最初はグーだが皮膚はカタカナよりも漢字を求めたのだった/言っとくけど演者はドットで出来てるわけじゃ無いからね/アンドロイドは博多やわやわうどんの夢を見ていたか否か/折角結婚祝にすき焼き鍋を贈ったんだから別れないでくれ/待ち時間にはカメラに向かって無意味な下ネタを連呼する/師曰く汝が隣人即ち友と限らず写真は撮られる側と限らず/組事務所で咄嗟に嘘をつく心のブレに補正は可能だろうか/根気良く注射を打ち続け魔の手から逃れる方法を信じるか/星空にたき火を囲んで人生を語る場を僕が作ってあげよう
【著者略歴】1963年生まれ。福岡県出身。蜷川スタジオを経て、映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍。2007年に映画『しゃべれども しゃべれども』で第62回毎日映画コンクール男優助演賞を受賞。2012年『孤独のグルメ』でドラマ初主演。2019年『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』で映画初主演。2020年放送のミニドラマ『きょうの猫村さん』で猫村ねこを演じて話題に。「深夜の音楽食堂」(FMヨコハマ)では、ラジオ・パーソナリティーも務めている。

目次

愚者譫言
バスの中 「プロローグ」
取調室 「第一話」
ガベル 「第二話」
酒場 「第三話」
伴走 「第四話」
土の中 「第五話」
かさぶた 「第六話」
オペ室 「第七話」
仇討ち 「第八話」
日当 「第九話」
独房 「最終話」
鯖煮 「エピローグ」
愚者譫言
設定を変えてしまうほど自白に影響を与える食べ物の存在
昨日ニンニクさんざ食った奴の臨終に立ち会う気分は如何
脳に詰まった起訴状がカレーに追い出され睡魔が襲う午後
異国で異教徒になった日の寿司と浴槽その冷たさについて
沈黙するポテチ片手の羊たちその記念写真が手許に無い件
背が伸びる秘訣をと問われたらとりあえず牛乳と答えるよ
坊主頭の中学生はレゲエとパンクの間で揺れ動くのだった
覚えられないのは茗荷の所為なのよと可愛い文字で書いた
オムレツもエッグベネディクトも便座にしゃがんだあとで
神に見守られた美しい雪隠で考えるのは今宵の夕飯の献立
定食屋の奥に並ぶ宇宙人の眼差しにライス大盛りを完食す
東京特許許可局なんて実際には存在しないものじゃぞ隆景
けして孤独ではないチーム孤独は彼の下で円陣を組むのだ
餃子耳にはなりたくない相撲好きの柔道家の下手な素振り
大晦日紅白の真裏で独り年越す方々と共に食さんと欲する
鬘をとって風呂上がり万願寺唐辛子の甘さを教わった夜に
最初はグーだが皮膚はカタカナよりも漢字を求めたのだった
言っとくけど演者はドットで出来てるわけじゃ無いからね
アンドロイドは博多やわやわうどんの夢を見ていたか否か
折角結婚祝にすき焼き鍋を贈ったんだから別れないでくれ
待ち時間にはカメラに向かって無意味な下ネタを連呼する
師曰く汝が隣人即ち友と限らず写真は撮られる側と限らず
組事務所で咄嗟に嘘をつく心のブレに補正は可能だろうか
根気良く注射を打ち続け魔の手から逃れる方法を信じるか
星空にたき火を囲んで人生を語る場を僕が作ってあげよう

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

206
いつから松重さんが好きだったのか…気付いた時には画面の中の松重さんを追っていた気がする。今は専らゴローちゃん?猫村さん?バイプレーヤーズの松重さん?色んな役をこなされてすっかり【全国区】の俳優さんになった感じ。そこで『物書き松重豊、誕生!』の帯に誘われて手にした。リズム良く引き込まれた!短編12話は役者ならではの視点が面白い。プロローグとエピローグが繋がるのが上手い。カバーは始め何だろう?と思ったがなるほどね~だった。エッセイ25編も楽しく読んだ。挿絵も好い。又どこかで読みたいエッセイだった。2021/01/17

hiro

97
TVでよくお見かけする松重さんの書き下ろし小説と週刊誌連載のエッセイということで興味があり読んでみた。演じる役が刑事か、被疑者かが分からない役者など本当にいるのと思いながらも、役者だからこそ書ける12編のショート・ショートは、読みやすく、役者という職業の一部をみることもできて大変面白かった。一方、エッセイでは、台詞を忘れる、噛むということに対する恐怖について何度も書かれていて、これで小説の内容についても理解できると思った。松重さんのYouTubeでのこの小説の朗読も、小説を読むのとは違った趣があった。2021/03/06

R

87
俳優によるエッセーと、簡単にまとめられる本ではなかった。まさかのSF小説もあり、それを下地にした、あるいは逆だったのかもしれない、エッセーで語られていることと微妙にリンクしていて面白かった。小説というよりも、小話、あるいはショートショートといった趣だけども、俳優業というもの、その中の人だからこそ見えるものが描かれていたように感じた。出世作となった孤独のグルメの話も面白いけど、若い頃のこと、これまでの俳優歴が興味深かった。2021/02/01

bura

70
俳優、松重豊が書いた小説「愚者譫言」とエッセイ集「演者戯言」の組合せの1冊。小説もエッセイも役者松重豊がたっぷり詰まっていて面白い。特にエッセイはサンデー毎日に連載されていたもので「孤独のグルメ」の松重豊の影響からか食べ物の話が多く、読んでいてもゴローさんが浮かんでしまう。文中にも「…何気に入った定食屋の盛りの多さに首をかしげながら食べていると奥から食事を覗き込んでいる店主たち…」という件があり、みんなに期待されているんだなあ、と思わず笑ってしまった。2021/09/22

tetsubun1000mg

65
昔のこわもて刑事かヤクザ役が多い役者さんの印象が強かったが、最近は「孤独のグルメ」など真面目でちょっととぼけた感じの役も増えてきてようだ。 この本の前半は経験を重ねた役者さんにしか書けない設定の短編集。 最初は設定が分からないが、どんでん返しも楽しめる。 後半のエッセイ部分は松重豊さんが本音で書かれていると感じられて面白かった。若いころにいろんなバイトをしながら俳優を続けてきたのが分かった。地下鉄駅のトイレの物置棚部分の工事をした話など昔ばなしも興味深いが、ブレイクしない役者さんも多いんだろうなと感じた。2021/04/18

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