内容説明
霊長類学,文明論,精神医学,教育学,人間学,哲学の立場からの論文をとおして,人間理解を深め,戦争と人間,そして平和への道筋をさぐり,また総合人間学の課題と方法についての問題意識を問う。「特集 戦争を総合人間学から考える」「エッセイ 現代と人間の問題」これらのテーマをうけた論文、海外からの特別寄稿論文を掲載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マウンテンゴリラ
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人類の歴史が戦争で血塗られているというのは事実だとして、果して人間は本来的に戦争(同種間での殺し合い)を宿命付けられている存在なのか、社会の形成過程で戦争という手段を産み出し発展させてきたのか、いう基本的な問いかけはとても重要であると感じた。本書は全体的に戦争が、社会的に形成されてきたものであり、国家権力を越える真の国際法や、個人における人類としての連帯意識等の形成によって克服可能であるといった論調に貫かれているようで、少なくとも我々一般人の意識がそれを後押ししていくものでなければならないと感じた。2014/02/28