内容説明
富裕層はますます富み、中間層や貧困層はより貧しくなる真の理由とは? ピケティの共同研究者による衝撃の研究結果。/史上最高レベルの不平等はどのように生まれたのか?/最高税率が高ければ格差は縮小し、経済も成長する/富裕層の租税回避を防ぐ方法/「過剰な富の集中は民主主義にとって、戦争と同じぐらい有害だ」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Francis
14
「格差と闘え」にこの本の著者の発言が掲載されていたのでこの本の事を思い出し、続けて読んでみた。サエズ教授はピケティ教授の共同研究者でもあるのでこの本は「21世紀の資本」の税制面における実践編と位置付けても良いだろう。アメリカの税制について論じている。アメリカの富裕層への課税は1970年代まで非常に高い税率による累進課税が行われていたが、レーガン政権になって累進税制がほとんど無意味になり、格差が広がってしまった事、タックスヘイブンを利用した税金逃れがいかにひどいか、が良く理解できる。2023/02/19
にしがき
12
👍👍👍 本書は、米国で拡大する格差の要因は税制と説く。富裕層と労働者は所得の内容が違うので(労働所得と資本所得)、課される税も異なる。米国では資本への課税が少なく、そもそも非課税となるものも多い。著者はこのバランスを正すべきと主張し、過去の米国では税は格差を縮める為のものと理解され、機能もしていたと説明する。法人税も適切に対処すれば、グローバルな底辺への競争を避けられると。ただ、過去の米国が格差を嫌ったのは、金があると権力も集まるから。既に金と権力が集中している現在、税制改革はうまく進むのか。。2020/12/20
Michio Arai
8
「底辺への競争」からの脱却がテーマだろうか。トマ・ピケティは2013年に「21世紀の資本」で過去20年間の膨大なデータを分析し、資本には再投資が可能でありその収益率r>経済成長率g(>所得)となることを解明し資本課税と累進税の強化を提言した。この本の原題の直訳は「不正の勝利」、ピケティの問題提起を別の切り口で詳細に著している。徴税とは国家運営の土台であるが、巨大多国籍企業やその取巻きの会計税務専門職の租税回避の横行ぶりや被害額を具体的に著す。国際協調の重要性を説くが解決の処方箋というには弱すぎるだろう。2021/04/07
TK39
3
不公平税制が格差を拡大したので、富裕層の所得への累進課税の強化、そして資本への課税を強化すべき、そして国際協調により多国籍企業のタックスヘブンへの利益移転への規制強化を。 それはその通り、いかに実現するか?が見えない。 2021/01/24
jackbdc
3
毒を以て毒を制すという狂気を感じる。多国籍企業や大金持ちから税金をむしり取ろうという内容。手段は前者に対しては国際協調とタックスヘイブンへの制裁等。後者は所得税の超累進課税と財産課税の導入というもの。実効性という尺度においてはトンデモ論なのだが、通読により気付いたことがある。私はこれまでゼロベースで税制を考えたことが無かった。そして考えた。理想的な税制とは?負担と便益の関係とは?既得権益や努力をどう評価するか?公平・公正とは?様々な主体間の権益調整とは?う~ん、時間かけてゆっくり考えて行きたい。2020/12/24
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