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新刊

【2024年4月の新刊】

 
実存主義者のカフェにて
実存主義者のカフェにて――自由と存在とアプリコットカクテルを サラ・ベイクウェル(著)向井和美(訳)
定価:¥4,180 (本体 ¥3,800+税)

[電子版] 定価:¥3,740 (本体 ¥3,400+税)

[原書]At The Existentialist Cafe : Freedom, Being, and Apricot Cocktails
Bakewell, Sarah
2017/03 (Vintage) 出版国: GB
ISBN:9780099554882

「本は人生をすっかり変えてしまう。
 この事実を、ほかのどんな現代哲学よりもはっきりと証明してみせたのが、
 1950年代から60年代にかけて世界じゅうに広まった実存主義だった」

1933年、パリ・モンパルナスのカフェで3人の若者、
ジャン=ポール・サルトル、シモーヌ・ド・ボーヴォワール、レイモン・アロンが、
あんずのカクテルを前に、現象学について熱く語り合っていた。
ここから生まれた新しい思想「実存主義」は、やがて世界中に広がり、
第二次大戦後の学生運動、公民権運動へとつながっていく――

ハイデッガー、フッサール、ヤスパース、アーレント、メルロ=ポンティ、レヴィナス、カミュ、ジュネ……
哲学と伝記を織り交ぜたストーリー・テリングで世界を魅了した傑作ノンフィクション。

27か国で刊行!
ニューヨーク・タイムズ「今年の10冊」(2016年)

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【2024年3月の新刊】

 
音と脳――あなたの身体・思考・感情を動かす聴覚
音と脳――あなたの身体・思考・感情を動かす聴覚 ニーナ・クラウス(著)柏野牧夫(解説)伊藤陽子(訳)
定価:¥2,970 (本体 ¥2,700+税)

[電子版] 定価:¥2,640 (本体 ¥2,400+税)

脳にとって音は、見えない敵でもあり、仲間でもある。

言葉、音楽、都市の騒音、大自然の静寂、愛する人の声。
聴覚は常にオンになっていて、私たちは音から逃げることはできない。
人はみな生まれた時から、音と意味を結びつける経験を幾度となく重ね、
音と脳の協調関係――独自の《サウンドマインド》――を磨いている。

言語障害、自閉症、難聴、バイリンガル、加齢や脳震盪、音楽療法……
聞くことは、感じ、考え、動くことにどう影響するのだろうか?
音の持つ力と可能性を説く、聴覚神経科学のトップサイエンティストの集大成。

2022年 米国出版協会 専門学術出版賞(生物医学)
2022年 ノーチラス・ブック・アワード金賞(科学・宇宙)

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【2024年1月の新刊】

ウィキペディアでまちおこし――みんなでつくろう地域の百科事典
ウィキペディアでまちおこし 伊達深雪(著)
定価:¥2,200 (本体 ¥2,000+税)

[電子版] 定価:¥1,980 (本体 ¥1,800+税)

町歩きののちに地元図書館所蔵の史資料をもとに
参加者全員で〈世界最大のインターネット百科事典〉に地域の項目を充実させる――

2012年に地域活性化を目指し、
イギリスの地方都市で試みられたこのオープンデータプロジェクトは日本にも伝わり、
〈ウィキペディアタウン〉の名で各地で開催されたことにより
「地域情報資源を活用した公共情報資産の共創活動」として
「Library of the Year 2017」優秀賞を受賞した。

多くの可能性を持つ本プロジェクトについて、
京都府立高校の司書で各地のウィキペディアタウンの講師もつとめる著者が、
自らの経験を振り返りながらその魅力と活用の仕方をガイドする!

【2023年5月の新刊】

眠りつづける少女たち――脳神経科医は〈謎の病〉を調査する旅に出た
眠りつづける少女たち――脳神経科医は〈謎の病〉を調査する旅に出た スザンヌ・オサリバン(著)高橋洋(訳)
定価:¥2,750 (本体 ¥2,500+税)

[電子版] 定価:¥2,200 (本体 ¥2,000+税)

[原書]The Sleeping Beauties : And Other Stories of Mystery Illness
O'Sullivan, Suzanne
Picador 出版国: GB
2021/04 [ハードカバー] ISBN:9781529010558
2022/03 [ペーパーカバー] ISBN:9781529010572

《人間の不思議に迫る!》
オリヴァー・サックスの後継者として注目される脳神経科医が、
世界各地で出会った奇妙な心因性疾患の背後に見たものとは――

2021年【英国王立協会科学図書賞】最終候補作

不可解な病の発生現場を自身の目で確認するべく、スウェーデン、カザフスタン、
コロンビアなどを訪ね歩いた著者が、心因性疾患の複雑さを神経科学の最新理論を
交えて考察し、土地や民族に固有の文化や社会が及ぼす影響を軽んじ西洋医学に
偏重しがちな精神医療の風潮や、安易に〈謎の病〉と報道して人々の不安を煽る
一部マスメディアの姿勢に警鐘を鳴らします。

▼第1章で描かれる、眠ったまま1年以上目を覚まさない「あきらめ症候群」と
診断された少女たちについては、ドキュメンタリー映画『眠りに生きる子供たち』
(Netflix配信、2019年)や、NHK「BS世界のドキュメンタリー」シリーズの
「“あきらめ症候群”スウェーデン ある難民家族の記録」などでも紹介されています。
https://www.netflix.com/title/81034980
https://www.nhk.jp/p/wdoc/ts/88Z7X45XZY/episode/te/LR6MJ5R363/

世界の広さを感じさせ、人間という存在が抱える底知れぬ不思議さが伝わってくる一冊です。

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【2023年4月の新刊】

テムズとともに――英国の二年間
テムズとともに――英国の二年間 徳仁親王(著)
定価:¥1,100 (本体 ¥1,000+税)
「心地よい車の震動に身をゆだねながら、私は自分の前に二年間という、
かつてまったく経験したことのない長さの外国生活、未知でいて心躍るような
留学生活というドラマの幕が静かに開きつつあるのを実感していた」(本書より)

1983年から約2年間を過ごされたオックスフォード大学での日常生活や研究生活、
音楽活動、ご学友との交流、登山やテニスなどのスポーツ、英国内外への旅……

内側から英国を眺め、外にあって日本を見つめ直した「何ものにも代えがたい貴重な経験」。

1993年に学習院より刊行されたものに、あらたに書き下ろされた後書きを付した。

《学習院創立150周年記念》

「消えたい」「もう終わりにしたい」あなたへ
「消えたい」「もう終わりにしたい」あなたへ 水島広子(著)
定価:¥1,320 (本体 ¥1,200+税)
***死にたいのではなく、こんなに生きづらい人生からおりたいのです***

日本の自殺死亡率は先進主要7か国で最も高く、特に女性の自殺死亡率は世界で2番目と
きわだって高い。日本の子どもは「身体的な健康」では1位だが、「精神的な幸福」では
38か国中ワースト2位と、日本人の「幸福感の低さ」との関連もうかがえる。

人気精神科医が、「すべて投げ出してしまいたい」と思いながら日々を送る人に向けて、
自死を思いとどまり、生きづらさを和らげるためのヒントをやさしく説く。

【2022年12月の新刊】

自由と進化―コンストラクタル法則による自然・社会・科学の階層制
自由と進化―コンストラクタル法則による自然・社会・科学の階層制 エイドリアン・ベジャン(著)柴田裕之(訳)木村繁男(解説)
定価:¥2,640 (本体 ¥2,400+税)

[原書]Freedom and Evolution : Hierarchy in Nature, Society and Science
Bejan, Adrian
(Springer) 出版国: DE
2019/12 [ハードカバー] ISBN:9783030340087
2020/12 [ペーパーカバー] ISBN:9783030340117

《世界のかたちは、流れやすさで決まる》
樹木や河川のかたち、生物の身体の構造、スポーツの記録、社会の階層制、
政治、経済、グローバリゼーション、交通網、メディア、文化、教育――
すべてのかたちの進化はコンストラクタル法則が支配している!

コンストラクタル法則とは、簡単に言えば
「生物・無生物を問わず、すべてはよりよく流れるかたちに進化する」というもので、
この画期的な物理法則を提唱した熱力学界の鬼才ベジャンは、
2018年に米国版ノーベル賞とも言われるベンジャミン・フランクリン・メダルを受賞しました。

新たな物理法則を世に問うて衝撃を与えた『流れとかたち』『流れといのち』に続く
3部作の完結篇となる本書で著者は、自然界の力の流れ、スケールメリットの優位性、
階層制と不平等が生じる理由、複雑性の捉え方、多様性の広がりについてなど、
諸領域に適用されるコンストラクタル法則の理論的背景を解説しながら、
〈自由〉と〈進化〉をキーワードに、未来に資する学問と科学のあり方を熱く論じます。

★試し読み(PDF)はこちら。

《コンストラクタル3部作》

綿の帝国――グローバル資本主義はいかに生まれたか
綿の帝国 スヴェン・ベッカート(著)鬼澤忍/佐藤絵里(訳)
定価:¥4,950 (本体 ¥4,500+税)

[原書]Empire of Cotton : A Global History
Beckert, Sven
2015/11 (Vintage Books) 出版国: US
ISBN:9780375713965

●「傑作! グローバル資本主義の容赦ない拡大について新たな洞察を与える驚異的な成果」
 (ニューヨーク・タイムズ)

☆バンクロフト賞 受賞
☆フィリップ・タフト賞 受賞
☆カンディル賞 受賞
☆ピューリッツァー賞 最終候補作

コットンの歴史は資本主義の歴史であり、常に暴力と強制を伴っていた――

奴隷制、植民地主義、強制労働……
社会的・経済的不平等や差別は資本主義の歴史の例外ではなく、その「核心」だった。

ハーヴァード大学の資本主義研究をリードするベッカートが膨大な資料をもとに5000年、
5大陸にわたる綿とそれにかかわる人々の歩んだ道をたどり、現代世界の成り立ちを追究した
「驚異的な成果」


【2022年9月の新刊】

哲学の門前
哲学の門前 吉川浩満(著)
定価:¥1,980 (本体 ¥1,800+税)
在野の賢人が相棒と組んで演出する「哲学の劇場」
《しなやかな知性の原点はここにある》

十九歳の夏にニューヨークで出会ったタクシードライバーとの会話、
伯父の死に涙する祖母を慰めた夜、
読書会で生じた環境型セクシュアルハラスメントの後悔、
新卒で勤めた国書刊行会で接した個性的な面々、
創業間もないヤフーでの目の回るような忙しさ、
デビュー作『心脳問題』を山本貴光と書いた日々――

文筆家・編集者・ユーチューバーとして活躍する著者が、
コミュニケーションや政治、性、仕事、友人関係などをテーマに、
暮らしのなかで否応なく生じる哲学との出会いや付き合い方について
体験談を交えて考察する、ユニークな随筆集。
【相棒・山本貴光氏による「吉川浩満くんのこと」収録】

* * *

《刊行後即重版!》「産経新聞」(9/25付)、「京都新聞」(10/8付)に続き、
「日本経済新聞」(10/15付)にも書評掲載!
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65138560U2A011C2MY6000/ (※要会員登録ページです)

【2022年8月の新刊】

岡村昭彦を探して――ベトナム戦争を報じた国際報道写真家の光と影
岡村昭彦を探して――ベトナム戦争を報じた国際報道写真家の光と影 松本直子(著)
定価:¥2,750 (本体 ¥2,500+税)
彼は何を語り、何を語らなかったのか――

1964年、無名の日本人がベトナムの戦場を撮った写真が世界的な週刊グラフ誌「LIFE」で特集された。
迫真のレポートは大きな反響を呼び、岡村昭彦は「第二のキャパ」として一躍、時の人となった。
以後、澤田教一をはじめ多くの若者たちがベトナム入りを果たすこととなる。

35歳で世に出た岡村の波乱万丈の写真家以前の経歴も話題となるが、現在も定説となっている逸話のところどころに、 岡村の姪である著者は違和感を覚えつづけた。
そして、真の岡村昭彦の姿を求める旅が始まった。

これまで拾われてこなかった声をたどるなかで、ジャーナリストにとって、報道写真にとって
〈真実〉とは何かという問いが立ちはだかる。

丹念な取材から人間・岡村昭彦が浮かび上がるとともに、その生きた時代が見えてくる。

【2022年5月の新刊】

マークの本
マークの本 佐藤卓(著)
定価:¥2,750 (本体 ¥2,500+税)
《ブランディングに携わるすべての人に必読の一冊》

周囲を見渡せば、無数のシンボルマークやロゴが目に入る。
それらのマークはどう考えて作られたのか――
制作者の声に耳を傾けてみると、その背景にはきわめて豊かなアイデアと気遣いがあった。

「ロッテ キシリトールガム」「明治おいしい牛乳」などの
商品デザインで知られるグラフィックデザインの第一人者が、
自ら手掛けたシンボルマークやロゴ120点の制作背景を解説する。

★『マークの本』試し読み(PDF)はこちら。


【2022年3月の新刊】

魔術師と予言者――2050年の世界像をめぐる科学者たちの闘い
魔術師と予言者――2050年の世界像をめぐる科学者たちの闘い マン,チャールズ・C.(著)
布施 由紀子(訳)
定価:¥4,950 (本体 ¥4,500+税)
《科学は人類を救えるか?》

地球温暖化は進み、人口は増え続けるが、水や石油などの資源は枯渇の一途にある。
再生可能エネルギーは石油や石炭や原発の代替となりうるのか?
気候変動対策は目標を達成できる? 遺伝子組み換え食品は安全?
海水淡水化プラントは水不足の救世主?

これらは地球に住む我々、特に子供たちの世代が避けて通れない喫緊の課題です。
あなたは「科学で解決できる」と疑わない魔術師派でしょうか。
それとも「自然を守るべく資源の浪費を削減し、人口増大を抑制しよう」と考える予言者派でしょうか?

SDGsを考えるうえでも必読の一冊です。

★『魔術師と予言者』プロローグ試し読み(PDF)はこちら。

★チャールズ・C.マン『1493――世界を変えた大陸間の「交換」』(布施由紀子訳)は こちら。

* * *

「数々の賞を受賞したサイエンスライターの新たな傑作である」
「週刊東洋経済」4/23号(橋本努氏・北海道大学教授)

「環境危機の全体像が浮かび上がってくる、圧巻のノンフィクション」
書評サイトHONZ(冬木糸一氏)


【2022年2月の新刊】

〈叱る依存〉がとまらない
〈叱る依存〉がとまらない 村中 直人(著)
定価:¥1,760 (本体 ¥1,600+税)
●きつく叱られた経験がないと打たれ弱くなる
●理不尽を我慢することで忍耐強くなる
●苦しまないと、人は成長しない……そう思っている人は要注意!

「叱る」には依存性があり、エスカレートしていく。その理由は、脳の「報酬系回路」にあった! 児童虐待、体罰、DV、パワハラ、理不尽な校則、加熱するバッシング報道……。人は「叱りたい」欲求とどう向き合えばいいのか?

「叱る」という行動のメカニズムを知り、厳罰主義にかたむく社会のありかたを問う。

教育・保育・対人支援・人材育成にかかわる人はもちろん「叱る」に悩む、すべての人の必読書。

  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *

精神科医・松本俊彦氏 推薦! (『誰がために医師はいる――クスリとヒトの現代論』著者)

「殴ってもわからない奴はもっと強く殴ればよい?――まさか。それは叱る側が抱える心の病、〈叱る依存〉だ。なぜ『ダメ。ゼッタイ。』がダメなのか、本書を読めばその理由がよくわかる」


大衆運動 新訳版
ぼくはテクノロジーを使わずに生きることにした ホッファー,エリック(著)
中山 元(訳)
定価:¥2,200 (本体 ¥2,000+税)
「自らが卓越した人物であると主張する根拠がないと考えれば考えるほど、人は自分の国や宗教や人種や聖なる大義が卓越したものであると主張するようになる」

「わたしたちが大衆運動に参加するのは、個人の責任から逃れるためであり、熱心な若いナチス党員の語る言葉を借りれば『自由から自由になるため』なのである」

           *

宗教運動、民族主義運動、ファシズム、ナチズム、コミュニズム……何が人々を集団行動にのめりこませたのか?

ヒトラーやスターリンの全体主義が台頭した1930年代にその熱狂の源泉について思索を始めたホッファーは、あらゆる大衆運動の特に狂信的な段階に共通する特性をあぶりだしながら、運動の発生・拡大のダイナミズムを活写する。

現代におけるナショナリズムや排外主義の台頭、テロリズム、カルト活動などを理解するうえでも示唆に富む社会思想の古典的名著の新訳版!


【2021年11月の新刊】

ぼくはテクノロジーを使わずに生きることにした
ぼくはテクノロジーを使わずに生きることにした ボイル,マーク(著)
吉田 奈緒子(訳)
定価:¥2,090 (本体 ¥1,900+税)
携帯電話、パソコン、テレビ、洗濯機、電動工具、時計、 ガスコンロ、蛇口の水も、いっさいない暮らしが はじまった。そこから見えてきたのは――

3年間お金なしで暮らした著者が、今度は電気や化石燃料で動く文明の利器を使わずに、仲間と建てた小屋で自給自足の生活をはじめることにした。

火をおこし、泉の水を汲み、人糞堆肥で野菜を育て、鹿を解体して命を丸ごと自分の中にとりこむ。地域の生態系と調和した贈与経済の中で暮らす一年を、詩情豊かに綴る。

『ぼくはお金を使わずに生きることにした』著者の新たな挑戦!

アイリッシュ・インディペンデント紙「ブック・オブ・ザ・イヤー2019」


【2021年9月の新刊】

ジェンダーと脳 性別を超える脳の多様性
ジェンダーと脳 性別を超える脳の多様性 ジョエル,ダフナ、ヴィハンスキ,ルバ(著)
鍛原 多惠子(訳)
定価:\1,980 (本体 \1,800+税)
【性差はある。だが女脳/男脳は存在しない。】

30分間、ストレスを受けたからといって、あなたの生殖器が女性から男性へ、男性から女性へと変わることはありえない。だが、このありえないことが脳の神経細胞では起こりうる。脳はホルモン、ストレス、薬物、環境などあらゆる影響を受けて驚くほど柔軟に変化する。脳に見つかる男女間の平均的な性差は、現れてはまた消える。だから、脳に性別はないのだ。人の脳は、一人ひとり異なっており、様々な特徴の入り混じる《モザイク》になっている。

【人間の脳や心の複雑さは女/男という二分法ではとらえきれない。】

画期的な「脳モザイク論」で脳の性差をめぐる議論に一石を投じた気鋭の神経科学者が、性別とジェンダーに対する固定観念を打ち砕くサイエンス読み物。9か国で刊行が決定している注目の書。


アメリカンビレッジの夜 基地の町・沖縄に生きる女たち
アメリカンビレッジの夜 基地の町・沖縄に生きる女たち ジョンソン,アケミ(著)
真田 由美子(訳)
定価:\2,530 (本体 \2,300+税)
「対話はいつもあまりに単純化され、人々は口をつぐみ黙りこむ。
矛盾をもっと認識することで人々は話しやすくなる」

1972年に日本へ復帰するまでの27年間、アメリカに占領・統治され、その後も基地が置かれた沖縄は、戦後70年以上、基地との共生を強いられてきた。米兵による犯罪や事故、自然破壊もあとをたたない。2016年に20歳の女性が米軍関係者により暴行を受けて殺害されると、抗議デモは過去20年を通じて最大規模となった。
米軍基地をめぐって対立する日米両政府と沖縄県。普天間基地の移設問題も混迷をきわめている。

だが、沖縄の基地をめぐる問題を二極化することでこぼれ落ちてしまう現実がある。そう感じた日系四世の著者は、沖縄に生きるあらゆる立場の女性――沖縄戦で学徒看護隊に動員された女性、基地で働く女性、米兵との恋愛結婚を夢見る女性、アイデンティティに悩む「アメラジアン」、基地反対運動の活動家ら――の話を聞き歩いた。
彼女たちの言葉から、複雑で矛盾に満ちた沖縄の歴史と現実が浮かび上がる。

類いまれな語り手が、帝国の基地の町に生きるとはどういうことかを鮮やかに描き出す
ジョン・ダワー(『敗北を抱きしめて』著者)推薦


夢を見るとき脳は 睡眠と夢の謎に迫る科学
夢を見るとき脳は 睡眠と夢の謎に迫る科学 ザドラ,アントニオ、スティックゴールド,ロバート(著)
藤井 留美(訳)
定価:\2,420 (本体 \2,200+税)
【この謎に満ちた魅惑の世界を知れば、今夜、眠りにつくのが楽しみになる!】

有史以来、人々を魅了してきた「夢」という現象はいったい何なのか?――1953年のレム睡眠発見を機に進展した夢の科学的研究は、21世紀の現在、核心に迫りつつある。

夢研究の歴史をひもとき、典型的な夢、動物の夢、悪夢、明晰夢、創造力との関連性など数々の研究を紹介しながら、著者らが構築したNEXTUPモデルを解説し、その理論をもとに夢の正体に挑む。


【2021年6月の新刊】

生誕の災厄  新装版
生誕の災厄  新装版 シオラン,E.M.(著)
出口 裕弘(訳)
定価: \2,750 (本体 \2,500+税)
生誕こそ、死にまさる真の災厄である。

ただひとつの、本物の不運は、この世に生まれ出ることだ。
──「暗黒のエッセイスト」が放つ、独特のユーモアと強烈な皮肉に満ちたアフォリズムに、読者は一瞬にして呑みこまれる。
静かに読み継がれてきた、「異端の思想家」シオランの〈奇書〉を新装版で刊行。

若い世代の読者に向け、装丁・組版をリニューアル!!

★現在の版(1976年刊行)からの変更点
・全面新組
・旧字体や送りがななどを、読みやすく改める
・水戸部功さんによる装丁

あまりにも完全な地獄は、楽園と同じように不毛である。

あらゆる思想は、損なわれた感情から生まれる。

一冊の本は、延期された自殺だ。



バレット博士の脳科学教室7・1/2章
バレット博士の脳科学教室7・1/2章 バレット,リサ・フェルドマン(著)
高橋 洋(訳)
定価: ¥1,980 (本体 ¥1,800+税)
革新的な情動理論で脚光を浴びた『情動はこうしてつくられる』著者の第2弾

《あなた自身と社会を変える 新時代の脳科学入門》
これまでの脳の見かたを払拭し、〈身体予算〉という比喩で脳と身体の機能を解説しながら、脳の〈予測〉や、脳と社会の相互作用など、科学の最新トピックを精選して歯切れよく語る。

「脳を持っている人、必読」
――ヘレン・メイバーグ(神経科学者、マウントサイナイ医科大学教授)

「脳とその魔法についての概略をつかみたければ、まずはこの本から」
――デイヴィッド・イーグルマン(神経科学者、『あなたの知らない脳』著者)

「とにかく読め! あなた自身と人間という種を賢くしてくれる本だ」
――レナード・ムロディナウ(物理学者、『柔軟的思考』著者)

Best Book of 2020――Amazon.com
Best Science Books of 2020――Barnes & Noble
「ウォールストリート・ジャーナル」「ガーディアン」
「カーカス・レビュー」ほか、各紙誌絶賛!



【2021年5月の新刊】

涙と聖者 新装版
涙と聖者 新装版 シオラン,E.M.(著)
金井 裕(訳)
定価: \3,300 (本体 \3,000+税)
私たちを聖者に近づけるのは、最深部に眠る涙の目覚めである

痛切な悔恨の抒情を湛える、若きシオランの感情の激発。
暗黒のエッセイストが、祖国を離れた年に記した、思想の原点。



【2021年1月の新刊】

囚われし者たちの国 世界の刑務所に正義を
囚われし者たちの国 世界の刑務所に正義を B.ドライシンガー(著)
梶山 あゆみ(訳)
定価: \2,310 (本体 \2,100+税)
「何かがひどく間違っている」

終身刑制度と死刑制度をともに有し、世界で最も多くの人を、ことに貧しい人々を収監している国、アメリカ。世界に輸出されたこの「大量投獄」というシステムはしかし、失敗ではないのか?
刑事司法を専門とする大学で教えるかたわら、収監者への高等教育と社会復帰支援活動に携わる著者は、再犯率が6割を超えるアメリカの刑務所制度に疑問を抱き、世界の刑務所を見てまわることにした――

ルワンダではジェノサイドの被害者と加害者が対話する更生プログラムに立ち会い、ウガンダでは囚人に向けた文章創作教室を自ら開くほか、過去に獄中で巨大犯罪組織が生まれたブラジルの超重警備刑務所や、オーストラリアの民間に委託された刑務所、そして、アメリカと対極にある開放型のノルウェイの刑務所など世界9か国を訪ね歩く。

刑務所とは更生施設なのか、懲罰施設なのか。
贖罪とは、許しとは何か。
さまざまな問いを投げかける、他に類をみないルポルタージュ。



野の古典
野の古典 安田 登(著)
定価: \1,980 (本体 \1,800+税)
古典には立派なことばかり書いてあるわけではない。底無しの煩悩、醜い邪心、制御不能な愛欲、えげつない話――教科書には載らない部分こそ、 人間の真の姿を映し出してくれる。
『古事記』『万葉集』から『南総里見八犬伝』『武士道』まで、能楽界の奇才が縦横無尽に語る。

俵万智推薦!
「古典は骨董品ではなく、日常使いの器なのだ。使ってナンボ。その使いかた、楽しみかた、味わいかたが、本書にはたっぷり盛られている。安田節というユーモアとエロスのダシを効かせて。」



【2020年10月の新刊】

ママ、最後の抱擁
ママ、最後の抱擁 ドゥ・ヴァール,フランス(著)
柴田 裕之(訳)
定価: \2,640 (本体 \2,400+税)
【試し読みはこちら《こちら》】

死を悼み、不公平を嫌悪し、喜びをわかちあう。
情動は、いわば臓器のようなものだ――
霊長類の社会的知能研究の第一人者が満を持して動物の情動を語る。ニューヨークタイムズ・ベストセラー。
ユヴァル・ノア・ハラリ、ロバート・サポルスキー、デズモンド・モリス推薦!

情動は、いわば臓器のようなものだ。
わたしたちはそのいっさいを他の哺乳動物と共有している。
そのすべては、われわれの社会的な営みに不可欠なものだ。

仲間の苦しみを取り除くラット、パートナーの死を嘆くカラス、恩を忘れないチンパンジー……人間だけが豊かな情動をもつという証拠は、なにもない。

心理学との境界を行く独自の動物研究分野を切り拓いてきた著者が、長らく科学界でタブーとされてきたテーマを満を持して語る。
前作『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』の姉妹篇となる、ドゥ・ヴァール最新作。
驚きのエピソード満載、著者自身の手によるイラスト多数。


【2020年9月の新刊】

円をめぐる冒険――幾何学から文化史まで
円をめぐる冒険――幾何学から文化史まで ポザマンティエ,アルフレッド・S.、ゲレトシュレーガー,ロベルト(著)
松浦 俊輔(訳)
定価: \2,970 (本体 \2,700+税)
コンパスと定規を持って出かけよう

古代から多くの数学者を魅了してきた「円」という図形を舞台に、幾何学的な基礎知識から、美しい定理、作図法、驚きの円充填問題や頭を唸らせる難問まで、長年数学教育に携わってきた著者が平易に解説する。後半は、文化史や技術的側面まで見渡しながら、円の全体像に迫る。

数学の愉しさを伝え続けてきたベテラン教育者による、魅惑の世界への誘い


中古典のすすめ
中古典のすすめ 斎藤 美奈子(著)
定価: \1,870 (本体 \1,700+税)
「ベストセラー」以上「古典」未満
読書界の懐メロ=中古典を一刀両断!

一世を風靡した本には、古典に昇格するものもあれば、忘れ去られてしまうものもある──人気文芸評論家が、ひと昔前のベストセラー48点を俎上にのせ、現在の視点から賞味期限を判定する。

【名作度】
★★★ すでに古典の領域
★★ 知る人ぞ知る古典の補欠
★ 名作の名に値せず

【使える度】
★★★ いまも十分読む価値あり
★★ 暇なら読んで損はない
★ 無理して読む必要なし

《目次(予定、抜粋)》
住井すゑ『橋のない川』 差別への感受性を磨き直せ
丸山眞男『日本の思想』 憲法が破壊される時代への警告
中根千枝『タテ社会の人間関係』 どこが名著かわからない
庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』 東大受験生の明るい屈折
土居健郎『「甘え」の構造』 大風呂敷な居酒屋談義
山崎朋子『サンダカン八番娼館』 ルポライターとからゆきさん
小松左京『日本沈没』 天変地異の大盤振る舞い
鎌田慧『自動車絶望工場』 大企業を敵に回した果敢なルポ
片岡義男『スローなブギにしてくれ』 疾走するハードボイルド
山口百恵『蒼い時』 伝説のアイドルの「闘い」の書
浅田彰『構造と力』 ポストモダンって何だったの?
ホイチョイ・プロダクション『見栄講座』 うわべで勝負の最強レジャーガイド
渡辺淳一『ひとひらの雪』 不倫にのめった中年男の夢と無恥
村上春樹『ノルウェイの森』 過剰な「性と死」があなたを癒す
etc…



生きるということ  新装版
生きるということ  新装版 フロム,エーリッヒ(著)
佐野 哲郎(訳)
定価: \2,090 (本体 \1,800+税)
フロムによる永遠の古典の新装版!

真に生きる喜びが得られる生き方とは?
財産、知識、健康、社会的地位、権力……現代の私たちは〈持つ〉ことに専心し、それを自分の価値とみなしている。

人が生きていくうえでは、〈持つ〉ために限りなき生産と消費に追われ、“慢性の飢餓状態”にあるのでなく、あらゆる執着から解き放たれ、何ものにも束縛されず、生きる喜びを感じられるような、ただ〈ある〉という、もうひとつの様式がある。

日常の経験や先人たちの思想を例に、〈持つ様式〉と〈ある様式〉の生き方を比較・検討し、新たな人間像と社会のあり方を提唱する。



愛するということ
愛するということ フロム,エーリッヒ(著)
鈴木 晶(訳)
定価: \1,430 (本体 \1,300+税)
読み継がれて60年――
世界的ベストセラーに30年ぶりに訳文に大幅に手を入れた、改訳・新装版!

【現在の版(1991年刊行「新訳版」)からの変更点】
■時代に合わない表現・用語などを変更
旧:異性愛 → 新:恋愛     旧:兄弟愛 → 新:友愛
旧:月賦 → 新:カード払い   旧:冷感症 → 新:不感症
旧:前世紀、今世紀 → 新:一九世紀、二〇世紀

■さらに読みやすくわかりやすい訳にブラッシュアップ
〈旧〉
愛するという技術についての安易な教えを期待してこの本を読む人は、きっと失望するにちがいない。そうした期待とはうらはらに、この本が言わんとするのは、愛というものは、その人の成熟の度合いに関わりなく誰もが簡単に浸れるような感情ではない、ということである。

〈新〉
愛するという技術についての安易な教えを期待してこの本を読む人は、がっかりするだろう。この本は、そうした期待を裏切って、こう主張する――愛は「その人がどれくらい成熟しているかとは無関係に、誰もが簡単に浸れる感情」ではない。

〈旧〉
生まれてはじめて、合一感、共有意識、一体感といったものを知る。

〈新〉
生まれてはじめて、他者との結びつき、分け合うこと、一体感といったものを知る。



【2020年8月の新刊】

中年の本棚
中年の本棚 荻原 魚雷(著)
定価: \1,870 (本体 \1,700+税)
人は誰でも初めて中年になる。
若いつもりでいたのに、あるときを境に気力・体力の衰えや老いの徴候が目につき、
家族の問題がのしかかり、仕事でも上と下の板ばさみになる。
この先、自分に何ができるのか――

中年期に差しかかり、そんな迷いのただなかにいた著者の蔵書の一角を、次第に中年に関する本が占めるようになった。
小説・エッセイから自己啓発本・実用書まで、中年期に書かれた、あるいは中年をテーマにしたありとあらゆる本を手に思考をめぐらせた、「scripta」で人気の読書エッセイを単行本化。



【2020年6月の新刊】

絶望のきわみで (新装版)
絶望のきわみで (新装版) シオラン,E.M.(著)
金井 裕(訳)
定価: \3,300 (本体 \3,000+税)
一九三三年のルーマニア――
不眠と眩暈、強度の内的緊張、危機的な精神状況に陥った当時二十二歳のシオランは「書くこと」によって生き延びた。
異端の思想家シオランの出発点。



【2020年5月の新刊】

1964年の東京パラリンピック―すべての原点となった大会
1964年の東京パラリンピック―すべての原点となった大会 佐藤 次郎(著)
定価: \1,980 (本体 \1,800+税)
「障がい者を見せ物にするな!」
そんな野次と戦いながら怯むことなく信念を貫いた医師・中村裕さん。1964年の東京パラリンピックの成功は、障がい者の心と身体を明るく元気にしただけでなく、自立と就労に導いた。日本が共生社会への第一歩を踏み出した瞬間を知った。

――増田明美さん(日本パラ陸上競技連盟会長)推薦

* * * * * * * *

リハビリテーションの一環として始まった試みが、人々の人生を変えていった。
知られざる大会と、戦後の障害者をめぐる社会を描くノンフィクション。

満足な車いすもなく、下半身の自由を失った人々は家や病院にこもるしかなかった昭和半ばの日本。
脊髄損傷者の生活向上におけるスポーツの効用に着目し、厳しい反発を受けながらも「東洋初の国際障害者スポーツ大会」の開催に尽力した一人の医師がいた。
大会を通じて浮き彫りになったのは、欧米に比べて立ち遅れた、日本の医療と福祉だった。
社会復帰し、生活を楽しむ外国の選手を目の当たりにした日本選手の胸に去来したのは「仕事がしたい、人生を謳歌したい」という思いだった――

ボランティアやバリアフリーという言葉もまだ知られていなかった時代に、共生社会へつながる最初の扉を開いた人々の奮闘を、当時を知る関係者らへの取材と貴重な証言で描く。




【2020年1月の新刊】

LIFE 3.0―人工知能時代に人間であるということ
LIFE 3.0―人工知能時代に人間であるということ テグマーク,マックス(著)
水谷 淳(訳)
定価: \2,970 (本体 \2,700+税)
【「第1章(途中まで)」の試し読みは《こちら》】

超知能AIが出現したら何が起こるか――
AI開発の指針「アシロマAI原則」の取りまとめに尽力し、AI安全性研究を牽引する著者が、
来るべき世界の姿と生命の究極の未来を考察する。
労働、法律、軍事、倫理から、生命と宇宙、機械の意識まで多岐にわたる問題を論じた全米ベストセラー。31か国で刊行。

「この時代の最も重要な議論に参加したければ、テグマークの示唆に富む本を読めばいい」
──スティーヴン・ホーキング

イーロン・マスク、エリック・ブリニョルフソン、レイ・カーツワイル、ニック・ボストロム、スチュワート・ラッセル、マーティン・リースら推薦!

NY Times Bestseller
The Times Books of the Year 2017
Daily Telegraph Books of the Year 2017
バラク・オバマ Favorite Books of 2018
ビル・ゲイツ 10 Favorite Books about Technology




【2019年11月の新刊】

情動はこうしてつくられる―脳の隠れた働きと構成主義的情動理論
情動はこうしてつくられる―脳の隠れた働きと構成主義的情動理論 バレット,リサ・フェルドマン(著)
高橋 洋(訳)
定価: \3,520 (本体 \3,200+税)
【「序 2000年来の前提」試し読みは《こちら》】

従来の理論を刷新し、人間の本性の見方に新たなパラダイムをもたらす!
幸福、悲しみ、怖れ、驚き、怒り、嫌悪――「脳は反応するのではなく、予測する」

心理学のみならず多くの学問分野を揺さぶる、自身の《構成主義的情動理論》を解説するとともに、情動の仕組みを知ることで得られる心身の健康の向上から法制度の見直しまで、実践的なアイデアを提案する。
英語圏で14万部、13か国で刊行の話題の書。

情動は〈理性のコントロールが及ばず自動的に引き起こされる反応〉ではない。
〈幸福の神経回路〉などないし、〈怒りのニューロン〉も特定の部位もない。

情動を経験したり知覚したりするためには〈情動概念〉が必要である。
「怖れ」の概念がなければ、怖れを経験することはできない。
「悲しみ」の概念がなければ、他者の悲しみを知覚することはできない。

なぜ情動は自動的に生じていると感じるのか。
理性はどれだけ情動をコントロールできるか。
イヌは情動を経験しているのか。
情動は病気にどのように影響を及ぼすか。
子どもの「心の知能」はどのように高められるのか。

  *  *  *

各界から絶賛!

「感情とその背後にある脳科学を見渡すフィールドガイドの決定版」
 ――アンジェラ・ダックワース(『やり抜く力 GRIT』著者)

「研究の最前線にきわめて革命的な理論を描き出した」
 ――ロバート・M. サポルスキー(『サルなりに思い出す事など』著者)

「私の理解を180度ひっくり返した」
 ――マルコム・グラッドウェル(『天才!』著者)

その他、ポール・ブルーム(『反共感論』著者)、ジョゼフ・ルドゥー(『シナプスが人格をつくる』著者)、ダニエル・L. シャクター(『なぜ、「あれ」が思い出せなくなるのか』著者)ら大御所たちが賛辞を寄せる注目の著者。




【2019年9月の新刊】

エイリアン―科学者たちが語る地球外生命
エイリアン―科学者たちが語る地球外生命 アル=カリーリ,ジム(編)
斉藤 隆央(訳)
定価: \2,420 (本体 \2,200+税)
【試し読みは《こちら》】

地球外生命は存在するのか?
それは極限環境微生物か、無機質な知性体か──

「エイリアン」は、もはやSFではない!

天文学、宇宙物理学、生化学、遺伝学、神経科学、心理学などの各分野を代表する20人の科学者や著作家が、地球外生命の定義、存在するための条件と可能性、その姿などを具体的、現実的に検討する。
地球上の生命の起源や、太陽系内外の星々の生命居住可能性(ハビタビリティ)を探り、最先端の探査方法を紹介。
極限環境に棲む微生物から、人類を超越する無機質な知性体にまで考えをめぐらせ、SF小説や映画も切り口として多角的な視点で地球外生命をとらえる。

『生命、エネルギー、進化』のニック・レーンをはじめ、王立協会マイケル・ファラデー賞受賞者6名を含む20名が寄稿!
科学の進歩に驚き、固定観念をくつがえされるポピュラーサイエンス読み物。

「生命とは何か」という根源的な問いにも通じる注目のトピック!



【2019年7月の新刊】

ぱくりぱくられし
ぱくりぱくられし 木皿 泉(著)
定価: \1,540 (本体 \1,400+税)
面白いと思うことぐらい、
自分で決めないと、もったいないです。

「数十回観た」という熱狂的なファンも多い「木皿ドラマ」から名セリフを引きつつ、その創作の秘密、影響を受けた作品などをつづったPR誌「スクリプタ」人気連載を待望の単行本化。

伝説のドラマ「すいか」に通じる作品が、今から30年以上前に生まれていた! ――妻の幻のデビュー作「け・へら・へら」シナリオも収録。

初の小説『昨夜のカレー、明日のパン』が本屋大賞2位に輝き、第2作『さざなみのよる』も本屋大賞6位となった人気脚本家・作家 木皿泉のエッセイ集。

<ラジオドラマ「け・へら・へら」 著者自身によるあらすじ>
智子は入社9年目のOL。なぜか小さな島の集団見合いのツアーに参加することになりました。その出発日、今は会社をやめてキャッチセールスをする安江と偶然会い、一緒に行くことになってしまいます。幸せをさがしに出かけた二人でありますが、なにしろ何も無い田舎。日頃考えないこともつい考えてしまうほど時間がありあまるわけです。宿舎での夕食前の退屈な何時間かを、二人がいかに時間潰しするかというのがこのお話であります。
宿に居る目的は、一応は結婚です。しかしそれはあくまでも一応であって、本人達は中々その気にはなれません。居る理由がはっきりしないまま、でもそこに居なければならない。それは、とっても切ないことです。なんだか人生にも似ています。そこに居る理由を見つけられない二人は宿舎を逃げ出します。逃げて何処へいくのか。島の中を何処へ逃げても同じことです。島を地球に置き換えても同じです。その事は主人公達もよーく知っています。
それならば、楽しい時間潰しをしたい。これは、そういうお話です。



【2019年5月の新刊】

流れといのち - 万物の進化を支配するコンストラクタル法則
流れといのち - 万物の進化を支配するコンストラクタル法則 ベジャン,エイドリアン(著)
柴田 裕之(訳)
定価: \2,420 (本体 \2,200+税)
【試し読みは《こちら》】

「生物・無生物を問わず、すべてはより良く流れるかたちに進化する」――この画期的な物理法則を「コンストラクタル法則」と名付けて1996年に発表した熱力学の鬼才ベジャンは、2018年に米国版ノーベル賞とも言われるベンジャミン・フランクリン・メダルを受賞した。

「生命とは何か」という野心的な探究を軸に据えた本書で著者は、富と資源の流れや、階層制の遍在性、テクノロジーやスポーツや都市の進化、政治や社会を支配する原理、時間や死の諸相までを見渡しながら、生命と進化のみならず、さまざまな事象への見方をくつがえすような、戦闘的な文章で読者を圧倒する。

本書でベジャンは「生命」「進化」を、物理の視点で語る。 生命という定義には生物も無生物も関係ない。 動きながら自由に変化している=流れているものが生命だ。 流れが尽きた系には終焉(死)が訪れる。

生命とは、より長く生きたい、食物や暖かさ、力、動き、 他の人々や環境に自由にアクセスしたいという衝動なのである。
そしてベジャンはコンストラクタル法則の導きを元に、 確固たる自信をもって、より良い未来へ向かう世界を提示する。

  *  *  *

【本書への賛辞】
「快作! 100冊のビジネス書を読むより本書1冊を丹念に読むほうがずっとよい」 鎌田浩毅(京都大学大学院教授)
「溢れる嘘に惑わされることなく、世界の本質に沿って生きる人の、宝物となる本」 神田昌典(経営コンサルタント)
「ひと言でいってスゴい」 橘 玲(作家、新書大賞『言ってはいけない』著者)


【2019年2月の新刊】

書物の破壊の世界史 - シュメールの粘土板からデジタル時代まで
書物の破壊の世界史 - シュメールの粘土板からデジタル時代まで バエス,フェルナンド(著)
八重樫 克彦、八重樫 由貴子(訳)
定価: \3,850 (本体 \3,500+税)
「もはやわれわれの記憶は存在しない。
文字や法律の揺りかご、文明発祥の地は焼失した。
残っているのは灰だけだ」
(2003年、バグダード大学教員のことば)

「55世紀もの昔から書物は破壊されつづけているが、その原因のほとんどは知られていない。
本や図書館に関する専門書は数あれど、それらの破壊の歴史を綴った書物は存在しない。何とも不可解な欠如ではないか?」

シュメールの昔から、アレクサンドリア図書館の栄枯盛衰、ナチスによる“ビブリオコースト”、イラク戦争下の略奪行為、電子テロまで。
どの時代にも例外なく書物は破壊され、人類は貴重な遺産、継承されるべき叡智を失ってきた。
ことは戦争や迫害、検閲だけでなく、数多の天災・人災、書写材の劣化、害虫による被害、人間の無関心さにおよぶ。
幼少期に地元図書館を洪水によって失った著者が、やがて膨大量の文献や実地調査により、世界各地の書物の破壊の歴史をたどった一冊。

ウンベルト・エーコ、ノーム・チョムスキー絶賛!


【2018年11月の新刊】

10億分の1を乗りこえた少年と科学者たち―世界初のパーソナルゲノム医療はこうして実現した
10億分の1を乗りこえた少年と科学者たち―世界初のパーソナルゲノム医療はこうして実現した ジョンソン,マーク、ギャラガー,キャスリーン(著)
梶山 あゆみ(訳)
井元 清哉(解説)

定価: \1,980 (本体 \1,800+税)
診断名のつかない難病を抱えた少年との出会いから世界初のパーソナルゲノム医療が実現するまで。
ピューリッツァー賞受賞記事を書籍化。

2007年5月、ウィスコンシン小児病院に2歳の男の子がやって来た。
食事をするたびに腸に小さな穴が開き、その穴が皮膚表面まで通じてそこから便が漏れるという奇病を患っている。
「10億人にひとり」レベルの稀な症例を前に、医師たちは様々な検査をするが原因がまったくわからず、 過去の文献にも例がない。
このままでは10歳までもたないと思われた。

2009年、ついに医師たちは最後の手段として臨床の場では世界に例のないゲノム解析により、
原因遺伝子を突きとめて治療の手がかりをつかもうという大胆な試みに踏みきる。
その結果は? そしてこの医療が突きつけた倫理問題とは?

診断名のつかない難病を抱えた少年との出会いから、世界初のパーソナルゲノム医療が
実現するまでを息詰まる筆致で綴った医療ドキュメンタリー。
2011年「ピューリッツァー賞・解説報道部門」受賞記事の書籍化!

人体はこうしてつくられる―ひとつの細胞から始まったわたしたち
腸と脳―体内の会話はいかにあなたの気分や選択や健康を左右するか デイヴィス,ジェイミー・A.(著)
橘 明美(訳)

B6版 441頁 定価¥2,500+税
ひとつの細胞からいかに身体の各器官が形成されていき、複雑極まりない人体が構築されるのか?
豊富な図と共に解説する。もっとも身近なワンダーランド!

人体は複雑極まりないが、すべては受精卵というひとつの細胞から始まる。
設計図面や現場監督が不在のなか、
この直径0.1mmの小さな物質はいかにして人間になるのか?
遺伝子はどう働き、神経や血管、骨、筋肉はどのようにつくられるのか?

受精卵の細胞分裂から、各器官が次々に形成されて人体が完成するまでの過程、
さらには成長し、生命が維持される仕組みまで――
未知の部分の多いヒトの発生過程という難解で神秘的な生命現象を一般向けに解説する科学読み物。[図版多数]


【2018年9月の新刊】

私のティーアガルテン行
私のティーアガルテン行 平出 隆(著) 定価: \2,970 (本体 \2,700 円+税)
詩人・作家として多方面で精力的に創作活動を続け、根強い人気を誇る平出隆の自伝的エッセイ。

幼少期から思春期にかけて出会った恩師や友人をはじめ、
21歳で詩人としてデビューした頃の仲間・稲川方人と河野道代、
選手・監督として活躍した野球チーム「ファウルズ」の仲間、
大学時代の恩師・出口裕弘、編集者として向きあった澁澤龍彦、川崎長太郎、
美術批評を通して交流した河原温、ゲルハルト・リヒター――

北九州に生れ育ち、ベルリンのティーアガルテンで「生涯という迷宮」への豊かな啓示を享けた詩人が、
幼少時からの教えの庭を追懐しつつ、紙と版への思考を軸に「世界へ踏み出す少年」のみずみずしい感覚を綴りきった自伝的エッセイ。
名著『遊歩のグラフィスム』(岩波書店、2007)の姉妹篇。

【著者自装、図版多数収録】

【2018年6月の新刊】

腸と脳―体内の会話はいかにあなたの気分や選択や健康を左右するか
腸と脳―体内の会話はいかにあなたの気分や選択や健康を左右するか メイヤー,エムラン(著)
高橋 洋(訳) 定価: \2,420 (本体 \2,200 円+税)
【ためし読みはこちらから】

悩みで胃が痛い
大事なプレゼンの前にトイレに行きたくなる
腑に落ちない
――誰しもが身に覚えのあるこれらの感覚、ここには、 体内で休まず交されている「見えない会話」が関わっていた。

ヒトゲノム計画からヒトマイクロバイオーム計画に移行した現代、
生命科学のトレンドとして注目を集めているのは「腸」。

腸管神経系(ENS)は「第二の脳」とも呼ばれ、
5000万01億もの神経細胞から構成されており、
このENSと脳が常時やり取りしている厖大な情報が、
心身の健康維持にきわめて重要な役割を果たしている。

腸内マイクロバイオームの異変は、慢性疼痛、過敏性腸症候群(IBS)、
うつ病、不安障害、自閉症スペクトラム障害や、
パーキンソン病などの神経変性疾患に結びつく可能性がある。

脳‐腸‐腸内細菌の情報ネットワークの緊密さと重要性、
諸疾患と腸内細菌の関係、情動と内臓感覚、
健康な身体を維持するために実践したい食習慣などについて、
脳と腸のつながりの研究における第一人者が、わかりやすく解説する。

塗りつぶされた町―ヴィクトリア期英国のスラムに生きる
塗りつぶされた町―ヴィクトリア期英国のスラムに生きる ワイズ,サラ(著)
栗原 泉(訳) 定価: \2,970 (本体 \2,700 円+税)
繁栄のきわみにあった大英帝国首都に巣食う不条理とやがて「ゆりかごから墓場まで」と呼ばれる福祉制度が萌芽するまでをつぶさに描く19世紀末、繁栄のきわみにあった大英帝国の首都に すさまじい貧困のなか6000人が暮らすスラムがあった――

都市型スラムの原型ともいわれるイースト・エンドのニコル地区はいかに生まれ、消えていったのか
社会主義や優生学など当時生まれた思想はいかなる影響を与えたのか
福祉制度の成立にいかに寄与したのか――その歴史に迫る

「徹底的にリサーチされた、傑出した社会史。対象に向けた視線が優しい」(インディペンデント紙)

「聡明な歴史家サラ・ワイズが手がけた本書は、ヴィクトリア期の悲惨を描いた表面的なメロドラマにはならない……ここには本物の人生が描かれている。表立って語られずとも、読者は今の時代に通じるものについて考えないではいられない」(デイリー・テレグラフ紙)

「ニコルは今日における都市型スラムの原型であった。本書を読んで、驚愕せよ」(ニュー・ステイツマン誌)

ゲッベルスと私―ナチ宣伝相秘書の独白
ゲッベルスと私―ナチ宣伝相秘書の独白 ポムゼ,ブルンヒルデ、ハンゼン,トーレ・D.(著)
石田 勇治(監修)
森内 薫、赤坂 桃子(訳) 定価: \2,090 (本体 \1,900 円+税)
ヒトラーの右腕としてナチ体制を牽引した宣伝大臣ヨーゼフ・ゲッベルスの103歳の元秘書が、69年の時をへて当時を回想する。ドキュメンタリー映画「ゲッベルスと私」が、2018年6月16日(土)より岩波ホールほか全国劇場にて順次公開(岩波ホール創立50周年記念作品)!

ハンナ・アーレントのいう”悪の凡庸さ”と”無思想性”は、アイヒマンよりもむしろポムゼルにこそあてはまる――

「なにも知らなかった。私に罪はない」
ヒトラーの右腕としてナチ体制を牽引したヨーゼフ・ゲッベルスの103歳の元秘書が、69年の時をへて当時を回想する。
ゲッベルスの秘書だったブルンヒルデ・ポムゼル。ヒトラーの権力掌握からまもなくナチ党員となったが、それは国営放送局での職を得るための手段にすぎなかった。ポムゼルは、「政治には無関心だった」と語り、ナチスの所業への関与を否定し、一貫して「私はなにも知らなかった」と主張する。
解説を執筆したジャーナリストは、このような一般市民の無関心にこそ危うさがあると、ナショナリズムとポピュリズムが台頭する現代社会へ警鐘を鳴らす。
子ども時代から始まるポムゼルの回想は、30時間におよぶインタビューをもとに書き起こされ、全体主義下のドイツを生きた人々の姿を浮かびあがらせる。

書籍版では、映画では語られなかった事実も明かされている。

20か国以上で刊行が決まっている注目のノンフィクション

数学7日間の旅 -- 新装版
数学7日間の旅 -- 新装版 志賀 浩二(著) 定価: \2,640 (本体 \2,400 円+税)
幾何、微分、積分……つれづれに野山を旅するように数学を楽しもう。
和歌や俳句を入り口に数学的世界観や思考法をやさしく学べる一冊。

葬送の倫理 -- 新装復刊版
葬送の倫理 -- 新装復刊版 久野 昭(著) 定価: \2,640 (本体 \2,400 円+税)
死者への思い、死者との関わりは生きている者にとってどのような意味をもつのか――
古人の死霊観や葬法の変遷から考察する。

シベリアの歴史 -- 新装版
シベリアの歴史 新装版 加藤 九祚(著) 定価: \2,860 (本体 \2,600 円+税)
シベリア抑留経験を持つ著者が日本で初めて同地の歴史を概観。
2016年、ウズベキスタンで発掘調査中に94歳で死去したシルクロード研究の世界的権威の出発点。

【2018年2月の新刊】

アウシュヴィッツの歯科医
アウシュヴィッツの歯科医ベンジャミン・ジェイコブス(著)
上田 祥士(監訳)
向井 和美(訳) 定価: \2,090 (本体 \1,900 円+税)
命を救ってくれたのは、
別れぎわに母がわたしに持たせた
歯科治療用の小さな道具箱だった――

1941年、ポーランドの小さな村のユダヤ人家庭で暮らしていた21歳の青年が、ナチス・ドイツの強制収容所へ送られる。
歯科医の勉強を始めて1年目の彼に、母は歯の治療用具箱を持っていくよう強く勧めた。
その箱が、のちのち自分と家族の命を救うことになるとは、そのときは思いもしなかった――
飢餓とシラミの蔓延する収容所生活、仲間の裏切りと拷問、家族の殺害、非ユダヤ人女性との恋、ナチスSS隊員を治療し、死体から金歯を抜く……
機転と知恵を働かせながら、信じがたいほどの試練をかいくぐって奇跡的に生きのびた青年が自ら綴ったノンフィクション。

利己的な遺伝子 40周年記念版
利己的な遺伝子 40周年記念版リチャード・ドーキンス(著)
日高 敏隆、岸 由二、羽田 節子、垂水 雄二(訳) 定価: \2,970 (本体 \2,700 円+税)
ドーキンスによる「40周年記念版へのあとがき」が
新たに収録された、世界的ベストセラーの最新版
「英国史上最も影響力のある科学書」 第1位

私たちはなぜ、生き延びようと必死になり、なぜ恋をし、なぜ争うのか?――
本書で著者は、動物や人間の社会で見られる、親子間の対立や保護行為、夫婦間の争い、
攻撃やなわばり行動などがなぜ進化したかを、遺伝子の視点から解き明かす。

自らのコピーを増やすことを最優先とする遺伝子は、いかに生物を操るのか?
生物観を根底から揺るがす衝撃の事実を鮮やかに描き出した本書は、
1976年の刊行以来、分野を超えて多大な影響を及ぼし続けている古典的名著である。

【前の版からの変更点】
・ドーキンスによる「40周年記念版へのあとがき」を追加
・古くなった表現、表記を変更
・装幀と本文レイアウトを刷新

お隣りのイスラームー日本に暮らすムスリムに会いにいく
お隣りのイスラームー日本に暮らすムスリムに会いにいく森 まゆみ(著) 定価: \1,870 (本体 \1,700 円+税)
「scripta」好評連載「お隣りのイスラーム」待望の単行本化!

現在日本に暮らすイスラム教徒は10万人以上、モスクは80ヵ所以上、
20以上の大学でハラルフードが提供されるようになった。
それでも、世界に16億人近くいるといわれるムスリムは、日本ではまだまだ少数派。

3・11の震災のあとすぐに、被災地支援に向かった大塚モスクの活動を手伝ったのをきっかけに、
その世界の扉を開いた聞き書きの名手が、日本に移り住み、働くムスリムたちの声を拾い集めた。

インドネシア人の舞踏家、バングラデシュ人のハラルフード店店主、
シリア人のアレッポ石鹸販売会社代表、ウイグル料理店オーナー……
故郷を想い、日本との懸け橋をめざす人たちの言葉から、多様で豊かなイスラムが見えてくる。

私はすでに死んでいる ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳
私はすでに死んでいる ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳アニル・アナンサスワーミー(著)
藤井 留美(訳) 定価: \2,420 (本体 \2,200 円+税)
「いやいや、私の脳は死んでるんです。精神は生きてますが、脳はもう生きてないんですよ」

「自分は死んでいる」と思いこむコタール症候群、自分の身体の一部を切断したくてたまらなくなる身体完全同一性障害(BIID)、何ごとにも感情がわかず現実感を持てない離人症――

自己感覚が損なわれる珍しい精神疾患を抱える患者やその家族をはじめとし、ドッペルゲンガーの経験者、自閉症スペクトラム障害の当事者などへのインタビュー、それらを治療・研究する精神科医や神経科学者への取材をもとに、不思議な病や現象の実相を描き出す。著者はときには違法な下肢切断手術の現場に同行したり、錯覚を起こす実験に参加してみずから体外離脱を体験しようと試みたりするなど、ユニークなアプローチで〈自己意識〉という難問に迫る。
〈私〉とは、いったい誰なのか? 神経科学の視点から〈自己〉の正体を探るポピュラーサイエンス読み物。

オリヴァー・サックスの著作を彷彿とさせる”――『サイエンス』誌
ニコラス・ハンフリー、マイケル・ガザニガ、フランス・ドゥ・ヴァールらも称賛!
春日武彦氏による解説を収録。

【2017年9月の新刊】

台湾人の歌舞伎町―新宿、もうひとつの戦後史
台湾人の歌舞伎町稲葉 佳子、 青池 憲司(著) 定価: \1,980 (本体 \1,800 円+税)
●〈らんぶる〉も〈スカラ座〉も〈風林会館〉も台湾人がつくった――

終戦までの50年間、日本の統治下にあった台湾。
8万人あまりが“日本兵”として戦争に駆り出され、戦前から日本に“内地留学”をしていた者も多くいた。

戦後、今度は一転、“外国人”として裸一貫で放り出された台湾人はやがて駅前のヤミ市で財をなし、
焼け野原に新たに構想された興行街・歌舞伎町を目指した――

初めて明らかにされる、貴重な時代証言

動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか
無銭経済宣言フランス・ドゥ・ヴァール(著)
松沢 哲郎(監訳)
柴田 裕之(訳) 定価: \2,420 (本体 \2,200 円+税)
『共感の時代へ』『道徳性の起源』につづく待望の最新作!
ラットが自分の決断を悔やむ、カラスが道具を作る、タコが人間の顔を見分ける――

進化の末に、動物は「賢さ」を獲得した。
それは人間も、サルも、鳥も、魚も、虫も、同じである。
われわれは自分たちだけが賢いと思っていないか?

心理学との境界線を行くユニークな動物研究の分野を開拓してきた著者が、
動物行動学の歴史から最新の研究まで、豊富な事例を示すとともに読者へと問いかける。
ドゥ・ヴァールが提唱する《進化認知学》とはなにか。
動物行動学の入門書としても最適な一冊。

★驚きのエピソードが満載、著者自身の手によるイラスト多数。

●チンパンジーは食べ物のありかを知っていることを悟られないようにふるまう。
●カケスは相手が何を欲しがっているか見極めてプロポーズの贈り物を選ぶ。
●アシナガバチは一匹ずつ顔が違い、仲間の顔を見分けている。
●タコは自分を攻撃した人間を覚えていて、怒りをあらわにする。

★試し読みはこちらから


無銭経済宣言―お金を使わずに生きる方法
無銭経済宣言ボイル,マーク(著)
吉田 奈緒子(訳) 定価: \2,200 (本体 \2,000 円+税)
19か国で刊行され、大きな反響を呼んだ『ぼくはお金を使わずに生きることにした』著者、待望の第2作!

「〈お金がないと生きられない〉というのは、ぼくらの文化が創りだした物語にすぎない」
「貨幣経済だけが唯一選択可能な経済モデルではない」

自然界や地域社会とのつながり、生の実感、持続可能な地球をとりもどすための新しい経済モデルを提起した、フリーエコノミー運動創始者による「カネなしマニフェスト」。
〈グローバルな貨幣経済〉から〈ローカルな贈与経済〉への方向転換に読者をいざなうラディカルな提言の書であると同時に、お金に頼らない生活の知恵をふんだんに詰めこんだ「カネなし生活大全」でもあります。

【2017年6月の新刊】

アルカイダから古文書を守った図書館員
アルカイダから古文書を守った図書館員ジョシュア・ハマー(著)
梶山 あゆみ(訳)

B6判 252頁 定価: \2,310 (本体 \2,100+税)
刊行前から話題となり、「ワシントン・ポスト」や「ウォールストリートジャーナル」など各紙誌も絶賛!!

37万点もの歴史遺産はいかに救われたか―
西アフリカ・マリ共和国中部のトンブクトゥは、古くから金や岩塩、奴隷などの交易で繁栄、イスラム文化が花開き、16世紀には100以上のコーラン学校やモスクが建てられた「古の学術都市」である。
各家庭でひそやかに保存されてきた往時の手彩色の古文書の多くが図書館に納められて数年後、アルカイダ系組織がマリ北部を制圧した―。

全米で話題をさらったノンフィクション!

セレンゲティ・ルール―生命はいかに調節されるか
セレンゲティ・ルール―生命はいかに調節されるかショーン・B・キャロル(著)
高橋洋(訳)

B6判 343頁 定価: \2,420 (本体 \2,200+税)
分子から人間、ヌーの群れから生態系まで―
すべては調節されている
「さまざまな種類の分子や細胞の数を調節する分子レベルのルールが存在するのと同じように、一定の区域で生息可能な動植物の種類や個体数を調節するルールが存在する!」

生命はいかに機能するのか?―
人体はいかにして適切な数の細胞を生産しているのか。
アフリカのサバンナに生息するヌーやライオンの数はどのように決まるのか。
そして、病んだ生態系の回復は可能なのか。

複雑きわまりない生命現象に共通する論理を見出した進化発生生物学の第一人者が、蝕まれた生態系の危機に警鐘を鳴らす。

E.O.ウィルソン、ニール・シュービン、(「ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト。」著者)、シッダールタ・ムカジーら絶賛!!(「病の皇帝「がん」に挑む」著者)

【2017年4月の新刊】

デザインってなんだろ?
デザインってなんだろ?松田 行正(著)

B6判 328頁 定価: \1,980 (本体 \1,800+税)
色、装飾、ロゴ、レイアウト、表現――歴史が織りなしてきた連鎖の糸をグラフィックデザインの鬼才松田行正が解きほぐす。デザインを知ること、歴史を知ること――

ブックデザインの世界を颯爽と駆け抜けてきた著者が、長年の経験と博覧強記の知識を駆使して、デザインや美的感覚が、そもそもどのように形成されていったか、歴史の糸をときほぐしつつ解説する渾身のデザイン論。混迷する文化状況を俯瞰し、その行く末を占う読み物としても楽しめる、基礎教養が詰まったコンパクトブック。

マーヤの自分改造計画―1950年代のマニュアルで人気者になれる?
マーヤの自分改造計画―1950年代のマニュアルで人気者になれる?ヴァン・ウァーグネン,マーヤ(著)
代田 亜香子(訳)

B6判 317頁 定価: \1,870 (本体 \1,700+税)
アメリカの中学のスクールカーストで最下層にいるマーヤが自分磨きに奮闘した1年を綴った、チャーミングなノンフィクション。

メキシコとの国境に近いテキサスの小さな町。ヒスパニックが多くを占める中学で、スペイン語が喋れず、優等生だけど引っ込み思案で、ぽっちゃり気味、眼鏡をかけて歯を矯正中のマーヤは、スクールカーストの最下層にいた。
そんな彼女は、ある日出会った、60年以上前の人気者になるための指南書をきっかけに、自らの格づけを上げるべく、実験をはじめることにした。まず用意するのは、白い手袋にパールのネックレスにガードル……!?

はたしてマーヤは「人気者」になれるのか?
そもそも「人気者」ってなんだろう?
アメリカに暮らす現代のティーンが自分磨きに奮闘した1年を綴った、チャーミングなノンフィクション。現在、学校になじめずにいるティーンはもちろん、生きづらさを抱えた大人にも勇気を与えてくれる一冊として、アメリカで刊行されるや話題をよんだ、ニューヨークタイムズ・ベストセラー! 20か国で刊行!

【2016年12月の新刊】

マイクロバイオームの世界―あなたの中と表面と周りにいる何兆もの微生物たち
マイクロバイオームの世界―あなたの中と表面と周りにいる何兆もの微生物たちデサール,ロブ、パーキンズ,スーザン・L.(著)
斉藤 隆央(訳)

B6判 295頁 定価: \2,200 (本体 \2,160+税)
人間の体表や体内に棲む何兆もの微生物が形成する群集=マイクロバイオームについて、しっかり学びたい人のための基本書。
生命とは何かという根本的議論から、マイクロバイオームとは何か、それが人間の生活や健康にどう影響するのかまで、進化理論や細菌学の歴史をひもときながら、最新の分子生物学の成果を踏まえ、豊富なイラストと共にわかりやすく解説する。

【2016年10月の新刊】

台湾少女、洋裁に出会う―母とミシンの60年
台湾少女、洋裁に出会う鄭 鴻生(著)
天野 健太郎(訳)

B6判 268頁 定価: \1,870 (本体 \1,700+税)
日本統治下の台湾で日本の婦人雑誌に魅了された少女はやがて、台南に洋裁学校を開く。母が息子に語ったもう一つの”カーネーション”もうひとつの「カーネーション」がここにあった!
日本統治下の1930年代の台湾に「洋裁」に夢を託した少女がいた。『主婦之友』『婦人倶楽部』…日本の婦人雑誌に魅了された少女は親の反対を押しきって、洋装店の見習いとなり、やがて戦前の東京に留学を果たす。戦後、台南に自ら洋裁学校を開校する彼女が息子に語ったオーラルヒストリーから台湾の近代が浮かび上がる。

身体はトラウマを記録する―脳・心・体のつながりと回復のための手法
身体はトラウマを記録するヴァン・デア・コーク,ベッセル(著)
柴田 裕之(訳)
杉山 登志郎(解説)

B6判 682頁 定価: \4,180 (本体 \3,800+税)
★トラウマの研究と臨床を牽引してきた世界的第一人者の集大成★

私たちは何よりもまず、患者が現在をしっかりと思う存分生きるのを助けなくてはならない――

世界的第一人者が、うつ病、薬物・アルコール依存など多くの精神疾患や、自己免疫疾患、児童虐待、性被害、DVなどの背後に潜むトラウマによる脳の改変のメカニズムを解き明かす。薬物療法や従来の心理療法の限界を示し、EMDR、ニューロフィードバック、内的家族システム療法、PBSP療法、ヨーガ、演劇など、身体志向のさまざまな治療法の効果を最新の脳科学・脳画像法を駆使して立証する。単に症状を抑えるだけでなく、患者が現在を十分に生きられるようになるまでの道筋を綴る、全米ベストセラー。

【2016年8月の新刊】

プリズン・ブック・クラブ―コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年
プリズン・ブック・クラブウォームズリー,アン(著)
向井 和美(訳)

B6判 445頁 定価: \2,090 (本体 \1,900+税)
★この読書会でなら、人種や民族やギャング団の派閥の壁を越えられる★

著者はカナダ人の女性ジャーナリスト。あるとき友人から〈刑務所読書会支援の会〉でボランティアをしてみないかと誘われるも、かつて強盗に襲われ、長くトラウマに苦しんだ経験から参加をためらう。

しかし次第に好奇心がまさり、重罪犯を収容するトロントの刑務所で月に一度開かれる"囚人たちの読書会"におそるおそる足を踏み入れた。

『かくも長き旅』『ガラスの城の子どもたち』
『天才! 成功する人々の法則』『もう服従しない』
『ポーラ』『6人の容疑者』『ユダヤ人を救った動物園』……

やがて著者は、1冊の本をかこんでさまざまな出自の囚人たちから発せられる言葉の重みに引きこまれていく――

カナダでは現在、〈刑務読書会支援の会〉により、17の刑務所で26の読書会が開かれている。2010年から1年間の読書会の様子と、囚人たちに訪れた変化を追った、胸に迫るノンフィクション!

悪癖の科学―その隠れた効用をめぐる実験
悪癖の科学スティーヴンズ,リチャード(著)
藤井 留美(訳)

B6判 281頁 定価: \1,760 (本体 \1,600+税)
人間は未だ謎の宝庫だ。

翌朝が大事な会議でも深酒する。セクシーな美女に心乱される。刺激を求めてバンジージャンプをする。「クソ野郎!」と叫んで高速道路をかっ飛ばす。

人間は、なぜ世間が眉をひそめるようなことを、ついやってしまうのか?
わからない……なぜなのか → 知りたければ実験だ!

世の中の謎を解こうと、世界中の研究者たちは日夜実験に没頭している。
主流科学の陰にひっそりと咲くちょっと変わった実験に着目した心理学者が、一部の悪癖には隠れた効用があることを示す研究成果の数々をユーモラスに紹介する。

【2016年6月の新刊】

脳はいかに治癒をもたらすか―神経可塑性研究の最前線
脳はいかに治癒をもたらすかドイジ,ノーマン(著)
高橋 洋(訳)

B6判 591頁 定価: \3,300 (本体 \3,000+税)
治療困難とされてきた神経由来の身体機能障害の諸症状に革命的治癒をもたらした「神経の可塑性」とは何か。人気精神科医が綴る。脳卒中、パーキンソン病、自閉症、ADHD、慢性疼痛、視覚障害など、治療困難と考えられていた神経に由来する機能障害の諸症状は、神経の可塑性を活用した治療で劇的に改善する可能性がある。

米国で人気の精神科医が、難病を克服した数々の患者や医師、関係者らへ徹底的に取材し、回復までの驚きのエピソードと共に神経可塑性研究の最前線を綴った全米ベストセラー。

日常を探検に変える―ナチュラル・エクスプローラーのすすめ
日常を探検に変えるグーリー,トリスタン(著)
屋代 通子(訳)

B6判 427頁 定価: \2,200 (本体 \2,000+税)
未踏の地を求め、肉体の極限に挑戦することだけが探検ではない。

日々のありふれた旅でも、面白い事件など何も起こらず、ただただ疲れるだけの行き帰りにも、その気になれば窓はあるのだ。

大西洋を海と空で単独横断した著者が、ダーウィンやソローら先人たちが道を行く途上で何に注意を払っていたのか、その視点の先をたどりつつ、身近な自然のなかで意識を開く技法を説く。

【2016年4月の新刊】

働くことの哲学
働くことの哲学スヴェンセン,ラース(著)
小須田健(訳)

B6判 262頁 定価: \1,870 (本体 \1,700+税)
現代に生きる私たちが幸福で満たされた人生を求めるうえで、仕事はどのような位置を占めるのか。國分功一郎さん推薦!

働くなかで、私たちは世界に爪あとを残してゆく――生きてゆくにはなんらかの目的や意味が必要であり、そこに仕事は重要なかかわりを持ってくる。ノルウェーの哲学者が、幸福で満たされた生活を求めるうえで、仕事がどのような位置を占めるのかを探求する。
「仕事は人生の意味そのものを与えてくれるか」「自己実現の神話を信じすぎることで、かえって仕事が災いになってはいないか」「給料の額と幸福感は比例するか」……「仕事とはなにか」という問いに手っ取り早い回答を提示しようとするのではなく、仕事のもつさまざまな側面に光をあて多彩なスナップショットを提示する。

生きがい、意味、人生、実存。この本は暇と退屈に向き合うことを運命付けられた人間存在の諸問題に、〈働くこと〉という実に身近な観点から取り組んでいる。読者はここに、いかに生きるべきかという倫理的問いについての一つのヒントを手にするであろう。──國分功一郎

【2016年3月の新刊】

トーマス・マン日記 1918−1921
トーマス・マン日記 1918−1921トーマス・マン(著)
森川俊夫、伊藤暢章、前田良三(訳)

46判/函入り 848頁 定価: \18,700 (本体 \17,000+税)
シリーズ全10巻ついに完結!
大江健三郎さん、池内紀さん推薦

マンは生前、幾たびか自らの「古い日記」を焼却炉で焼いている。残されたのは1933年から1955年までの日記(刊行済みの9巻に所収)と、1918年から1921年までの日記のみ。おそらくは『ファウストゥス博士』執筆のために利用しようとして取りのけられ、奇跡的に「後世のために救われた」、第一次世界大戦前後の貴重な4年の記録。「作品と人生とがこの危機の時期にどれほど緊密に一体であるかは、この日記巻で、胸を締めつけられると同時に解放されるようなありかたで明らかとなる」(編者解説より)

パンフレットは◆こちら◆をご覧ください。

【2016年2月の新刊】

1493―世界を変えた大陸間の「交換」
1493―世界を変えた大陸間の「交換」チャールズ・C.マン(著)
布施由紀子(訳)

B6判 816頁 定価: \3,960 (本体 \3,600+税)
コロンブス以降の世界で始まった農作物や昆虫、病原菌、鉱物資源、人間の大陸間移動は、いかに世界を変えたか。全米ベストセラー!

世界の今の姿は、過去に生きた人間たちの欲望がぶつかりあって形づくられた帰結だ。
コロンブスのアメリカ大陸到達後、銀、病原菌、タバコ、じゃがいも、ミミズ、ゴムノキ、そして人間が世界を行き交いはじめ、グローバル化が本格的に進行していった。
今となっては非難の的となっているコロンブスではあるが、いわゆる「コロンブス交換」が果たした功績は大きい。
農業革命も産業革命も、ひいては西洋優位の世界も、コロンブスがいなければ、今とは異なる経路をたどったに違いない。
スペインやイングランドからの入植者、アメリカ大陸の先住民、アフリカから奴隷として連れてこられた人々、中国から海を渡った人々――彼らは変わりゆく世界で、いったい何を夢見たのか?
前作『1491――先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見』(NHK出版)で、「アメリカ大陸史の定説を変えた」「歴史の教科書を書き直すべきだ」と各紙誌に絶賛され、一躍脚光を浴びた敏腕ジャーナリスト、チャールズ・C. マンが再び筆を執った。
厖大な文献と綿密な現地取材をもとに、激動の世界をいきいきと描き出した圧巻のノンフィクション。

【2015年9月の新刊】

はじめてのマインドフルネス―26枚の名画に学ぶ幸せに生きる方法
はじめてのマインドフルネス―26枚の名画に学ぶ幸せに生きる方法アンドレ,クリストフ(著)
坂田雪子(監訳)
繁松緑(訳)

B6判 307頁 定価: \2,640 (本体 \2,400+税)
集中力、創造性の発揮やストレス軽減等の効用が注目を集めている「マインドフルネス」のトレーニングを、仏で人気の精神科医が紹介。
Google、インテルなどの企業が研修にとりいれ、集中力、創造性の発揮やストレス軽減等の効用が注目を集めている「マインドフルネス」――フランスで人気の精神科医が、モネ、ブリューゲル、マグリットなどの絵画を読みときながら、マインドフルネスのエッセンスと実践法を平易に紹介する。 12か国で翻訳された、フランスで30万部のベストセラー。

意識と脳―思考はいかにコード化されるか
意識と脳―思考はいかにコード化されるかドゥアンヌ,スタニスラス(著)
高橋洋(訳)

B6判 469頁 定価: \2,970 (本体 \2,700+税)
認知神経科学の世界的研究者が、意識研究の最前線へのガイドツアーに読者を誘う。膨大な実験をもとに究極の問題に迫る、野心的論考。
私たちの思考、感情、夢はどこからやって来るのか?――この問いは子どもでも思いつくほど素朴なものだが、意識がどのように生じるかについては、有史以来何千年も先哲たちを悩ませてきた。
本書は、「意識の研究はもはや思索の域を脱し、その焦点は実験方法の問題へと移行してきた」と言い放ち、独自の「グローバル・ニューロナル・ワークスペース」理論を打ち立て、意識の解明を実証すべく邁進する認知神経科学の俊英ドゥアンヌが世に送り出した、野心的な一冊である。
人工知能やヒューマノイドロボットなどが注目されている現在、それらの研究の礎となる脳の機能および意識の研究も発展が著しく、同様に熱い視線が集まっている。そんな世に堂々と斬り込んでゆく、待望の邦訳。

消費社会の神話と構造
消費社会の神話と構造ボードリヤール,ジャン(著)
今村仁司、塚原史(訳)

B6判 368頁 定価: \2,310 (本体 \2,100+税)
すべては消費される「記号」にすぎない――時代を拓いた名著に新たに索引と幻の原書初版から著者自身による写真2点を追加した決定版
他人との差異を示すためのファッション、インテリア、自動車からメディア、教養、娯楽、余暇、美しさ・健康への強迫観念、セックス、疲労、暴力・非暴力まで――すべては消費される「記号」にすぎない。
1970年にいち早く「消費社会」という概念を提示し時代を拓いた名著に新たに「索引」と幻の原書初版からボードリヤール自身による写真2点を追加した決定版!

【2015年7月の新刊】

巨大化する現代アートビジネス
巨大化する現代アートビジネスダニエル グラネ、カトリーヌ ラムール(著)
鳥取絹子(訳)
宮津大輔(解説)

B6判 319頁 定価: \2,310 (本体 \2,100+税)
アートビジネスはいかに機能しているのか?業界を牛耳る100人の思惑が入り乱れるアートの現場に果敢に斬りこむノンフィクション
約7兆6200億円規模のアート業界を動かしている「100人」とは?
人気アーティストはいかに生みだされるのか?
億万長者はなぜアートに大金をつぎこむのか?
アートにどのように値段がつくのか?
リーマン・ショックもなんのその、世界最大の近・現代アートの見本市「アート・バーゼル」の売上規模は4日間で数百億円。ジェフ・クーンズの作品1点に60億円近い値がつくなど、現代アートの落札額は高値を更新しつづけている。バーゼル、ヴェネチア、NY、ロンドン、パリ、ベルリン、マイアミ、上海を総力取材! 画商・ギャラリスト、競売人、学芸員、投資家、セレブ、コレクター、ジャーナリスト……アート界を牛耳る「100人」の思惑が入り乱れる??アートの現場”に果敢に斬りこむノンフィクション!
中国とアメリカが80%近くを占める現代アートの競売市場で日本は1%未満…日本はなぜ立ち遅れたのか? 「アート界の構造」を知れば、その理由が見えてくる。

その“脳科学”にご用心―脳画像で心はわかるのか
その“脳科学”にご用心―脳画像で心はわかるのかサテル,サリー、リリエンフェルド,スコット・O.(著)
柴田裕之(訳)

B6判 329頁 定価: \2,200 (本体 \2,000+税)
《脳科学リテラシーを身につける》
fMRI(機能的磁気共鳴画像法)の開発以降、脳科学の進歩は目覚ましく、マスメディアで取り上げられる機会も多々あります。
ただ一部では、「買わずにいられない脳」「恋愛脳」「政治脳」など、伝える際に単純化されることにより、「心の働きが解明された!」と、曲解される現状もあります。
本書では、マーケティングの理論に神経科学を組み込んだニューロマーケティングの現状や、裁判に持ち込まれる脳画像のもたらす問題などを、豊富な事例とともに解説することによって、脳科学の濫用による弊害を浮き彫りにし、「脳科学の知見によれば」と言われるだけで人々が信じ込んでしまう、神経中心主義(ニューロセントリズム)へ警鐘を鳴らします。
今後ますます脳科学の重要性が高まっていくなか、しっかり「脳科学リテラシー」を身につけておくために、是非とも読んでおきたい一冊です。

【2015年6月の新刊】

学校に通わず12歳までに6人が大学に入ったハーディング家の子育て
学校に通わず12歳までに6人が大学に入ったハーディング家の子育てキッチナー&モナ・リサ・ハーディング(著)
向井和美(訳)

B6判 286頁 定価: \2,200 (本体 \2,000+税)
子どもの夢を本気で応援し、実現させる教育とは? 星をめざして飛ぶんだ。そうすれば、月くらいまでは行ける――高校を卒業してすぐ結婚したハーディング夫妻は、10人の子どもを学校に通わせずに家庭で教育した。上の6人は12歳までに大学に入り、年長の子どもたちはさまざまな分野の専門職として活躍している。次女ロザンナは、アメリカ建築家協会最年少の建築家。三女セリーナは、アメリカで最年少の女医のひとり。〈ごく普通の子どもたち〉の才能を開花させることに成功した一家の、驚きのノンフィクション。

【2015年3月の新刊】

原爆を盗め!――史上最も恐ろしい爆弾はこうしてつくられた
原爆を盗め!――史上最も恐ろしい爆弾はこうしてつくられたスティーヴ・シャンキン(著)
梶山あゆみ(訳)

B6判 350頁 定価: \2,090 (本体 \1,900+税)
第二次大戦下、原爆開発競争のゴングが鳴った。米英の「マンハッタン計画」に天才科学者が集結し、その情報を盗もうとソ連のスパイが暗躍する。一方で、ヒトラーも原爆製造を進めていた。現在世界に1万6千発以上、私たちの時代を決定的に変えてしまった核兵器開発の知られざる物語。ロバート・F・サイバート賞、全米図書館協会ヤングアダルトサービス部会ノンフィクション部門最優秀賞受賞作。

暴力の解剖学――神経犯罪学への招待
暴力の解剖学――神経犯罪学への招待エイドリアン・レイン(著)
高橋洋(訳)

B6判 635頁 定価: \3,850 (本体 \3,500+税)
犯罪研究は新時代に突入した!新たな学問分野・神経犯罪学を確立した著者が、脳や遺伝などの生物学的要因と、生育環境などの社会的要因、およびその相互作用から、いかに暴力的な性格が形成されるかを解説する。また、研究成果の実践にあたって直面する人権・倫理・法に関する議論を整理するとともに、暴力削減のための方策を読者に問いかける。タブーに斬り込む画期的研究の全貌!

【2014年12月の新刊】

スコット親子、日本を駆ける―父と息子の自転車縦断4000キロ
スコット親子、日本を駆ける―父と息子の自転車縦断4000キロスコット,チャールズ・R.(著)
児島修(訳)

B6判 365頁 定価: \2,090 (本体 \1,900+税)
アメリカ人親子が67日間の冒険旅行で出会った、日本の自然・歴史・もてなしの心……

知床・白神山地・白川郷・京都・高野山・しまなみ海道・ヒロシマ……インテル社で働くアメリカ人の父が、8歳の息子を連れて、日本最北端の宗谷岬から鹿児島の佐多岬まで、日本アルプスを越え各地の世界遺産をめぐりながら、自転車で真夏の日本列島を走り抜く。
旅を通して世界植林キャンペーンの募金活動を行い、国連から「地球温暖化を救うヒーロー」と命名された彼らの冒険は、国内外のメディアで紹介された。旅先でのさまざまなトラブルを通しての息子の成長、人々との触れあい、美しい風景や伝統との出会いが描かれ、日本人がニッポンを再発見できる一冊。

【2014年11月の新刊】

道徳性の起源―ボノボが教えてくれること
道徳性の起源―ボノボが教えてくれることドゥ・ヴァール,フランス(著)
柴田裕之(訳)

B6判 331頁 定価: \2,420 (本体 \2,376+税)
進化の過程で獲得した道徳性とは――霊長類の社会的知能研究における第一人者が、道徳性の由来に切り込む。著者の集大成的論考。

道徳性は上(神)から押しつけられたものでも、人間の理性から導かれた原理に由来するものでもなく、進化の過程で下(哺乳類が送る社会生活の必然)から生じた――霊長類の社会的知能研究における第一人者が、豊富な図版とともに動物たちの驚きのエピソードを紹介しながら、道徳性の由来に切り込む。著者一流のユーモアと説得力に満ちた、渾身の書。

わが町・新宿
わが町・新宿田辺茂一(著)


B6判 373頁 定価: \2,200 (本体 \2,160+税)
明治の終わりの新宿に生まれ、昭和のはじめに22歳で書店を創業。
フォードのロードスターで本を運び、ギャラリーを併設した店内で同世代の作家や画家たちと文芸誌をつくった若き日から、戦後の再建を経て、「身を粉にしての遊び癖」で”夜の市長”と呼ばれた晩年まで―
見渡すかぎりの原っぱから「めくるめく変貌」を遂げた新宿の地で、文化を育て、発信しつづけた書店のあるじによる回想記、待望の復刊。

【2014年8月の新刊】

“わたし”はどこにあるのか―ガザニガ脳科学講義
“わたし”はどこにあるのか―ガザニガ脳科学講義ガザニガ,マイケル・S.(著)
藤井留美(訳)

B6判 301頁 定価: \2,200 (本体 \2,160+税)
私たちは脳をどこまでわかっているか?――脳科学の最前線で数々の難問に対峙してきた世界的権威ガザニガの集大成。

世界最高峰の学者だけが教壇に立てる「ギフォード講義」をもとにまとめられた本書で著者は、脳科学の足跡を辿りつつ、精神と脳の関係、自由意志と決定論、社会性と責任、法廷で使用されはじめた脳科学の成果の実態などを、やさしく語りかけるように論じる。行き過ぎた科学偏重主義に警鐘を鳴らし、人間の人間らしさを讃える一冊。

自信をもてない人のための心理学
自信をもてない人のための心理学ファンジェ,フレデリック(著)
高野優(監訳)
内山奈緒美(訳)

B6判 357頁 定価: \2,420 (本体 \2,376+税)
あなたの人生を難しくしている〈思い込み〉を知ろう。自分で簡単にできる心のトレーニングで自信を育て、悪循環から抜け出す方法を、精神科医がやさしく説く。5か国語で刊行している、フランスのロングセラー。

あなたの人生を難しくしている〈思い込み〉から自由になろう。 自信は、〈自己評価〉〈行動〉〈自己主張〉から成り立っている――自分で簡単にできる心のトレーニングで自信を育て、悪循環から抜け出す方法を、精神科医が豊富な事例と図表でやさしく説く。 5か国語で刊行、フランスのロングセラー。

【2014年7月の新刊】

極大と極小への冒険
極大と極小への冒険ブラットナー,デイヴィッド(著)
柴田裕之(監訳)
市川美佐子(訳)

A5判変型 223頁 定価: \2,200 (本体 \2,160+税)
巨大な星、聴こえない音、限りなく短い時間――私たちが認識できるのは現実世界のごく一部だ。図版と雑学ネタ満載の科学読み物。

人間の知覚を超えた世界は、かくも広大で豊かだ――私たちは、理解しがたいほど大きなものや、肉眼では見えない小さな物質に囲まれて生活しているが、認識できるのはそのごく一部だ。著者は人間の知覚可能範囲を超えた極大と極小の世界の実態をやさしく語りかけるように説明し、読者の想像力と知的好奇心を刺激する。

10代のうちに知っておきたい折れない心の作り方
10代のうちに知っておきたい折れない心の作り方水島広子(著)


B6判 156頁 定価: \1,320 (本体 \1,296+税)
自信を持てるものがない/LINEがストレスなのにやめられない/親の干渉がうるさい…10代の心のモヤモヤに人気精神科医が答える
自信を持てるものが何もない/親の干渉がうるさい/すぐ人と比べてしまう/LINE、Facebook……ストレスなのにやめられない――最近トラブルの増えているSNSとのつきあい方をはじめ、友だちや親との関係など、10代が抱えるさまざまな悩みに対人関係療法の第一人者が答え、ストレスから心を守って自分らしく生きるための「心の原則」を教える。

コダクロームフィルムで見るハートマウンテン日系人強制収容所
コダクロームフィルムで見るハートマウンテン日系人強制収容所マンボ,ビル(写真)
ミューラー,エリック・L.(編)
岡村ひとみ(訳)

A5判変型 151頁 定価: \3,190 (本体 \3,132+税)
第二次大戦下、ワイオミング州の日系人強制収容所の鉄格子の中で暮らす家族の日常が、当時では珍しい鮮やかなカラー写真でよみがえる

1942年、日系二世のビル・マンボは、カリフォルニア州の自宅からワイオミング州の強制収容所に移された。その彼が、有刺鉄線の中で暮らす家族の日常、盆踊り・相撲のような日系人収容所ならではの風物詩を撮影。当時では珍しい鮮やかな63点のカラー写真から、収容所生活の実際が浮かび上がる。研究者による考察や元収容者のエッセイを付し、写真の理解を助ける。

【2014年4月の新刊】

社会はなぜ左と右にわかれるのか―対立を超えるための道徳心理学
社会はなぜ左と右にわかれるのか―対立を超えるための道徳心理学ハイト,ジョナサン(著)
高橋洋(訳)

B6判 613頁 定価: \3,080 (本体 \2,800+税)
リベラルはなぜ勝てないのか?
皆が「自分は正しい」と思っているかぎり、左派と右派は折り合えない。
アメリカの政治的分断状況の根にある人間の道徳心を、進化理論や哲学、社会学、人類学などの知見から多角的に検証し、豊富な具体例を用いてわかりやすく解説した、全米ベストセラー!
気鋭の社会心理学者が、従来の理性一辺倒の道徳観を否定し、感情の持つ強さに着目。
自身の構築した「道徳基盤理論」で新たな道徳心理学を提唱する、注目の一冊。

トーマス・マン日記―1953‐1955
トーマス・マン日記―1953‐1955マン,トーマス(著)
森川俊夫、洲崎惠三(訳)

46判 908頁 定価: \18,700 (本体 \17,000+税)
マッカーシー旋風の吹き荒れるアメリカからスイスへと移住。死の二週間前まで書き継がれた、ヨーロッパ精神史の貴重なドキュメント。
躊躇,逡巡の末,マッカーシー旋風の吹き荒れるアメリカから,東西対立がなお市民生活に暗い影を落とすスイスへと移住。鬱陶しい政治状況,また老いにより衰えゆく力を自覚しながらも,レジョン・ドヌール勲章,ピオ十二世との謁見などの「祝宴」に鼓舞され,旺盛に執筆活動を続ける。しかし最期の時は迫っていた。死の二週間前まで書き継がれた,最晩年の日記。

【2014年3月の新刊】

スエロは洞窟で暮らすことにした
スエロは洞窟で暮らすことにしたサンディーン,マーク(著)
吉田奈緒子(訳)

B6判 325頁 定価: \1,980 (本体 \1,800+税)
10年以上洞窟で暮らす男スエロが、一切の金銭を手ばなし自由と平安を得るまでの軌跡を描き出したノンフィクション。
お金は幻想である―― にせものの人生は、もうたくさんだ。10年以上一切のお金をかせぐことも、受け取ることも、使うこともせず、アメリカ・ユタ州モアブの洞窟で暮らす男、ダニエル・スエロ。彼が、うつ病や海外放浪を経て、ゲイである自分を受け入れ、何も持たない生き方を選ぶことで自由と心の平安を得るまでの軌跡を描き出したノンフィクション。

銀座Hanako物語―バブルを駆けた雑誌の2000日
銀座Hanako物語―バブルを駆けた雑誌の2000日椎根和(著)

B6判 336頁 定価: \2,090 (本体 \1,900+税)
ブランドバッグにスイーツ……幾多のブームを生んだ雑誌の創刊からの5年間を、当時の編集長がいきいきと描いた貴重な時代証言。
1988年6月,日本初の女性を対象とするリージョナルマガジン『Hanako』が誕生した。読者を首都圏在住の27歳女性に位置づけたこの週刊誌の編集スタッフはほとんどが年若い女性たち,86年には均等法が施行され,世はバブルの好景気にわいていた。ブランドバッグにスイーツ…幾多のブームを生んだ雑誌の創刊期を当時の編集長がいきいきと描いた貴重な時代証言。

【2013年11月の新刊】

ナチュラル・ナビゲーション―道具を使わずに旅をする方法
ナチュラル・ナビゲーション―道具を使わずに旅をする方法グーリー,トリスタン(著)
屋代通子(訳)

B6判 317頁 定価: \2,200 (本体 \2,000+税)
自らの感覚を総動員して「自然」を読み、「道を見つける」ための技法を、海と空で大西洋を単独横断した探検家がガイドする。
太陽・月・星、頬にあたる風、雲、樹木の形、水たまり、反響音、動物の動き……GPSや地図に頼らず、自らの感覚を総動員して「自然」を読み、ときに古来の知恵を借りながら「道を見つける」ための技法を、海と空で大西洋を単独横断した現存する唯一の人物である探検家がガイドする。英国ナショナル・トラスト 最優秀アウトドアブック賞受賞。

誰も知らないわたしたちのこと
誰も知らないわたしたちのことスパラコ,シモーナ(著)
泉典子(訳)
室月淳(解説)

B6判 277頁 定価: \1,980 (本体 \1,800+税)
出生前診断で胎児に重大な疾患が発見された女性が、苦悩の末現実を受け入れるまでを描いて大きな反響を呼んだイタリアのベストセラー
いのちは選別できるか――5年間の不妊の末に授かった息子には、出生前診断によって重大な疾患が発見された。選べるはずのないことを選ばされ、孤立感と絶望のあいだを揺れ動く35歳のフリーランス・ジャーナリスト、ルーチェの魂の彷徨を、著者みずからの体験をもとに描いて大きな反響を呼んだイタリアのベストセラー。ローマ賞受賞。イタリア最高の文学賞・ストレーガ賞最終候補作。

【2013年8月の新刊】

流れとかたち : 万物のデザインを決める新たな物理法則
流れとかたち : 万物のデザインを決める新たな物理法則エイドリアン・ベジャン 、J.ペダー・ゼイン(著)

B6判 428頁 定価: \2,530 (本体 \2,300+税)
生物、無生物を問わず、すべてはより良く流れるかたちに進化する――
分野を超えて衝撃を与える、革命的理論の誕生
ダーウィン、ドーキンス、グールド、プリゴジンらに異を唱える熱力学の鬼才が放つ、衝撃の書。

【2013年7月の新刊】

クレイジー・ライク・アメリカ―心の病はいかに輸出されたか
クレイジー・ライク・アメリカウォッターズ,イーサン(著)
阿部宏美(訳)

B6判 342頁 定価: \2,200 (本体 \2,000+税)
日本のうつ病、スマトラ沖地震後のPTSDなど、4つの国を舞台に精神疾患のグローバル化が各国の文化に与えた衝撃とその背景を追う
科学的知識の普及か? 善意の支援か? 治療のための研究か? それとも金儲けか? ――アメリカ型の精神疾患の概念が流入して以後、各国で発症率が急増し、民族固有の多様な症候群や治療法が姿を消しはじめた……。日本のうつ病、スマトラ沖地震後のPTSDなど、4つの国を舞台に、精神疾患のグローバル化がそれぞれの文化に与えた衝撃と、その背景を追う。

精神科医がこころの病になったとき
精神科医がこころの病になったときアンドレ,クリストフ(編)
高野優(監訳)
伊藤直子、臼井美子、坂田雪子、荷見明子(訳)

B6判 356頁 定価: \2,420 (本体 \2,200+税)
21人の精神科医が、自らのうつ病、薬物依存、トラウマなどの精神的な病や心の問題にどのように対処したかについて書いた本
この世には、弱い人間も強い人間もいない。自分の弱さと折り合いをつける方法を探している人か、すでに探し当てた人のどちらかがいるだけだ――フランスの精神科医や心理療法士21人が、みずからの抱えたうつ病、社交不安障害、閉所恐怖症、パニック障害、虐待のトラウマ、薬物依存、パワーハラスメントなどの精神的な病や悩みを正直に告白し、どう対処してきたかを平易な文章で綴る。専門家がどのように自身の心の問題と付き合っているのかを知ることは、同じ問題に悩む人にとっては励ましとなり、読者の心の健康の維持にも役立つにちがいない。

アフリカの創生神話
アフリカの創生神話阿部年晴(著)

B6判 216頁 定価: \2,860 (本体 \2,600+税)
人類発祥の地アフリカ。強烈なリズムのドラムが鳴り響くアフリカ。そこに展開する神話の世界は大変魅力的で、キリスト教的あるいは東洋的な神話の世界と異なり、楽天的かつ人間的な豊穣の世界である。本書は、アフリカの諸部族の創世神話―宇宙や人間生活のはじまりに関する物語―を題材に、彼らの生活様式、思考方法、社会の仕組み、世界観などを探ろうとしたもの。まだほとんど知られていないアフリカの神話的世界の紹介としての意味はもちろん、人々の生きることの意味と神話とのかかわりをその背景・土壤との関連で捉えたものとして、恰好のアフリカ学、文化人類学入門であろう。

【2013年3月の新刊】

殺す理由−なぜアメリカ人は戦争を選ぶのか
殺す理由リチャード・E・ルーベンスタイン(著)
小沢千重子(訳)2013

B6判 352頁 定価: \2,750 (本体 \2,500+税)
イラク戦争から10年――より明晰に戦争を考察するために
1830年代にトクヴィルが見たアメリカ人像は総じて対外戦争を忌避する平和愛好者だった。しかし以後かの国では戦争が常態化している。愛国心・共同体意識・孤高のヒーロー像・自衛の概念・開戦事由のレトリック――その歴史から集団暴力が道徳的に正当化されてきた要因を探る。イラク戦争から10年、米国の対外戦争を是認してきた日本であらためて読まれるべき1冊。

ダメをみがく “女子”の呪いを解く方法
ダメをみがく津村記久子、深澤真紀(著)2013

B6判 256頁 定価: \1,650 (本体 \1,500+税)
女子たちを理不尽に苦しめる、さまざまな呪縛を解く!
「女子力のなさ」を商品価値にできてありがたいです――最初の会社をパワハラで退社した芥川賞作家と、150社以上就職・転職活動した経験をもつコラムニストが、世間知らず・不器用・KYなままでも、なんとか社会で生き延びていくための技術を語り尽くす。世の中をすいすい渡っていけないことに悩む、すべての女性に捧ぐ。

オープンサイエンス革命
オープンサイエンス革命マイケル・ニールセン(著)
高橋洋(訳)2013

B6判 400頁 定価: \2,420 (本体 \2,200+税)
新時代の科学へのマニフェスト
インターネットの出現で科学の営みは劇的に変わりつつある。17世紀の科学雑誌による知の共有化という第一次オープンサイエンス革命に次いで、現在は第二次革命期にあると主張する著者は、オンラインネットワークを駆使した知の共有化の可能性を検証し、その重要性を訴える。豊富な具体例を挙げてわかりやすく解説した、新時代の科学へのマニフェスト。

ファッションフードあります。― はやりの食べ物クロニクル1970-2010
ファッションフード畑中三応子(著)2013

46判 380頁 定価: \2,640(本体 \2,400+税)
チーズケーキ、ティラミス、ペペロンチーノ……世界の先頭を行くファションフード大国ニッポン。日本人はいかに食を消費してきたか。 戦後、経済力を手に入れると、日本人は新しい味を求めて、ファッションのように食を、その情報までもを消費しはじめた。女性が消費の主体となっていく様を追う女性史として、流行を仕掛けた側のメディア史として、戦後社会の一断面を切り取る世相史としても読める、第一線の料理本編集者として時代を駆けた著者だからこそ書けた、痛快な食の文化史。年表付。