新刊 | 思想・社会 | 文化・人類学 | 歴史 | 哲学 | 文学(小説・詩・伝記・エッセイ) |
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文化人類学 |
【1】 | 現象学的社会学 | |
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アルフレッド・シュッツ(著) 森川眞規雄,浜日出夫(訳)1980 46判 392頁 本体2,816円+税 |
ウェーバーの理解社会学とフッサールの現象学を総合し現象学的社会学の領域を切り開いたシュッツ。本書は、彼の主著『社会的世界の意味的構成』とアメリカ亡命後の約20の論文から様々なテーマを抜粋し、彼の全体像を理解できるように編集してある。日常的な場で出会う他者とのコミュニケーションの可能性を追求し、文化人類学に貴重な示唆を与えてくれる。
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【2】 | イスラム社会 | |
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アーネスト・ゲルナー(著) 宮治美江子,堀内正樹,田中哲也(訳)1991 46判 496頁 本体4,660円+税 |
時代の推移とともにイスラムの国々を理解する必要性は高まるばかりだが、依然として欧米や日本からするとイスラムは「謎」だ。たとえば世界の大宗教のうちでもなぜイスラムだけが、政治の分野に強大な影響力をもつのか。本書は、こうした特性の根にある文化的メカニズムを探究し、イスラム各地域に共通する動的なモデルを提示する。一級の人類学者による力作である。
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【3】 | 創られた伝統 | |
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E.J.ホブズボウム,T.レンジャー(編) 前川啓治,梶原景昭他(訳)1992 46判 496頁 本体4,757円+税 |
古くから受け継がれてきたと思われている「伝統」の多くは、実は近代になってから人工的に創られたものだった――英国王室の華やかな儀礼式典、スコットランドのタータン文様やバグパイプ、さらにウェールズからインド、アフリカ、ヨーロッパ全般にも目を配り、「伝統」の創出がナショナリズムのイデオロギー構築に果たした重要な役割を明るみに出す重厚な歴史書。
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【4】 | 森を食べる人々ベトナム高地、ムノング・ガル族のサル・ルク村で石の精霊ゴオの森を食べた年の記録 | |
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ジョルジュ・コンドミナス(著) 橋本和也,青木寿江(訳)1993 46判 672頁 本体6,602円+税 |
現在、民族としての絶滅を余儀なくされた、ベトナム高地ムノング・カル族の村に、1年間暮らした著者による精密な記録。「資料の驚くべき豊富さと、民族学的文学とでもいうべき新しい文学ジャンルの開拓において、きわだった成果をあげている」と、レヴィ=ストロースも称賛。村で行われるさまざまな祭や儀式の細部まで描いた、貴重な民族誌。
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【5】 | 文化を書く | |
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ジェイムズ・クリフォード,ジョージ・マーカス(編) 春日直樹,足羽與志子他(訳)1996 46判 566頁 本体5,800円+税 |
人類学のポストモダンの旗手・クリフォードらによって提出された、文化人類学に対する根底的な批判の書。デリダ哲学、文学理論、歴史学などを交錯させながら、それまで自明とされてきた民族誌の方法論、そして人類学のあり方を根底から問い直す。社会科学、文学、文化研究などのさまざまな分野においても評判を呼び、多大な影響をあたえてきた重要な著作。
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【6】 | 人というカテゴリー | |
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M.カリザス,S.コリンズ,S.ルークス(著) 厚東洋輔,中島道男,中村牧子(訳)1995 46判 552頁 本体5,631円+税 |
「人」や「自分」という概念は自明なように見えて、実は時代や文化によってさまざまに変容している。このことを指摘し、それは哲学や心理学の問題である以上に社会的・イデオロギー的な問題だと述べたのが、マルセル・モースだった。本書は、このモース論文をめぐって開催されたシンポジウムの記録であり、実に多様な分野の研究者たちがその展開を試みている。
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【7】 | 象徴表現とはなにか一般象徴表現論の試み | |
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ダン・スペルベル(著) 菅野盾樹(訳)1979 46判 272頁 本体2,300円+税 |
著者自身の調査の場である、エチオピア・ドルゼ族の文化がもつ象徴表現も素材に含め、神話から言語の文彩まで、宗教儀礼から礼儀作法の所作までを分析の対象にして象徴表現の一般理論を提出しようとする意欲的な試み。レヴィ=ストロースの構造人類学をはじめとする従来の理論の超克を企図した本書は、文化について思索をめぐらす者を啓発してやまないだろう。
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【8】 | 象徴と社会 | |
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ヴィクター・ターナー(著) 梶原景昭(訳)1981 46判 362頁 本体2,900円+税 |
象徴とは身体的、経済的、政治的等、さまざまの力を現実のものとする手段であるという立場から、歴史社会での反抗運動、現代社会での巡礼、カーニヴァル等の社会的行為を取り上げ、その中に象徴と社会のダイナミズムを探ろうとする。未開社会における文化の記述と分析を中心課題とする従来の人類学の枠を超えた、意欲的かつ魅力的な試みと言えよう。
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【9】 | 聖書の構造分析 | |
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エドマンド・リーチ(著) 鈴木聡(訳)1984 46判 272頁 本体2,700円+税 |
イギリスを代表する社会人類学者である著者が、『神話としての創世記』の中でとりあげた問題の延長線上に本書は位置している。聖書神話の分析に人類学的手法を適用し、独創的かつ刺激的な洞察にとんだ五篇の論文から成る。また、付録という形で、構造主義的分析方法とは何かを簡潔に述べたエイコック氏の二論文も併せて収めている。
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【10】 | 母系社会の構造―サンゴ礁の島々の民族誌 | |
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須藤健一(著)1989 46判 272頁 本体2,427円+税 |
現在この地球上には、数多くの「母系社会」が存在するという。そこでは男と女の力関係はどうなっているのか? 家族を支えるものは何なのだろうか? 本書は、南太平洋ミクロネシアの母系社会を舞台に、そこで生きる人びとの姿をいきいきと描き出し、その社会構造や人びとの世界観に迫る。母系社会を実際に訪れての民族誌として、きわめて貴重な書といえる。
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