内容説明
哲学者たちは何と向き合ってきたか?
日本における哲学の第一人者が集結し、全3巻で西洋哲学史の大きな見取り図を示す! 今回は、デカルトからドイツ観念論までの近代哲学。時代のうねりのなかで、人間の知性の働きを突き詰めた哲学者たちの思索に迫る。決定版の入門シリーズ第2弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
45
シリーズ2冊目、編者斉藤にとって最高傑作ではないだろうか。1冊目と少し異なる読み応えがあり、新たな発見が多々あった。相変わらず応じてくれた学者の方は当代随一で驚く。第1章はデカルト、ホッブス、スピノザ、ライプニッツを上野が比較対照する。まずデカルトのイメージが変わった。身体の機械論であるデカルトと比較する全てが機械論だとするスピノザも非常に見通しが良くなった。スピノザの政治論は、今度はホッブスと比較することでマルチチュードが明快になる。第2章はイギリス経験論だが、ここは改めてアメリカ・プラグマティズム哲学2024/05/18
フリウリ
16
上野氏によるデカルト、ホッブス、スピノザ、ライプニッツの項目(1章)と、戸田氏によるロック、バークリ、ヒューム、リードの項目(2章)がおもしろかったです、また、ヘーゲルの現代的意義(自然哲学:自然の無力。概念では自然を捉えきれないこと。「無力」という語感がよくわからないけれど)もなにかひっかかるものがありました。カントの項目はとても真面目な進め方で、カントはこうならざるをえないのか、とは思うものの、おもしろくはないです。62024/07/08
まさにい
16
カントやヘーゲル、もう一度読み直す必要がありそうです。一度読んだだけでは頭に入ってこない。ヘーゲルが弁証法だけの人ではないことを知ったのは良かった。また、再評価されつつあることも新鮮だった。このシリーズ、来月の10日にⅢがでるので、早速買って読もうと思う。良書ですね。2024/05/26
ほし
12
インタビュー形式による哲学史入門シリーズの2冊目で、今回はデカルトからヘーゲルに至る近代哲学が対象となっています。どの章も興味深く、特にカント哲学について語られる第3章は明快で、カントの定言命法の繋がりや、純粋理性の実践使用による超越論的自由の実在性が印象に残りました。最後の章における、山本貴光さん、吉川浩満さんとの対談も面白く、哲学を学ぶことの意義を改めて感じさせられます。2024/07/07
さとうしん
8
今巻は近世・近代編。一読してわかったような気になる度は前巻より上がっているような気がする。「我思うゆえに我あり」は順番が逆という話や、大陸の合理論とイギリスの経験論、あるいはフィヒテ→シェリング→ヘーゲルの順番のような現在の哲学史の枠組みが最初から所与のものというわけではなかったという話を面白く読んだ。哲学から科学がどう芽生えたかという話も盛り込まれている。2024/05/13