ちくま新書<br> 宇宙の地政学

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ちくま新書
宇宙の地政学

  • 著者名:倉澤治雄【著者】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2024/05発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480076199

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内容説明

21世紀に入って中国が独力で有人宇宙飛行に成功、著しい躍進を遂げ、米国の宇宙覇権を脅かすほどとなった。同時に米国ではニュースペースと呼ばれる民間宇宙ベンチャー企業等の開発が本格化し、宇宙の地政学は米ソから米中へ、国策から民間へ、国威発揚からビジネスへ、そして平和利用から軍民一体へと大きくシフトした。月探査から月基地建設、さらに将来的には、火星移住も計画されている。世界中で活気づく宇宙開発の最前線をぜんぶレポートする。

目次

プロローグ 宇宙を制する者が「未来」を手にする/第一章 月をめぐる熾烈な争奪戦/米中、第二の「スペースレース」の行方/中国の月探査計画「嫦娥」の全貌/月の裏側を踏査した「玉兎2号」/月のサンプルを持ち帰った「嫦娥5号」/月に水はあるか?/月面基地のための資材/月の地図と領土/アポロ計画の栄光と悲劇/姿を現した月の素顔/「アポロ」から「アルテミス」へ/先行する米国の「アルテミスⅠ」/アポロ計画の「サターンⅤ型」とアルテミス計画の「SLS」/「嫦娥計画」は最終段階へ/「長征9型」と「長征10型」/月の水争奪戦にインドも参戦/日本「SLIM」の高度なミッション/21世紀最初のムーンウォーカーは誰か?/第二章 米中が火花を散らす宇宙の激戦区/火星探査へのいばらの道/一発勝負に賭けた中国の火星探査機「天問」/火星でヘリコプターを飛ばした米国「パーシビアランス」/中国の宇宙ステーション「天宮」/国際宇宙ステーション「ISS」の命運/花開く民間商用宇宙ステーション/GPSと「北斗」のスタンダード争い/量子衛星通信は中国の独擅場/第三章 国家の威信をかけた中国の宇宙開発/宇宙開発史年表/スプートニク・ショックが拓いた「宇宙の時代」/フォン・ブラウン、コロリョフ、銭学森──宇宙開発を先導した人々/「宇宙強国」を目指す中国の国策宇宙開発/ベールに包まれた中国の宇宙開発体制/ロケット発射場の世界比較/「長征」シリーズロケットのラインナップ/中国民間宇宙ベンチャーの夢と現実/百花繚乱、中国の衛星開発/第四章 躍動する米国の宇宙ベンチャー「ニュースペース」/宇宙の構造と衛星の軌道/米国ロケット開発の過去、現在、未来/スペースX出現の衝撃/究極の宇宙輸送手段「スターシップ」/通信に革命をもたらす「衛星コンステレーション」/ユニークなアイデアで躍動する「ニュースペース」/目前に迫った商用宇宙旅行と宇宙ホテル/地球観測データが生み出す新ビジネス/金、プラチナ、ニッケル、動き出した「宇宙資源開発」/第五章 日本の宇宙開発と宇宙安全保障/ゼロからのスタートとなった日本の宇宙開発/世界をリードする日本の精緻な深宇宙探査/宇宙が戦闘領域となった日/ベールに包まれる軍事衛星の世界/動き出した日本の宇宙安全保障/増え続けるスペースデブリと「宇宙防衛」/世界に羽ばたく日本の宇宙ベンチャー企業/大学発宇宙ベンチャーの現在と未来/産官学、総力戦の宇宙開発/エピローグ 日本が「未来」を手にするために/宇宙へ行った日本人/活発化する宇宙開発競争/全人類の共同の利益/日本の科学技術力/科学技術力凋落の原因は/どこをどう変えるか/宇宙開発は科学技術の総力戦