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文学(研究・批評) |
【1】 | 「赤ずきん」の秘密―民俗学的アプローチ | |
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アラン・ダンダス(編) 池上嘉彦,山崎和恕,三宮郁子(訳)1996 46判 334頁 本体2,816円+税 |
日本ではグリム童話の「赤ずきん」が有名だが、実際にはグリム兄弟に先立つぺロー版をはじめ、ヨーロッパのみならずアジアにおいても「赤ずきん」は語られていた。その語り口や話の筋は変遷を経ており、そこには多くの謎が秘められていた。本書では多様な「赤ずきん」像を紹介、この著名な童話の裏にあるものを探る。訳を一部改訂し新版を刊行。
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【2】 | おとぎ話が神話になるとき | |
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ジャック・ザイプス(著) 吉田純子,阿部美春(訳)1999 46判 264頁 本体2,600円+税 |
おとぎ話を子供の手に取り戻さなくてはならない。グリム兄弟やシャルル・ペローが加えた改変や、神話を持たない若い国・アメリカでディズニー映画はおとぎ話をどう変えたのか。また「オズの魔法使い」がアメリカ現代文学について与えた影響などを検証し、現代社会に必要な「本当のストーリーテリング」を考える。昔話研究の第一人者による画期的な1冊。図版多数。
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【3】 | 読書の歓び―マイナー・クラシックの勧め | |
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ノエル・ペリン(著) 中村紘一(訳)1989 46判 312頁 本体2,524円+税 |
古典の地位には少し届かないが古典に劣らず読書の歓びを与えてくれる小古典(マイナー・クラシック)。長年にわたりこうした作品を個人的に集めた著者が、歓びを読者と分かちあうべくまとめた本書は、さまざまなジャンルの40篇の作品を取上げ、その面白さ、楽しさ、すばらしさを歯切れよく明快に語っている。親しい人や友人へのプレゼントにも最適の本といえよう。
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【4】 | 科学者たちのポール・ヴァレリー | |
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ジュディス・ロビンソン=ヴァレリー(編) 菅野昭正,恒川邦夫,松田浩則,塚本昌則(訳)1996 46判 486頁 本体4,660円+税 |
プリゴジン、ルネ・トム等、ノーベル賞やフィールズ賞受賞者を含む、13人の科学者が、専門家としての立場から『カイエ』に言及した、画期的な論文集。自然科学への関心は、ヴァレリーの内部でいかなる位置にあったのか。進展を続ける科学文明の専門知に対して、ヴァレリーの思想がいかに一般的な理解の手がかりとなるのかを検証する一冊。日本翻訳出版文化賞受賞
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【5】 | 映画で読むシェイクスピア | |
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森祐希子(著)1996 46判 208頁 本体1,942円+税 |
シェイクスピア劇の大きな魅力は、多様な演出が可能だという点にある。だからこそシェイクスピア劇はくりかえし映画化されてきた。これらの映画と原作は、どのような緊張関係にあるのだろうか。「ロミオとジュリエット」はじめ、人気のある6作品、12タイトルの映画を気鋭のシェイクスピア研究者が取りあげ、原作と映画のスリリングな関係に迫る。
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【6】 | 映像文学にみるアメリカ | |
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日本マラマッド協会(編)1998 46判 376頁 本体3,400円+税 |
『モダン・タイムス』『マルコムX』など、日本でもよく知られたアメリカ映画35本を、アメリカ文学者が読みとく評論集。映像、ストーリー、社会の反応などから、時代時代の空気を読みとり、統計などの資料によって、アメリカ社会の現実と対応させながら論じている。それぞれの作品の見方を深めるとともに、アメリカ社会を知る入門書としても楽しめる。
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【7】 | 美のイデオロギー | |
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テリー・イーグルトン(著) 鈴木聡,藤巻明,新井潤美,後藤和彦(訳)1996 A5判 604頁 本体5,825円+税 |
本書でいうところの「美的なもの」とは、芸術に限らず、世界認識や倫理、政治にまで深く関ってくるものだ。現代を代表する批評家イーグルトンが、カント、マルクス、フーコーなど、18世紀以降の代表的な思想家・哲学者たちがいかにして「美的なもの」を自らの体系にとりこみ、位置づけたかを読みとき、かつてない視点から近代思想史の見取り図を描いた注目作。
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【8】 | 表象のアイルランド | |
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テリー・イーグルトン(著) 鈴木聡(訳)1997 A5判 622頁 本体5,700円+税 |
ジョイス、ワイルド、バーナード・ショー ― ヨーロッパの辺境、アイルランドから、なぜかくも偉大な文学者たちが輩出したのか? 文学作品を大胆に読み解きながら、アイルランドの文化的・歴史的風土の根底に刻みこまれたイギリスによる苛酷な植民地支配の記憶に迫る。文化研究、ポストコロニアル批評にすぐれた示唆を与える力作。
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【9】 | のちに生まれる者へポストモダニズム批判への途1971-1986 | |
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フレドリック・ジェイムソン(著) 鈴木聡,篠崎実,後藤和彦(訳)1993 46判 560頁 本体4,660円+税 |
現代アメリカ随一のマルクス主義批評家ジェイムソンの、フランクフルト学派、ポスト構造主義まで見通す豊饒な知が、みずからの批評方法の表明から、ロラン・バルト、ジャック・ラカン、さらに現代建築やSF、60年代論まで幅広いテーマを扱った、知的刺激の尽きない論文集。後期資本主義の世界システムの未来を問いつつ、ユートピアへの変革をあくまで模索する。
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【10】 | 漱石その軌跡と系譜(鴎外・龍之介・有三)文学の哲学的考察 | |
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藤田健治(著)1991 46判 232頁 本体2,524円+税 |
長年にわたり西欧哲学を研究してきた著者が、漱石の文学作品を中心にすえて哲学の面からアプローチした異色かつ意欲的な著作。ここでは、漱石の主要作品を取上げ、更にはその系譜に属する鴎外、龍之介、有三を対象に「人生とは何か」という哲学的テーマを追求している。日本の近代文学に関心のある人はもとより哲学に携わる人にも貴重な示唆を与えてくれる本。
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【11】 | 本の旅 | |
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大河内昭爾(著)1996 小B6判 252頁 本体1,748円+税 |
文芸評論家として、数多くの新人を発掘し、また作家からの信頼も篤い著者が、思い出の本について語る。「昔の本には、いうにいわれぬ匂いがあった。単なるカビの匂いかもしれないが、なつかしい匂いである。その匂いを求めて、本の思い出をたどってみたい」。近代文学を中心とする名作を数多くとりあげ、文学案内としても、格好の一冊。
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【12】 | 耳の悦楽ラフカディオ・ハーンと女たち | |
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西成彦(著)2004 46判 232頁 本体2,100円+税 |
ギリシャに生まれ、アイルランド、アメリカ、仏領マルチニーク、日本と渡り歩き、フォークロア収集にのめり込んだ文化横断者ラフカディオ・ハーン。異文化を貪欲に吸収するその創作活動の命綱は、民間伝承の語り部としての女たちだった。ハーンを介さないと聞こえてこない声に耳をすませながら、ハーン研究の新しい地平を切りひらく渾身の論集。
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【13】 | クレオール事始 | |
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西成彦(著)1999 46判 192頁 本体1,800円+税 |
カリブ海の島マルチニークは、カリビアン・ポップスやクレオール文学の故郷として知られている。しかし、どれほどの人が、クレオールのことばを自分の舌の上で転がしてみたことがあっただろうか。――百年前にこの島を訪れた作家、ラフカディオ・ハーンの足跡をたどりつつ、民衆に語り継がれてきた物語や歌の生き生きとした魅力を紹介する。
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【14】 | 愛について―プルースト、デュラスと | |
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鈴村和成(著)2001 46判 304頁 本体2,400円+税 |
なぜ作家は恋愛小説を書き続け、人は読みついでゆくのだろう? 20世紀を代表する小説家、プルーストと彼を信奉していたデュラス――恋愛が重要な主題だった二人の作品を、「逃げ去る女アルベルチーヌ」をもとに、時に『源氏物語』の「宇治十帖」を参照しながら読みなおしていく。詩人にしてフランス文学者の著者ならではの、恋愛論として読む「恋愛小説論」。
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【15】 | 文学的商品学 | |
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斎藤美奈子(著)2004 46判 256頁 本体1,600円+税 |
商品情報を読むように、小説を読んでみよう。文学の面白さはストーリーや登場人物の魅力だけではない。作品に登場するモノやその描写を見ていくと、思いもかけなかった読み方ができることに気づくだろう。ファッション、風俗、ホテル、バンド、食べ物、そして「貧乏」。9つのテーマをめぐって、村上春樹から渡辺淳一まで読みくらべる、痛快無比の文芸評論。
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【16】 | 「悪女」論 | |
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田中貴子(著)1992 46判 232頁 本体1,748円+税 |
人はなぜ〈悪女〉をつくりたがるのか? 〈悪女〉というのに、悪男とはなぜ言われないのか?
新進気鋭の国文学者である著者は、中世における悪女伝説を取り上げ、悪女が作りあげられていく過程をたどってゆく。そこには、男たちの権力的な眼差しが見え隠れしている。悪女について類型的イメージを抱く現代日本人への果敢な挑戦状!
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【17】 | 日本ファザコン文学史 | |
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田中貴子(著)1998 小B6判 240頁 本体1,600円+税 |
あまりにも自然なために、日本では見逃されてきた父娘関係を「源氏物語」や「無名草子」「とはずがたり」など女性が書いた古典文学から読み解く。天皇と皇女の危うい関係から女が女を躾る「女訓書」の世界まで、精密な読解と大胆な切り口で考察する。現代に通じる家父長制や婚姻制度が整った中世、父の力はどのように娘たちを支配していたのか。画期的な文学史論。
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【18】 | 大衆文学 | |
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尾崎秀樹(著)2007 46判 204頁 本体1,800円+税 |
大衆文学は1920年に成立したといわれるが、著者は遡って江戸時代の講談、落語などの大衆文化の中にまで踏みこみ、「大衆とは何か」「大衆の望む面白さとは何か」の問いを軸に、日本人の精神構造にふれる何かをつかもうとする。理論は不要とみなされてきた大衆文学の領域に初めて分析の筆を入れ、日本の文学的伝統の中に正当に位置づけた力作。1964年初版を復刊。
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【19】 | 短詩型文学論 | |
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岡井隆,金子兜太(著)2007 46判 218頁 本体1,800円+税 |
本書は初版刊行当時(1963)、短歌と俳句の世界における最も革新的な作家による本格的な短詩型文学論として多大な反響をよんだ。短歌論は、意味のリズム、視覚のリズムなど韻律論を中心にすえ、俳句論は、写生における視ることの意味、描写の意味の変遷とその技法の進展、表現における思想性と抒情、抽象と具象の問題を扱う。実作者の卓見に満ちた精緻な論が展開。
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【20】 | 日本の象徴詩人〈精選復刻 紀伊國屋新書〉 | |
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窪田般彌(著)1994 46判 210頁 本体1,748円+税 |
日本の象徴主義的な近代詩は、上田敏の『海潮音』に始まる。本書は、この象徴主義移入の淵源にまで遡り、さらに各時代の代表的な象徴主義詩人を選んで、彼らが彼らの詩と詩論の中に西欧の詩精神をどのように受けとめ、どのように骨肉化したかを追求したもの。取り上げたのは、敏、蒲原有明、白秋、三木露風、三富朽葉、朔太郎、耿之介、小林秀雄、吉田一穂の九人。
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【21】 | 中原中也の世界〈精選復刻 紀伊國屋新書〉 | |
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北川透(著)1994 46判 216頁 本体1,748円+税 |
昭和初年代の、奇妙に無秩序な青春像の中で、中原中也は、秩序への違和とそこからくる挫折を、鋭敏な言語感覚で自由奔放にうたいあげた。本書は、著者自らの中也体験から、中也の抒情の真摯な表情とその不幸な耀き、更に、風土と近代との裂け目で苦しい告白を強いられたその詩の根拠を、詩の言語を通して、見事に浮彫りにする。
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【22】 | 竹久夢二―夢と郷愁の詩人〈精選復刻 紀伊國屋新書〉 | |
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秋山清(著)1994 46判 200頁 本体1,748円+税 |
独特の女絵と宵待草のうたで一世を風靡した大正の画家・詩人竹久夢二。その人気は根強くつづき、今日また“夢二リバイバル”といわれ、一向に衰えることがない。あの耽美な詩と絵が何故こうもわれわれの郷愁をさそい、心をなごませるのか。著者はこの秘密を、単なる懐古趣味とみることなく、彼の生きた大正という時代の現実の中にさぐろうとする。秀逸の夢二論。
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【23】 | 上田秋成〈精選復刻 紀伊國屋新書〉 | |
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森田喜郎(著)1994 46判 232頁 本体1,748円+税 |
西鶴、近松とならぶ近世文学の巨匠、上田秋成の小説の世界を、『春雨物語』の再評価を軸にして独自の視点から、秋成の文学観と人間観を浮彫りにする、気鋭の野心作。巻末に秋成の詳しい年譜も収録。
〈内容〉上田秋成の生涯/秋成の浮世草子/雨月物語/春雨物語/上田秋成年譜/秋成をより深く研究する人のために
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【24】 | 釈迢空〈精選復刻 紀伊國屋新書〉 | |
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岩田正(著)1994 46判 240頁 本体1,748円+税 |
国文学者・民俗学者として著名な釋迢空・折口信夫の生涯を、歌人としての業績を中心にとらえ、その作品の本質と特異な人間像に鋭く迫る力作。
〈内容〉『海やまのあひだ』に包含するもの/ますらおぶりへの希求/『春のことぶれ』の叙情について/短歌滅亡の論/『水の上』を中心として/挽歌/『死者の書』をめぐって 他
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【25】 | 魯迅と革命文学〈精選復刻 紀伊國屋新書〉 | |
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丸山昇(著)1994 46判 196頁 本体1,748円+税 |
1930年前後の革命文学論争を中心に当時の魯迅の複雑な内面を詳細に分析し、「革命文学」の意味を通して、それまでの定説へ挑戦した問題作。
〈内容〉魯迅と「清党」――革命文学ということばについて/革命文学論をめぐる状況――「論争」の前提/革命文学論争における魯迅/革命文学関係年表
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【26】 | 戦後マンガ史ノート〈精選復刻 紀伊國屋新書〉 | |
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石子順造(著)1994 46判 208頁 本体1,748円+税 |
カストリ雑誌と焼跡派庶民、貸本マンガとして出発した劇画、スポーツ・マンガにおける少年像、少女マンガと「母もの」の結合などを検討しながら、民衆の喜怒哀楽の表明であり同時に批評の武器でもあるマンガ、そしてそこに表現された庶民像を戦後の時代状況と重ね合わせながら探る。数少ないマンガ史の試みとして貴重な存在といえよう。巻末に詳細な年表を付す。
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