【紀伊國屋ホール】 岡部企画プロデュース公演「知覧にて」(2014年7月2日~6日)※本公演は終了しました。
岡部企画プロデュース公演 紀伊國屋書店提携 紀伊國屋ホール開場50年 「知覧にて」 |
■日程 2014年7月2日(水)~6日(日)
■作・演出 岡部耕大
■出演
今井徳太郎 岡部大吾 小池雄介
小林太一 五歩一豊 高橋裕太 ほか
■ストーリー
戦後70年になる前年、近藤雄治(69歳)と妻の咲子(66歳)、その息子雄一(35歳)と嫁の和子(30歳)が知覧を訪れる。雄一は伊万里の高校で教師をやりながら高校野球の監督をしている。雄治夫妻は長崎の松浦で雑貨屋を営んでいる。雄治の父は知覧の特攻隊で亡くなっている。雄治の母豊子(88歳)は雄治を孕んだばかりであった。雄治の父武はまだ学生であったが、周囲の反対を押し切って豊子と形だけの結婚式を挙げ、特攻隊として散っていったのである。
雄治夫妻と雄一夫妻は特攻隊が泊まったという「富屋旅館」に泊まり、特攻観音へお参りをし、武家屋敷を見学する。宿の人に豊玉姫神社のからくり人形を教えられ見学に出掛ける。豊玉姫神社には地元の人たちが集まっていた。そこで雄治夫妻は地元の人たちが「知覧駅」の復元を計画していることを知る。木造の古い小さな駅の写真を見せられた雄治夫妻、雄一夫妻は心が動く。「知覧駅」から特攻隊員たちは知覧へ降りて来たのである。「なにかお役に立ちたい」と雄治夫妻と雄一夫妻は地元の人へ願い出る。地元の人は「矢櫃橋の袂にある茅葺きの家に老婆が一人で住んでいる。訪ねて行ってやってくれ」という。老婆フキは「知覧なでしこ隊」の生き残りであった。なでしこ隊とは女学生が特攻隊を見送るために集められたもので、特攻隊員にマスコット人形などを送って見送るのである。
雄治夫妻と雄一夫妻は老婆フキを訪ねる。フキは囲炉裏のある茅葺きの古民家に一人で住んでいた。早くに亭主を亡くし、子供たちも大阪や東京に就職していた。フキは「子供は帰ってこないし、頼りにもしていない」という。フキは一枚の写真を雄治夫妻に見せる。特攻隊員門田勇の写真である。「南方の島に不時着したらしい」とフキはいう。フキは勇を密かに慕っていた。「探してもらえないか」とフキは雄治夫妻と雄一夫妻に頼む。手掛かりは長崎の平戸の海が見える街というだけであった。
伊万里と松浦へ帰った雄治夫妻と雄一夫妻は平戸の海が見える街の方々を訪ねるが、それらしい人はどこにもいない。ある街で写真を見た老人が、「この人は門田の勇さんだ」。という。特攻機のエンジンのトラブルで南の島に不時着した門田勇は「家の恥」と親戚からは攻められ、故郷には帰って来ないまま戦後はずっと行方不明だという。雄治夫妻と雄一夫妻は諦めるしかなかった。ある日、雄治と雄一は漁船で平戸の沖へ魚釣りに出掛ける。突然、天候が悪くなり漁船は沖の無人島へ避難する。かつては海軍が駐留したという無人島である。無人島とばかり思っていたが掘っ立て小屋のような小さな家から火が漏れている。雄治たちは助けを求めてその家の門を叩く。その家には老人が一人で住んでいた。ラジオもテレビもない家である。雄治が服を乾かそうと脱ぐと写真が落ちる。門田勇の写真である。老人はその写真を見ると顔をくしゃくしゃにして泣き始める。「あんた、もしかして門田勇さんじゃないのか」。老人は門田勇(88歳)であった。
■日程表
《チケット情報》
■チケット発売 5月20日(火) ■前売券取り扱い |
■お問合せ 岡部企画 044-933-9754