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 出版部 図書目録

新刊 思想・社会 文化・人類学 歴史 哲学 文学(小説・詩・伝記・エッセイ)
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思想・社会

【1】虚実亭日乗
虚実亭日乗森達也(著)2013

46判 376頁 本体1,700円+税
活字と映像で独自の世界を構築する森達也が、異文化の境界で、 憎悪の連鎖する世界で、異国の女子トイレで、妄想と現実の狭間で、 生死の淵で、連載打ち切りに……逡巡し、葛藤し、煩悶する日々を 私小説風に描き、フェイク・ドキュメンタリーを活字で試みる意欲作。

【2】<選択>の神話―自由の国アメリカの不自由
<選択>の神話―自由の国アメリカの不自由ケント・グリーンフィールド(著)
高橋洋(訳)2012

B6判 本体1,900円+税
選んだのか? 選ばされたのか? 買い物、選挙、人生......自由に選択して生きているつもりでも、その実態は不自由だった! 行動経済学、神経科学、心理学、社会学などの知見から〈選択〉を多角的に検証し、よりよい選択を可能にするための方法を、豊富な具体例からわかりやすく解説する。〈自己責任〉の罠にかからないために――「正しく選択する」ことが困難な時代の処方箋。

【3】ぼくはお金を使わずに生きることにした
ぼくはお金を使わずに生きることにしたの画像マーク・ボイル(著)
吉田奈緒子(訳)2011

B6判 286頁 本体1,700円+税
この実験で証明したいのは、お金がなくても「生き延びられること」ではなく「豊かに暮らせること」だ。 イギリスで1年間お金を使わずに生活する実験をした29歳の若者が、自らの生活をユーモラスな筆致で綴った体験記。彼は不用品交換で入手したトレーラーハウスに太陽光発電パネルをとりつけて暮らし、半自給自足の生活を営む。貨幣経済を根源から問い直し、人間にとって真の「幸福」とは、「自由」とは何かを問いかけてくる、現代版『森の生活』。

【4】<わたし>を生きる―女たちの肖像
<わたし>を生きるの画像島崎今日子(著)2011

B6判 253頁 本体1,500円+税
悩みを抱え、もがきながらも、さまざまな分野で先駆者・改革者として活躍してきた女たち16人のノンフィクション...... ◆少女マンガの神様・萩尾望都 ◆高卒のOLから巨大企業の会長にまでのぼりつめた林文子(現・横浜市長) ◆スタイリストの草分け的存在で、アーティストやクリエイターから熱い支持を受ける北村道子 ◆日本で一番ケンカのうまいフェミニスト・上野千鶴子 ◆女子プロレスブームを巻き起こした長与千種 ◆日本初の女性による女性のためのセックスグッズショップを設立した北原みのり をはじめ、インタビューの名手として知られる著者による、各界を代表する女たちの肖像。現代を生きる女性が仕事や人生に迷ったとき、型や枠にしばられすぎず、自分らしく生きる勇気を与えてくれる一冊です。

【5】正義論〈改訂版〉
正義論の画像ジョン・ロールズ(著)
川本隆史,福間聡,神島裕子(訳)2010

A5判 844頁 本体7,500円+税
あらゆる社会は、正義についての約束の上に成り立っている。しかし現代においても、正義の本質について十分明らかにされているとは言えない。本書は、現代リベラリズムの代表的論者が、正義とは何かを徹底的に追求するなかで、社会契約の伝統的理論を一般化し、功利主義に取って代わりうる正義の構想を明らかにする古典的名著である。1999年の原著改訂版を新訳。

【6】愛するということ〈新訳版〉
愛するということの画像エーリッヒ・フロム(著)
鈴木晶(訳)1991

46判 216頁 本体1,262円+税
真実の愛とは何か。それを得るには何が必要か。現代における愛の危機とは――「愛」という万人に切実なテーマに、著名な思想家フロムが正面から挑む。人間が孤独をいやすための最高の技術として愛の復権を高らかに唱えた、ヒューマニズムあふれる世界的ベストセラー。愛に悩む人、愛について真剣に考えてみたい人すべてにおすすめしたい。待望の完全新訳版!

【7】悪について
悪についての画像エーリッヒ・フロム(著)
鈴木重吉(訳)1965

46判 210頁 本体1,320円+税
現代には悪がみちみちている。愛よりは金や物に魅せられた人たち。血も涙もない能面のごとき顔をした権力者。人間が人間でない、このような行動の原因を、著者は数々の実例をもって心理的・社会的に分析する。読者に寒気を与える説得力をもつ前著の姉妹篇。 〈内容〉人間――狼か羊か/死を愛することと生を愛すること/近親相姦的きずな……

【8】生きるということ
生きるということの画像エーリッヒ・フロム(著)
佐野哲郎(訳)1977

46判 288頁 本体1,359円+税
人が生きてゆく上での二つの基本的な存在の仕方――財産、知識、社会的地位、権力などの所有に専心する〈持つ様式〉と、あらゆる執着から解き放たれ、生きる喜びを確信できるような〈在る様式〉との相違・葛藤・選択を、人びとの日常的な経験をはじめ、仏陀、キリスト、マルクスなど先人たちの思想、旧約・新約聖書の世界などに探る。

【9】希望の革命―技術の人間化をめざして〈改訂版〉
希望の革命の画像エーリッヒ・フロム(著)
作田啓一,佐野哲郎(訳)1970

46判 240頁 本体2,200円+税
機械化され、大量生産と消費に覆いつくされた現代社会では、人間自体が機械系の一部と化すとともに、力が、法と秩序が、官僚主義が横行し、人間の感情は枯渇してゆく。フロムは問う。こうした情況下で人間の自由はいかにして回復可能かと。現代社会の病理を鋭く分析、人間が主体性を取り戻すための行動提起の書。

【10】反抗と自由
反抗と自由の画像エーリッヒ・フロム(著)
佐野哲郎(訳)1983

46判 192頁 本体2,000円+税
「人類の歴史は反抗の行為によってはじまった」――1980年の死の直前まで、フロム自らの手によって集められたエッセイ集。真に人間的な社会の創造を生涯追求したフロムが説く、順応主義への反抗と、社会の〈狂気〉への批判的態度の必要性とは。平和と人類の生存への深い関心と情熱に溢れた、最後のメッセージ。

【11】人生と愛
人生と愛の画像エーリッヒ・フロム(著)
佐野哲郎,佐野五郎(訳)1986

46判 264頁 本体2,200円+税
自由に、生き生きと、そして系統だてて平易に――フロム自らが直接読者に語りかけ、多くの聴衆に深く印象を残した、1972年から79年までのドイツ・ラジオ放送での講演と対談を収録。「私たちの社会の過剰と倦怠」「攻撃の発生源について」「生きることの名において」「人間とは何者か」…フロム思想の全体がここにある。

【12】フロイトを超えて
フロイトを超えての画像エーリッヒ・フロム(著)
佐野哲郎(訳)1980

46判 202頁 本体1,359円+税
フロイト思想の偉大さとその限界をさまざまな角度から分析したフロムの遺作。フロイトの発見や理論について、真の意味でラディカルなものは何か、またそうでないものは何かを明らかにする。従来のフロムのフロイト批判を集大成した本書は、現代思想に大きな貢献をしたフロイト思想を一段と発展させるものでもある。

【13】権威主義的国家
権威主義的国家の画像マックス・ホルクハイマー(著)
清水多吉(編訳)2003

46判 224頁 本体1,800円+税
フランクフルト学派の重鎮は、ファシズム台頭後、哲学者としていちはやくその本質を見抜いていた。本書は、1930年代から40年代初めに書かれた彼のファシズム論を中心に編んだものである。資本主義の発展と危機は、権威主義によるその再編成を通じて、支配と被支配の関係や、人々の「理性」を変質させはじめていた……。他にマンハイム論などを収録。

【14】アナキズム〈1〉思想篇
アナキズム〈1〉思想篇の画像ジョージ・ウドコック(著)
白井厚(訳)2002

46判 360頁 本体2,800円+税
アナキズム〈2〉運動篇
アナキズム〈2〉思想篇の画像ジョージ・ウドコック(著)
白井厚(訳)2002

46判 388頁 本体2,800円+税
あらゆる権力の支配を拒絶し、まったき個人の自由意志を追求するアナキズム。近代社会の物質主義や画一化に挑戦しつつ、閉塞の時代に不死鳥のごとく甦るこの思想の系譜を通覧する名著。トルストイ、クロポトキン、ゴドウィン、プルドン、バクーニンといった人物に焦点をあてるI巻。ヨーロッパおよび南北両アメリカにおけるアナキズム運動を克明にたどるII巻。

【15】サイード自身が語るサイード
サイード自身が語るサイードの画像エドワード・W.サイード,タリク・アリ(著)
大橋洋一(訳)2006

46判 192頁 本体1,500円+税
『オリエンタリズム』などの著作で人文諸学の潮流をリードし、死後も絶大な影響を及ぼしている、20世紀を代表する知識人、エドワード・サイードの1994年のインタビュー。生い立ちから自らの思想の軌跡まで平易に語っており、自身の肉声による良質なサイード入門と言える。長年の良き理解者タリク・アリによる序文(追悼文)のほか、年譜、著作リストも付す。

【16】資本の帝国
資本の帝国の画像エレン・メイクシンズ・ウッド(著)
中山元(訳)2004

46判 288頁 本体2,200円+税
現代世界で唯一の「帝国」と言われるアメリカ。その支配原理はいかなるものなのか? ローマ帝国、アラブ・ムスリム帝国、オランダ、大英帝国……「帝国」形態の変遷を跡づけながら、現代アメリカの野望と戦略を、大きなスパンの歴史的文脈の中で浮き彫りにしていく。グローバリゼーションや「対テロ戦争」といった極めて今日的な問題を考える上で有用な一冊。

【17】聖戦と聖ならざるテロリズム―イスラームそして世界の岐路
聖戦と聖ならざるテロリズムの画像バーナード・ルイス(著)
中山元(訳)2004

46判 248頁 本体1,700円+税
高まり続ける反米感情、跡を絶たないテロ、進まない近代化、ちぐはぐな西側の対応……現代イスラームひいては世界全体の危機を、中東研究の重鎮が、イスラームの教義から歴史的経緯、9.11以降の情勢まで幅広く視野に入れながら明解に考察。手際よく論点を整理するコンパクトさと、該博な知識から来る濃密さをあわせ持った、イスラーム理解のための必読書。

【18】完全犯罪
完全犯罪の画像ジャン・ボードリヤール(著)
塚原史(訳)1998

46判 232頁 本体2,000円+税
ビデオカメラ、携帯電話、整形手術、クローン人間……。テクノロジーの進歩はヴァーチャルなものの洪水をまねき、われわれのあらゆる行為とあらゆる出来事は簡単にデータに変換されてしまうはかないものでしかなくなった。現実の抹殺――動機も犯人も判然とせず、死体さえ発見されない完全犯罪。現代文明がしかけた罠を人類はすりぬけることができるのか。

【19】消費社会の神話と構造〈普及版〉
消費社会の神話と構造の画像ジャン・ボードリヤール(著)
今村仁司,塚原史(訳)1995

46判 328頁 本体1,942円+税
洗濯機や自家用車は、道具として用いられること以上に、社会的権威や幸福を示すものとしての役割を果たしている。このように、現代の商品は「記号」として消費されるのであり、そうした視点はすべての社会現象に適用できると著者は言う。「消費社会」という画期的な概念を提示して現代社会論の新時代を拓いた名著であり、今日の社会を語るには必読とされる一冊。

【20】透きとおった悪
透きとおった悪の画像ジャン・ボードリヤール(著)
塚原史(訳)1991

46判 256頁 本体1,748円+税
1990年代に入り、消費社会の進行はついに飽和点に達した。すべてを殺菌・漂白し、否定的なものを完全に排除したかに見える社会――だが、「悪」は滅んではいない。それは眼にみえない膜となって世界を覆い、ウイルスのようにシステムに侵入してくるのだ。エイズからコンピュータ・ウイルス、株の暴落からテロリズムまで、「世紀末」世界の戦慄のシナリオを提出する。

【21】世紀末の他者たち
世紀末の他者たちの画像ジャン・ボードリヤール,マルク・ギヨーム(著)
塚原史,石田和男(訳)1995

46判 224頁 本体1,748円+税
消費社会が飽和して均質化された空間が支配する今日でも、「他者」はかならずシステムにつきまとってくる。それはまた、今日のヨーロッパにつきつけられた重い問いでもある。フランスの現代思想を代表する二人が、「驚くべき他者」としての日本にも言及しながら、今日の国際社会における、そして世紀末を迎えたこの時代における「他者」の重要性を語りあう。

【22】世紀末を語る―あるいは消費社会の行方について
世紀末を語るの画像ジャン・ボードリヤール,吉本隆明(著)
塚原史(構成・訳)1995

B6判 192頁 本体1,359円+税
世紀末の〈現在〉はどういう時代であり、どこへ行こうとしているのか。今日、重要な思想的・政治的課題とはなにか。ユートピア喪失の現在における知識人の役割とは? フランスと日本をそれぞれ代表する、この歴史的ともいえる二人の思想家の出会いの全記録。ポスト冷戦の世界認識から消費資本主義社会の〈死〉の問題まで、熱い議論をたたかわす。

【23】危険な純粋さ
危険な純粋さの画像ベルナール=アンリ・レヴィ(著)
立花英裕(訳)1996

46判 286頁 本体2,136円+税
ベルリンの壁の崩壊は本当に「民主主義の勝利」だったのか。コミュニズム崩壊後の空洞を埋めるものは何か。 ナショナリズムの高まりと大量虐殺、イスラム原理主義、ネオナチ運動、民族的・宗教的紛争と排外主義……フランスの著名な思想家が「世紀末の現在」を読み解き、こうした混乱の背後にひそむ「純粋さへの意志」の危険について警鐘を鳴らす。

【24】分裂分析的地図作成法
分裂分析的地図作成法の画像フェリックス・ガタリ(著)
宇波彰,吉沢順(訳)1996

A5判 432頁 本体4,500円+税
ドゥルーズとの共著「アンチ・オイディプス」などの作品で現代思想界のスターとなったガタリの思考の集積的結晶。 地球規模の情報化の時代、人びとの主体性はどのように生産されているのか。いま求められる人間と環境との新しい関係とは何か。精神分析を、構造主義を、実存主義を批判しつつガタリが提示する「異質生成」の理論とは――

【25】知識人の時代―バレス/ジッド/サルトル
知識人の時代の画像ミシェル・ヴィノック(著)
塚原史,立花英裕,久保昭博,築山和也(訳)2006

A5判 872頁 本体6,600円+税
20世紀――それは、2つの世界大戦を生み、社会主義・共産主義・ファシズムといった様々な思想の栄枯盛衰が起こった百年だった。この間、世界に多大なる影響を与えたフランスの知識人たちは、どのように思考し、議論し、行動したのか。ドレフュス事件からサルトルの死にいたるまでの彼らの歴史を、バレス、ジッド、サルトルの3人を軸に幅広く細密に描き出す。

【26】暗黙知の次元―言語から非言語へ
暗黙知の次元の画像マイケル・ポラニー(著)
佐藤敬三(訳)伊東俊太郎(序)1980

46判 148頁 本体1,456円+税
われわれが考える言語的・分析的な知とは別に、非言語的で包括的なもうひとつの知がある。それが本書でいう「暗黙の知」である。本書は、この暗黙知がコミュニケーションや技能の習得だけでなく、創造的な科学活動において重要なことを説き、従来の通説に反駁する。今まで光を当てられなかった非言語的な知の構造を明らかにし、人間と科学の本質を問い返す。

【27】構造主義と記号論
構造主義と記号論の画像テレンス・ホークス(著)
池上嘉彦 他(訳)2002

46判 336頁 本体2,600円+税
本書は、構造主義と記号論の本質と発展、またその原則と問題点などを取り上げ、この分野の予備知識を持たない人たちでも理解できるように書かれたものである。特に、ソシュール、レヴィ=ストロース、アメリカ構造言語学者たち、ヤコブソン、バルト等の仕事に焦点をあて、詳しく分析している。この分野に携わる人にはもちろん専門外の人にも興味深い一冊である。

【28】差異の世界―脱構築・ディスクール・女性
差異の世界の画像バーバラ・ジョンソン(著)
大橋洋一,青山恵子,利根川真紀(訳)1990

46判 416頁 本体3,200円+税
ボードレールやマラルメの詩から、フランケンシュタインの怪物、黒人文学、さらには母子関係、妊娠中絶、教育、政治的スキャンダル――多彩な題材を織り込みながら、著者はあざやかな手さばきで、脱構築という「差異の哲学」を現実世界へと押しひろげてみせる。デリダ的洞察が現実の〈男と女〉の差異に適用されたとき、いったいそこで何が起こったか?

【29】狼の愛〈付〉「蟻」ジャック・デリダ
狼の愛の画像エレーヌ・シクスー(著)
松本伊瑳子(訳)1995

46判 264頁 本体2,330円+税
現代フランスのフェミニズムをリードするシクスーの最新論文集。今世紀を代表する女性詩人・ツヴェターエワや南米の異才リスペクトール、デリダらのテクストを題材に「性的差異」や「愛」について論じる。著者自身が選んだ三篇に加え、ポスト構造主義の雄・デリダによるシクスー論、シクスーによるデリダ論を収録、シクスー独自の差異論を立体的に浮びあがらせる。

【30】生の円環運動
生の円環運動の画像丸山圭三郎(著)1992

46判 240頁 本体1,165円+税
死を怖れない人はいない。しかし、死を忘れたところに、生の意味も悦びもない――現代思想の先端をゆく丸山文化学が、ついに人間の「生と死」に向きあう。自身の「臨死体験」「ガン宣告」をはじめ、脳死と臓器移殖、過労死、病院化社会、死後の世界、新新宗教ブーム、東西思想の融合などの問題をつうじて、死を意識する唯一の動物「人間」の核心に迫った一冊。

【31】科学の危機と認識論
科学の危機と認識論の画像廣松渉(著)1977

46判 282頁 本体1,650円+税
スコラ哲学からニュートン、カントをへて、マッハ、アインシュタインなどの時空観、物質観の移り変りを検討しながら、近代諸科学そしてわれわれが暗黙のうちに了解してしまっている前提を対自的に捉え直すことで、現代物理学の提起した認識論的問題の共同主観的構造を鮮かに切開する。旧来の世界観に根本的転換を迫る、意欲的かつユニークな対話体による論考。

【32】ナショナリズム―その神話と論理
ナショナリズムの画像橋川文三(著)2005

46判 196頁 本体1,800円+税
ナショナリズムという新たな幻想は、近代人の間にどのように浸透していったか? また現代においてそれがますます謎的性格を加えている所以は何か? 近代日本におけるその命運と現代における問題性が示唆される。ナショナリズムの神話と論理を政治の領域に限らず、人間生活全般にかかわるものとしてとらえた好著である。

【33】リベラリズムの存在証明
リベラリズムの存在証明の画像稲葉振一郎(著)1999

46判 448頁 本体4,200円+税
リベラリズムは、「自分が唯一の存在であり他者もまたそうであると認める」倫理を内包する唯一の制度である。著者はそう主張し、リベラリズムの価値を追求する。ホッブズ、ロックの社会契約論、ノージックの最小国家論、アレントの記憶の政治学など、歴史的かつアクチュアルな論点に取り組み、現代社会におけるリベラリズム思想の見取り図を描く渾身の力作。

【34】思想のケミストリー
思想のケミストリーの画像大澤真幸(著)2005

46判 312頁 本体2,000円+税
当代屈指の社会学者による、思想家論・作家論を集成。吉本隆明、柄谷行人、廣松渉、折口信夫、宮沢賢治、三島由紀夫、村上春樹……先達たちの思考の軌跡を明晰に整理し、なおかつその可能性と限界を引き受けながら、自らの思考に接続しつつさらなる射程を切り拓いてゆく。ときにアクロバティックに、ときにスリリングに展開する「大澤社会学」の真骨頂。

【35】漱石のリアル―測量としての文学
漱石のリアルの画像若林幹夫(著)2002

46判 336頁 本体2,500円+税
漱石を感度の高い「社会測量器」と見たて、その作品を「漱石の手による社会学」として読む試み。気鋭の社会学者が、漱石の小説に寄り添いながらも、鉄道・新聞、東京・家郷、帝国・大陸、自己・他者性、財産・相続、室内・路上、恋愛・結婚、日常性といった社会学的モチーフを大胆に抽出し、近代社会が人々にもたらしたリアリティの変容を浮き彫りにしていく。

【36】メディア・ビオトープ―メディアの生態系をデザインする
メディア・ビオトープの画像水越伸(著)2005

A5判変型 184頁 本体1,500円+税
メディアは、マスコミや最新技術にくわしい人たちだけのためにあるのではない。一体どうすれば一般の人々が能動的に活動できるだろうか? 「生物の棲息に適した小さな場所」を意味する「ビオトープ」を隠喩に使いながら、多様でしなやかなメディア環境作りのための新しい戦略を提示する、マスメディア、教育現場、市民活動など各方面の関係者必読の書。

【37】教育不信と教育依存の時代
教育不信と教育依存の時代の画像広田照幸(著)2005

46判 256頁 本体1,500円+税
昨今の教育改革はとかく印象論・精神論に流れがち。少年事件をはじめ、すべてを「教育問題」に押し込めてこれまでの教育を糾弾する(教育不信)一方、それをさらなる教育によって解決しようとする短絡的な思考もはびこっている(教育依存)。これではかえって息苦しい社会を招くのではないか。冷静な議論と将来ビジョンを欠いた教育行政へ鉄槌を振り下ろす一冊。

【38】いまこの国で大人になるということ
いまこの国で大人になるということの画像苅谷剛彦(編著)2006

46変型判 352頁 本体1,700円+税
将来に希望を抱けない若者が増えている。かつて機能していた人生モデルに頼れなくなり、「大人になる」ことが難しくなった時代と言える。本書はこの「大人になる」ということをキーワードに、各分野の第一線で活躍する書き手が、さまざまな視点から現在の若者を囲む情況を浮き彫りにし、これから求められる生き方・ものの考え方についてメッセージを贈る。

【39】スポーツの汀
スポーツの汀の画像今福龍太(著)1997

46判 200頁 本体1,800円+税
イチロー、野茂、タイガー・ウッズ、モハメド・アリ……なぜ彼らは、私たちを熱くさせるのか? 型破りなスポーツ・ヒーローたちに注目しつつ、ナショナリズムと競争原理に縛られた近代スポーツのつまらなさを打ち破る、新しい潮流の到来を予感する。カリブ海や中国、スコットランドなどの周縁をむすぶ歴史的想像力から展開する、刺激的なスポーツ論。

【40】芝居半分,病気半分
芝居半分,病気半分の画像山登敬之(著)2007

46判 256頁 本体1,600円+税
あるときは精神科医、またあるときは劇団員――診療のかたわら劇団でも活躍するという二足のわらじを履いてきた著者のエッセイ集。「人間は日常的に演技する生き物だ」というスタンスに立って、心の病を演技の失敗としてとらえつつ、患者さんや他の劇団員とのエピソードからクリニック開業の舞台裏までを、診察室と稽古場のあわいをゆく独特の視点からつづる。

【41】ひきこもり文化論
ひきこもり文化論の画像斎藤環(著)2003

46判 264頁 本体1,600円+税
「ひきこもり」問題の第一人者で、メディア上でも活発に啓蒙活動を展開してきた精神科医による、ひきこもり論の集大成。ひきこもりの社会背景から、「甘え」文化との関連、欧米・韓国との比較、サイバースペース、地域通貨、コミュニケーション論、世代論、文学表現、治療者としての倫理観まで、多岐にわたる領域で縦横無尽に論じてきた文化論的考察を収める。

【42】顔面考
顔面考の画像春日武彦(著)1998

46判 272頁 本体2,000円+税
私たちの重要なコミュニケーション・ツールである〈顔〉。それは、見る側・見られる側によって多様な解釈と演出とがほどこされ、ときには奇態な想像力を誘発する磁場でもある。本書は、マンガに描かれた顔、精神病者の顔から、観相学、人面犬、ドッペルゲンガーや替え玉妄想に至るまで、特に顔のもつ「いかがわしさ」に着目した、前人未到の〈顔〉論である。

【43】狂気と王権
狂気と王権の画像井上章一(著)1995

46判 264頁 本体1,748円+税
「木戸幸一日記」の一文を手がかりに、天皇制の背後にあった精神鑑定の〈影〉を探っていく。元・女官長島津ハルの不敬容疑、虎ノ門事件、皇居をさわがした煙突男、二・二六事件、田中正造直訴事件などを追いつつ、〈狂人〉のレッテル貼りの始まりの謎と、それら歴史上の事件の裏側を読んでいく。驚くべき推理で、天皇制と精神鑑定の関係に鋭く迫った話題作。

【44】女ぎらい―ニッポンのミソジニー
女ぎらいの画像上野千鶴子(著)2010

46判 288頁 本体1,500円+税
男の「女ぎらい」と女の「生きづらさ」を解剖する! わたしの中の〈女〉が嫌い?  女好きの男は、実は女ぎらい? ミソジニー、男にとっては「女性嫌悪」、女にとっては「自己嫌悪」。――「皇室」から「婚活」「負け犬」「DV」「モテ」「少年愛」「自傷」「援交」「母娘関係」「東電OL」「秋葉原事件」まで…。上野千鶴子が、男社会の宿痾を衝く。

【45】オトメの祈り―近代女性イメージの誕生
オトメの祈りの画像川村邦光(著)1993

B6判 256頁 本体1,825円+税
明治末から昭和初期にかけて、登場したばかりの女性雑誌を舞台に、オトメたちがつくりあげてきた不思議な共同体とは? 独自の文体を駆使した投稿文や当時の雑誌記事、広告、写真をもとに〈少女たちのワンダーランド〉の秘密をときあかす。女性にとっての近代の意味、ひいては「近代におけるオトメのディスクール」を、今、問いなおす。図版・資料も多数掲載。

【46】オトメの身体―女の近代とセクシュアリティ
オトメの身体の画像川村邦光(著)1994

B6判 274頁 本体1,825円+税
大家族から離れ、独自の世界を持ったオトメたちは、身体にまつわる悩みにも一人で立ち向かわねばならなかった。化粧や美容をはじめ、月経、避妊、さらには純潔イデオロギーの問題を、オトメたちはどのようにとらえていたのか。オトメたちの身体感覚に、近代が与えた「変貌」と「煩悶」の実態を、豊富な資料をひもときながら、あきらかにする。

【47】オトメの行方―近代女性の表象と闘い
オトメの行方の画像川村邦光(著)2003

B6判 320頁 本体2,200円+税
与謝野晶子とモダンガール、中原淳一と彼の描く乙女像に熱狂した女子学生、そして美智子妃、樺美智子、大島みち子という「三人のみちこ」、吉永小百合――激動の20世紀に女性の身体やセクシュアリティはいかに表象され、語られたのか。「オトメ」という概念を軸に、女性自身の言葉やメディアの語りの中から、近代日本を生きた女性像の変遷とその闘いを探る。

【48】“お茶”はなぜ女のものになったか―茶道から見る戦後の家族
“お茶”はなぜ女のものになったかの画像加藤恵津子(著)2004

46判 264頁 本体1,800円+税
そもそもは男性の文化でありながら、現在は圧倒的に女性によって営まれている茶道。いったい何が彼女たちをそれほどまでに惹きつけるのか。「点前」「社中」「お許し」といった基本要素から説き起こし、専業主婦を大量に生み出した戦後の家族のあり方を重ね合わせながら、茶道の「女性化」の構造を鮮やかに浮かび上がらせる、ユニークな視点からの戦後日本社会論。

【49】男女論
“男女論の画像山崎浩一(著)1993

B6判 248頁 本体1,456円+税
女が強くなった,男がダメになった,というのは本当か? 今の社会は男に有利か女に有利か? 性差別のない社会はどうしたら可能か?――フェミニズムから恋愛論まで、母性的日本社会から情報資本主義まで、気鋭のコラムニストが「男と女」をめぐる同時代の事象を、快刀乱麻・軽妙洒脱に切り捨てる。「男と女」という最も身近で深遠なテーマに挑んだ、会心の時代戯評!

【50】仕事を持つのは悪い母親?
“仕事を持つのは悪い母親?の画像シルヴィアンヌ・ジャンピノ(著)
鳥取絹子(訳)2002

46判 216頁 本体1,600円+税
「母性信仰」にプレッシャーを感じる母親は、仕事の有無に関わらず、子育てを「独りで」「時間に追われて」こなしている。精神分析医として20年の臨床経験を持つ著者が、不要な罪悪感のもとになる母親絶対論をくつがえし、子どもと<働く両親>とのベストな関係を提案、母親を不安と憂鬱から解放する。もう独りで背負わなくても大丈夫、と背中を押してくれる本。

【51】母性社会の行方
“母性社会の行方の画像平山満紀(著)2010

46判 252頁 本体2,000円+税
日本は「母性社会」であると言われてきたが、今日その特質はどのように変化してきているのか。現代日本の多くの問題の基底にある「母」や「母子関係」「母なるもの」「母性」を歴史的な変化の中で捉え直し、グループセラピーなどの事例から、母の崩壊と母子密着が同時進行する現代社会を読み解くとともに、拡大するコンピュータ社会の母の身体の変容を指摘する。

【52】セックス・イン・ザ・フューチャー―生殖技術と家族の行方
“セックス・イン・ザ・フューチャーの画像ロビン・ベイカー(著)
村上彩(訳)2000

46判 336頁 本体2,200円+税
人工授精,代理出産,体外受精,凍結精子,代理卵巣,クローン人間……。生殖技術の進歩は「不妊」を次々に解決するだろうが、それ以上に我々の性行動や家族の形を根本から変えてしまう力を持っている。未来のテクノロジーと市場原理、そして太古以来の人類の欲望が結びついたとき、いったい何がおこるのか? これまでの生命観・家族観をゆるがす驚愕の未来予想図。

【53】ヒト・クローン無法地帯―生殖医療がビジネスになった日
“ヒト・クローン無法地帯の画像ローリー・B.アンドルーズ(著)
望月弘子(訳)2000

46判 320頁 本体2,300円+税
「あなたのクローンがつくられても取り締まる法律はない」 ネット上の精子ドナー探し、死者・昏睡状態の人からの精子採取、体外授精で残った胚の大量処分……「クローン人間誕生」が間近に迫る生殖医療の現場ではいま何が起きているのか。 米国大統領に「ヒト・クローン研究禁止」を決断させた、著名な女性法律家による戦慄の現場報告。

【54】太陽がふたつ出た日―マーシャル諸島民の体験
“太陽がふたつ出た日―マーシャル諸島民の体験の画像ジェーン・ディブリン(著)
沢田朋子,松村美也(訳)1993

46判 358頁 本体2,718円+税
広島、長崎についで人類三番目の被曝者となったマーシャル諸島民の体験を英国の女性ジャーナリストが描き出す。広島原爆の1300倍の破壊力をもつビキニ島の水爆など、実に66回に及ぶ核実験、ABM、スターウォーズの実験地とされた島々に住む島民の苦難の歴史と抗議の声を世界に向けて明らかにしたフル・ストーリー。国際先住民年関連出版。

【55】自然へのまなざし―ナチュラリストたちの大地
“自然へのまなざしの画像岸由二(著)1996

46判 272頁 本体1,748円+税
足もとの自然をまず歩いてみよう。生きものたちの賑わいに眼を向けよう。そうすれば、新しい発見がある。ナチュラリスト40年の著者が、自然を歩き生きものとふれあうなかで生まれた思索エッセイ集。幼少年期の生きものとの交流、今もなおその頃の好奇心と優しさに満ちたまなざしが光る。オリジナリティ溢れた着眼点は、読む人に新鮮な驚きと感動を与えるだろう。

【56】「地球環境」破局
“「地球環境」破局の画像川名英之(著)1996

46判 336頁 本体2,330円+税
オゾン層破壊、地球温暖化、酸性雨被害、砂漠化、熱帯雨林激減、核汚染、有害化学物質汚染、人口爆発の難題等、地球環境破壊は、私たちの想像以上に進行している。環境ジャーナリストである著者は、この現状は病気にたとえれば合併症で、全身に症状が現れており、もはや対症療法ではしのげないと警告する。地球環境破壊の問題点を総ざらいした一冊。

【57】地球植物誌計画―人間と自然との共生をはかる
“地球植物誌計画の画像G.T.プランス(著)
岩槻邦男(訳)1997

A5判 256頁 本体3,300円+税
20年以上もアマゾンの熱帯雨林に入り、植物調査を重ねてきた著者によるアマゾンレポート。アマゾンの自然とそこに住む人びとの生活が美しい写真とともに紹介されます。 本書はまた、アマゾンの森と人びとの共存をはかるために、悲観論に陥らず、冷静にその将来像を提示します。 花の万博記念「第1回コスモス国際賞」受賞記念出版。

【58】地球は売り物じゃない!―ジャンクフードと闘う農民たち
“地球は売り物じゃない!の画像ジョゼ・ボヴェ,フランソワ・デュフール(著)
ジル・リュノー(聞き手)新谷淳一(訳)2001

46判 256頁 本体2,200円+税
1999年8月、南仏の田舎町ミヨーで、農民たちが建設中のマクドナルドを「解体」する事件が起きた。事件の首謀者である酪農家のボヴェとデュフールは、グローバリゼーション主導の農業に異議を唱え、狂牛病に脅えるフランスの英雄になった。本書では「マクドナルド事件」の経緯と農民運動の歴史を紹介、地球規模での食糧・環境問題について、具体的に提言する。

【59】なぜ牛は狂ったのか
“なぜ牛は狂ったのかの画像マクシム・シュワルツ(著)山内一也(監修)
南條郁子,山田浩之(訳)2002

46判 304頁 本体2,000円+税
狂牛病の謎はどこまでわかったか。牛肉やミルクを口にしても平気なのか? 原因とされる異常プリオンの「死の接吻」とは? 予防や治療の可能性は? いま何をなすべきなのか。 「狂牛病パニック」のさなか、フランスで出版された最も信頼すべき筋からの発信。パスツール研の元所長が明晰な解説で狂牛病をめぐる俗説や誤謬を斬り捨て、その真実の正体に迫る。

【60】眠れない一族―食人の痕跡と殺人タンパクの謎
“眠れない一族の画像ダニエル・T.マックス(著)
柴田裕之(訳)2007

46判 368頁 本体2,400円+税
ヴェネツィアのある高貴な一族は、謎の不眠症に苦しんでいた。この病気は中年期に発症し、異常発汗や頭部硬直、瞳孔収縮を引き起こし、やがて患者は不眠状態に陥って死亡する。 この一族の数世紀に及ぶ物語を軸に、この病が狂牛病と同じプリオン病の一種と判り、その足跡を追ううちに見えてきた、80万年前の人類と食人をめぐる驚異のストーリー。

【61】感染爆発―鳥インフルエンザの脅威
“感染爆発の画像マイク・デイヴィス(著)
柴田裕之,斉藤隆央(訳)2006

46判 248頁 本体1,600円+税
1917年「スペイン風邪」以来の脅威といわれる「鳥インフルエンザ」が世界を震撼させる。ニワトリと渡り鳥から人間へ、人から人へと伝染するのは時間の問題で、この数年で億の規模の死者が出るという。鳥インフルエンザがなぜ現代に現れたのか、その謎の正体から登場までをサスペンス仕立てで追う。ワクチン、そして今後の見通し、助かる道はあるのか、追跡。

【62】ダライ・ラマが語る―母なる地球の子どもたちへ
“ダライ・ラマが語るの画像ダライ・ラマ14世,ジャン・クロード・カリエール(著)
新谷淳一(訳)2000

46判 286頁 本体2,400円+税
「人間はみな、地球という母の子どもとして、ひとつになるべきです」と、ダライ・ラマは語る。地球規模で進む環境破壊や教育問題、民族紛争、宗教の対立そして「心の科学としての仏教」について、同時代を生きる偉大な知識人であるダライ・ラマが、時にユーモアをまじえつつ、語った1冊。日本の読者へのメッセージも収録。

【63】タイム トゥ チャント―イギリス創価学会の社会学的考察
“タイム トゥ チャントの画像B.ウィルソン,K.ドベラーレ(著)
中野毅(訳)1997

46判 444頁 本体2,300円+税
イギリス創価学会員へのアンケート調査から現代的大乗仏教運動の一つである創価学会が今日の西欧社会に浸透定着してゆき、その宗教活動が重要な社会現象となる要因を社会学的に分析する。調査は会員の入信のきっかけ、動機、宗教活動、入信の成果などを自分自身の言葉で語らせるという方式で論考され、この宗教運動の現代における意味を探る。

【64】アメリカの創価学会―適応と転換をめぐる社会学的考察
“アメリカの創価学会の画像フィリップ・ハモンド,デヴィッド・マハチエク(著)
栗原淑江(訳)2000

46判 288頁 本体2,000円+税
1960年代半ばに、アジアからの移民が急増すると同時に、アメリカ社会には多くの東洋宗教が積極的に「供給」されていった。本書は、アメリカSGI(創価学会インタナショナル)が、柔軟な手法でアメリカ社会に適応し、定着して行った過程を、メンバーへのアンケート調査やインタビューをもとに、アメリカ社会の「需要」の要因の分析とともに明らかにする。

【65】介護のあした
“介護のあしたの画像信濃毎日新聞社(編)1999

46判 264頁 本体1,700円+税
舛添要一氏激賞! 何のための介護保険か。介護現場の生の声を掘り起こすルポルタージュ。新聞協会賞受賞作。 [内容から]老母を絞殺した元銀行員/「在宅福祉の施策がつぶれる」と訴える村/「介護保険後は施設で預かれない」と宣告された人/介護に悩む嫁の告白/介護されるお年寄りが明かす胸の内/ヘルパーをめざす若者の声/介護を支え合う新しい試み。

【66】生と死の十字路―ルポ医療技術最前線
“生と死の十字路―ルポ医療技術最前線の画像信濃毎日新聞社(編)1998

46判 192頁 本体1,600円+税
医療と生命の技術が、あきらめるしかなかった問題を解決する半面、生き方や死に方との「きしみ」をも生み出している。 出生前診断、遺伝子診断、DNA親子鑑定、性転換手術、終末医療など、身近になった先端医療の「選択」と「決断」に直面した人たちをルポし、その悩みと葛藤に迫る感動のヒューマン・ドキュメント。アップジョン賞受賞作。

【67】日本医療のゆくえ
“日本医療のゆくえの画像水野肇(著)1999

46変型判 232頁 本体1,600円+税
2010年の病院はどうなる? 少子高齢時代の社会保障、医療ビッグバン、相次ぐ医療ミスや薬害、迫りくる医療制度・健康政策の大転換など、日本の医療は大きな変革期を迎えている。医療ジャーナリストとして第一線を歩む著者が、迷走を続ける日本の医療の将来を憂い、問題の所在とその解決に向けた見取り図を示す医学読み物。

【68】社会保障のグランド・デザイン
“社会保障のグランド・デザインの画像水野肇(著)2000

46判 192頁 本体1,600円+税
財政破綻により、21世紀の社会保障の未来図が描けず、国民に老後の不安が広がっている。 本書は、基礎年金十万円構想を軸に据え、社会保険の一本化、薬価基準廃止・薬代償還制の導入、個人カルテICカード化、家庭医制度の確立など、医療・年金・保険の各改革案を盛り込んだ提言の書である。

【69】広告は私たちに微笑みかける死体
“広告は私たちに微笑みかける死体の画像オリビエーロ・トスカーニ(著)
岡元麻理恵(訳)1997

46判 約248頁 本体1,748円+税
著者は大胆な広告戦略で名高い、ベネトン社の広告カメラマンにしてディレクター。エイズ、人種差別、宗教、環境問題、そして戦争――およそ企業広告とは無縁なこれらの問題を取り上げ、賞賛と批判の渦をつくりだしてきた。本書では、彼自身の生い立ちとともに、ベネトンの立て役者としての広告哲学を述べ、拝金主義に堕した、現在の企業広告を痛烈に批判している。

【70】暗号化―プライバシーを救った反乱者たち
“暗号化の画像スティーブン・レビー(著)
斉藤隆央(訳)2002

46判 484頁 本体2,500円+税
インターネット黎明期、個人のプライバシー保護を賭け、暗号のプロが集まる諜報機関の厚い壁に挑んだ男たちの、サスペンスに満ちたドラマがあった。 あの『ハッカーズ』の著者が10年に及ぶ関係者取材を経てまとめられた全米ベストセラー、待望の邦訳。IT革命成立の裏側にあった、もうひとつのドキュメンタリー。

【71】第三の開国―インターネットの衝撃
“第三の開国の画像神沼二真(著)1994

46判 296頁 本体1,553円+税
平成の黒船、インターネットは日本の社会、産業構造、暮らしをどう変えるのか? 情報スーパーハイウエー構想、インターネットによって情報開国を迫られた日本のとるべき道とは? マルチメディアは不況脱出の救世主か? 情報革命の嵐が吹き荒れる日本の未来を予測し、来たるべき〈高度知識情報化社会〉のグランド・デザインを試みる。現代ビジネスマン必読の書。

【72】ナノフューチャー―21世紀の産業革命
“ナノフューチャーの画像J.ストールス・ホール(著)エリック・ドレクスラー(序)
斉藤隆央(訳)川合知二(解説)2007

46判 424頁 本体2,400円+税
「ナノテクノロジーは、第二の産業革命……第三、第四、第五でないのは、コンピュータやロボット工学などのテクノロジーでもそうした予言はあったが、どれもまだ最初の産業革命を凌いでいないからだ」(E・ドレクスラー)。ナノテクロジーが今後どのように発展し、人々の生活を変えていくのか。衣食住、エネルギー、交通、環境、医療に至るまでコンパクトに解説。

【73】アジアの21世紀―歴史的転換の位相
“アジアの21世紀の画像天児慧(編著)1998

46判 266頁 本体2,000円+税
政治・経済から社会、環境問題、価値観、民族意識、安全保障まで、専門家6人が、歴史を辿りつつ現在のアジアを読み解き、21世紀を見通す。 本書が展開する多方面からの検討はアジア理解の指針となるであろう。

【74】右の文化と左の文化―中国・日本おもしろ考
“右の文化と左の文化の画像内林政夫(著)1998

46判 272頁 本体2,000円+税
中国では、右と左とどちらが尊いのか。同じ漢字を使うのにどうして音が違うのか。中国古代のグルメ料理「八珍」とは。 仕事でたびたび中国を訪れた著者が、おりおりに気付いた文化や風習の違いのおもしろさをまとめたもの。旺盛な好奇心と探究心を持つ著者ならではの一冊。

【75】貢献する気持ち―ホモ・コントリビューエンス
“貢献する気持ちの画像滝久雄(著)2001

46判 192頁 本体1,500円+税
人間はなぜ「何かに貢献しよう」と考えるのか。本書ではこの〈貢献心〉を本能ととらえ、人間に本来備わるものと定義する。今まで見えなかったこの新しい人間像を〈ホモ・コントリビューエンス〉と名づけ、複雑な社会を迷走する現代人の道しるべとなる発想を、ボランテイアやNPO、企業の社会的貢献にどう生かすかを説く。

【76】上司と部下の深いみぞ―パワー・ハラスメント完全理解
“上司と部下の深いみぞの画像岡田康子(編著)2004

B6判 192頁 本体1,300円+税
パワー・ハラスメントとは、職権などの何らかの力を背景にした、職場における嫌がらせ、いじめ、暴力のこと。これがはびこれば、直接の被害者はもちろん、他の社員や組織自体に与えるダメージも計り知れない。この言葉の名づけ親で、窓口相談や啓発活動に従事してきた第一人者が、事例の蓄積を生かしながら実態を分析、様々な視点からの対処法を提案する。

【77】土着の思想―近代日本のマイノリティーたち
“土着の思想の画像判沢弘(著)1994

46判 226頁 本体1,748円+税
明治・大正期における異色の少数派である辻潤、田中王堂、高畠素之。昭和戦時期に抵抗をしつづけた橋本英吉、津久井竜雄、桐生悠々。満州にユートピアを夢みた橘樸の七人を取り上げ、明治百年の西欧化の流れのなかで土着的思想をつらぬいたユニークな人間像を再発見する。思想の主体性・創造性とは何かを問うとともに、近代日本の思想史にもう一つの光をあてた力作。

【78】日本の開明思想―熊沢蕃山と本多利明
“日本の開明思想の画像中沢護人,森数男(著)1994

46判 190頁 本体1,748円+税
日本近代化の原動力としての「開明思想」「開物思想」の源流をたずねて、熊沢蕃山、富永仲基、本多利明の思想を当時の社会の中に位置づける。また一方ではアジアの開物思想に言及しヨーロッパに対して「アジア」という意識をもたらす要因の一つになったその思想について述べる。中国、朝鮮、日本。それぞれの場所で起きた思想の潮流を鋭く読む。

【79】出稼ぎの経済学
“出稼ぎの経済学の画像大川健嗣(著)1994

46判 200頁 本体1,748円+税
出稼ぎ労働の供給側である農村と、それを吸収する工業地帯、主として太平洋岸ベルト地帯のメカニズムを照らし合わせ、東西の過疎山村における農家の分解と出稼ぎ現象、農業と地域開発、戦後農政と農民などの関係を探りながら、出稼ぎが戦後日本の資本主義の構造と密接不可分の関係にあることを明らかにする。戦後〜高度成長期にかけての統計資料も興味深い意欲作。

【80】遊戯と労働の弁証法
“出稼ぎの経済学の画像大沢正道(著)1994

46判 202頁 本体1,748円+税
これまで単なる対照物として考えられがちであった遊戯と労働の相互補完的な弁証法的関係を存在論的な視点のもとに追求する本書は、想像力、飢えと渇き、社会的欲求、リズム性など、遊戯と労働の指標を吟味する。そしてこの二つの人間の営みが歴史の過程でどのように考えられてきたのかを、さまざまな社会における具体的事例を通して考察する。