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博士の愛した数式 |
小川洋子/新潮社
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あらかじめ失われることが前提の物語は、おとぎ話というにはあまりに切なく暖かい。毎日記憶がリセットしてしまう老数学者と,そこに通うことになった家政婦の私、阪神タイガースファンの息子10歳。3人で過ごした奇跡のような1年とその後。最初のページから予感にあふれています。美しい物語です。いつかすべてを忘れ去ったとしても、たとえ別れの日が来ようとも、他人をここまで大切に思えるなら、あのやさしい日々は確かにあったし、思い出せばいつでも暖かな気持ちになれる。そんな出会いがこの本の中にはあります。
(平野・新宿本店)
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クライマーズ・ハイ |
横山秀夫/新潮社
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18年前の日航機墜落事故、新聞社での紙面づくり、親子の葛藤を通じ、男の人生とは何か?横山秀夫氏の答がここにあります。仕事に、親子関係に、そして人生に少し疲れた方にこそ是非お薦め。
(百々典孝・本町店)
友情とは、家族とは、会社とは。世の中の不条理と人と人とのつながりを見事に描き切った小説。トイレに行くことさえ我慢して一気に読んでしまいたい圧倒的なおもしろさ。読み終わった後、思わず微笑んでしまう、心の爽快感がたまらない!
(秋田元二・松山店)
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