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和書西遊記　全１０冊文庫

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大岩が雷を受けて石ザルになり、サルの手…

大岩が雷を受けて石ザルになり、サルの手下を引き連れ、さんざん悪事を働いたのちに天でまた悪事を働き、お釈迦様もバカにしてやろうとすると逆にやり込められて、天竺へお経を取りに行く三蔵法師のお供となる…というのが西遊記のストーリーですが、原作は文庫本全１０巻の長編となっております。短編集です。
　妖怪どもの間では、「三蔵法師を食べると不老不死になれる」といううわさが広まっており、毎回三蔵法師が料理されかけるのを、孫悟空が助けるか、自分の手に余るようなら格下の竜や天の住人に助けを求めるか、それでも足りなければお釈迦様に援助していただき、無事三蔵法師を助け出します。
　この孫悟空が憎めないキャラクターです。
　強いくせにお世辞に弱くて、頭が良くて機転が利くくせに簡単に人を信じてしまうところがあり、三蔵法師には、頭にわっかがはめられていて痛めつけられるから、というだけではなく、少年が親を慕うような愛情を抱いています。
　ところがこの三蔵法師が、やっぱり人間なので、猪八戒の口車に乗ったり妖怪に騙されたりして、悟空を追い出してしまうことがたびたびあるんですね。でも悟空は心配になって必ず助けに戻ります。
　このセリフが好きです。三蔵法師が妖怪と座禅対決をすることになり、三蔵法師が名乗り出ます。ところが妖怪の悪だくみのせいで、三蔵法師が変に体を動かしている時。
「お師匠様はできると言ったらできる。できないと言ったらできないんだ。」
　あくまで孫悟空は三蔵法師を信じて、妖怪の悪だくみを見抜きます。
　他にも全文掲載のが多分出ています。しかし私が読んだのはこれなので、これを載せました。

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