紀伊國屋書店
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キノベスとは

1位 博士の愛した数式

小川洋子/新潮社

博士の愛した数式

あらかじめ失われることが前提の物語は、おとぎ話というにはあまりに切なく暖かい。毎日記憶がリセットしてしまう老数学者と,そこに通うことになった家政婦の私、阪神タイガースファンの息子10歳。3人で過ごした奇跡のような1年とその後。最初のページから予感にあふれています。美しい物語です。いつかすべてを忘れ去ったとしても、たとえ別れの日が来ようとも、他人をここまで大切に思えるなら、あのやさしい日々は確かにあったし、思い出せばいつでも暖かな気持ちになれる。そんな出会いがこの本の中にはあります。
(平野・新宿本店)

2位 クライマーズ・ハイ

横山秀夫/新潮社

クライマーズ・ハイ

18年前の日航機墜落事故、新聞社での紙面づくり、親子の葛藤を通じ、男の人生とは何か?横山秀夫氏の答がここにあります。仕事に、親子関係に、そして人生に少し疲れた方にこそ是非お薦め。
(百々典孝・本町店)

友情とは、家族とは、会社とは。世の中の不条理と人と人とのつながりを見事に描き切った小説。トイレに行くことさえ我慢して一気に読んでしまいたい圧倒的なおもしろさ。読み終わった後、思わず微笑んでしまう、心の爽快感がたまらない!
(秋田元二・松山店)


3位 重力ピエロ

伊坂幸太郎/新潮社

重力ピエロ

秩序に対して人はどうあるべきか。なんて、そんな重いことまでも軽く書き上げてしまったすごい小説。主人公と犯罪によって生まれた弟と父と亡くなった母の家族の絆がとてもあたたかい。スタイリッシュでユーモアある文体に冒頭一行目から虜になります。
(小田夏芽・本町店)

ちっとも泣けない感動的な話。とは著者の言葉ですが、“感動”というのが涙なしで実感できるものなんだと思いしらされた1冊。
(岸田安見・本町店)

4位 デッドエンドの思い出

よしもとばなな/文藝春秋

デッドエンドの思い出

正直、よしもとばななに興味は無かった。実のところこの本を読むつもりも全く無かった。ある書評の一文を目にするまでは。「“ベストセラー作家”というつまらない理由だけで彼女の本を読んでいない人も、この本は読んだ方がいい」。身におぼえのある私は早速読んでみた。想像していた以上に素晴らしかった。不覚にも電車の中で涙してしまった程に。世の中の天邪鬼な人達に言いたい。「この小説を読まないなんて本当に勿体ない!」
(新妻・東京オペラシティ店)


5位 間取りの手帖

佐藤 和歌子/リトル・モア

間取りの手帖

こんな間取り見たことない!!とりあえず、めくって見て下さい。ほんとに変な間取りばかりです。しかも、そのすべてがこの世に実在するのでびっくり!まず部屋を想像して、人が住んでいると思うとおもしろい。さらに著者の一言コメント(つっこみ)でまちがいなく笑えます!!
(瓜生・福岡本店)

6位 陽気なギャングが地球を回す

伊坂幸太郎/祥伝社

陽気なギャングが地球を回す

人間嘘発見器、演説名人、天才スリ、精密体内時計。こんな4人が集まれば、そりゃ銀行も襲うでしょ。スカッとしたい方はこれしかおすすめできません。俺も仲間に入れてくれ!
(百々典孝・本町店)

やっと時代が伊坂幸太郎に追いついた。ぼくらの世代はようやく同時代の文学を手に入れた。「スティング」よりもリズミカルで「踊る大捜査線」よりもコミカル。はりめぐらされた伏線が最後にピタリとはまる、この快感!
(星真一・グランドビル店)


7位 14歳からの哲学

池田晶子/トランスビュー

14歳からの哲学

幼い頃「わたしは何者だろう・・・?」「私って、自分って何だろう」と思っていたことを強烈に思い出した。答えはないけれど、だからこそ考えることが大切だと教えてくれました。自分を崇める本、ココにあり。
(中本・梅田本店)

読み終えた後、誰に良くみられる為でもなく、「自分の為に、自分なりの美学を持ち、凛として生きようとする新しい自分に出会えるかもしれない。
(鹿野・福岡天神店)

8位 会社はこれからどうなるのか

岩井克人/平凡社

会社はこれからどうなるのか

経済書を読んで、久し振りにすっきりとした、明るい気持になった。少し長い時間の流れのなかで、経済や会社の現在と未来を考える、このような本が今まであまりに少なかったように思う。著者は理論経済学者であり、内容も極めて原理主義的。短期的な局面では逆の現象や反論もあり得るだろうが、歴史を見つめ、日本の会社の将来に期待を馳せる内容はビジネスマンやビジネスウーマンに対する応援歌に読めた。「ですます調」の文体も読みやすく、だいぶ頭が固くなっている私でも殆ど一気に読めてしまった。さすが、「小林秀雄賞」受賞作。
(m.i・新宿本店)


9位 いま、会いにゆきます

市川拓司/小学館

いま、会いにゆきます

まるで1冊の本が長いラブレターのように、切なかった。この気持ちを他の人とも共有したい、そう強く感じたので選びました。誰かを大切に想うこと、想われることの尊さ、素晴らしさを感じずにはいられない作品です。
(雑誌担当・京橋店)

10位 無名

沢木耕太郎/幻冬舎

無名

我々は父のことをどれくらい知っているだろうか。父の父としての面しか見ていないのではないだろうか。著者は父が残した俳句の中に、今まで知らなかった姿を見出し、父の原点に、そして自らの原点に立ち帰る。無名の生・無名の死の潔さ・美しさが胸にしみる1冊。
(中納・西神店)


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