紀伊國屋書店出版部3月の新刊『スエロは洞窟で暮らすことにした』
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お金は幻想である。
〈持たない〉という自由
アメリカの西部ユタ州に住むダニエル・スエロは、三十九歳のときに全財産三〇ドルを電話ボックスに置きざりにして以来、現在にいたるまでの十数年間、一切のお金をかせぐことも、受け取ることも、使うこともせずに暮らしています。
本書は、保守的なキリスト教原理主義の家庭に育ったスエロが、大学で進歩的な思想に目ざめた後、社会福祉や海外援助の現場で世の中の矛盾に直面し、うつ病、自殺未遂、国内外放浪をへて、ゲイである自分を受け入れ、ついにお金と不安を同時に手ばなすにいたった道のりを綴ったノンフィクションです。
見返りを期待することなく無償で与える〈贈与経済〉にもとづいて〈今ここ〉に生き、明日を思い煩うことのない彼の生き方は、文化のちがいを超えて、日本に生きる私たちにも「自由」とはなにか、「幸せ」とはなにかを問いかけてきます。