内容説明
あなたのセンスが良くなる本!
哲学三部作のラストを飾る一冊がついに誕生
服選びや食事の店選び、インテリアのレイアウトや仕事の筋まで、さまざまなジャンルについて言われる「センスがいい」「悪い」という言葉。あるいは、「あの人はアートがわかる」「音楽がわかる」という芸術的センスを捉えた発言。
何か自分の体質について言われているようで、どうにもできない部分に関わっているようで、気になって仕方がない。このいわく言い難い、因数分解の難しい「センス」とは何か? 果たしてセンスの良さは変えられるのか?
音楽、絵画、小説、映画……芸術的諸ジャンルを横断しながら考える「センスの哲学」にして、芸術入門の書。
フォーマリスト的に形を捉え、そのリズムを楽しむために。
哲学・思想と小説・美術の両輪で活躍する著者による哲学三部作(『勉強の哲学』『現代思想入門』)の最終作、満を持していよいよ誕生!
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さて、実は、この本は「センスが良くなる本」です。
と言うと、そんなバカな、「お前にセンスがわかるのか」と非難が飛んでくるんじゃないかと思うんですが……ひとまず、そう言ってみましょう。
「センスが良くなる」というのは、まあ、ハッタリだと思ってください。この本によって、皆さんが期待されている意味で「センスが良くなる」かどうかは、わかりません。ただ、ものを見るときの「ある感覚」が伝わってほしいと希望しています(「はじめに」より)。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
153
タイトルは「センス」であるが、むしろ芸術論として読む方が適切かもしれない。物事をリズムとして脱構築的に楽しむのがセンスであり、芸術への向き合い方として、意味からリズムへという方向性を示唆している。リズムに含まれる予測誤差や偶然性や反復性の中に、芸術の神髄があるのだと。難しい概念を平易な言葉で説明するというのが千葉先生の特色ではあるが、本書でも、美的と崇高的の違いなど、曖昧な定義に基づく断定的な説明に、当惑を禁じ得ないというのが正直なところ。私の読解力の乏しさが原因だとは思うが、やっぱり、この先生は苦手だ。2024/06/11
けんとまん1007
144
とりあえず一読。もちろん、そんなに簡単に腑に落ちる訳はない。それでも、なるほどなあ~と思ったことの一番は、リズムという言葉。リズムで捉えてみると言われて、想像しながら読み進める。リズム、つまり、そこにはうねりもある。そこまでいくと、感じかたが随分とイメージしやすくなった。センスはいいとか悪いとかと言うことの前に、そう思えたことが大きな収穫。ちょうど、芸術について、理解しようとする前に、とにかく素直に観て、感じることから始めようと思っていたので、いいタイミングで出会えた。感謝。2024/07/27
R
118
センスが良いといわれることについて、推論を重ねて解き明かしていく哲学本。芸術鑑賞の手引きにも近い内容で非常に面白かった。理屈で芸術を理解するとこういうことなんだと、テンポ、リズム、型といった構成をどう置くか、これを抽象化するとすべてがなんらかのリズムになってて、それの良し悪し、好き嫌いというのがセンスになるという骨子だと思うのだがなるほどと感じる。当然ながら普遍的な内容でもあり、幅広く様々なものを見聞きするとセンスが磨かれることもまた自明だと思える話しだった。2025/02/19
サゴウ
87
センスというものはなにか?それはリズムを感じ取る意識の持ち方である。リズムとはビートとうねり=反復と差異で成り立っている。これらを感じ取ることができれば、抽象画や現代音楽など「難解」とされている作品もそれ自体で楽しむことができる。 確かに作品の背景などの「意味」がわかると面白いが、それがなくても十分に楽しめるのが芸術鑑賞であり、日常に翻って、およそすべてのものが「作品」たりえるのだと思わせてくれる。私たちそれぞれにセンスを崩すこだわりや癖、偏りといった「アンチセンス」があり、それすらも楽しめるようになる。2024/07/01
ゆいまある
79
オサレに見せる賢い方法とかそういうの期待して読んだら芸術論だった。ちょっと私の頭ではレベルが高過ぎてついていけなかった。対象に飲み込まれずに俯瞰しろとか、固定観念に囚われず自由たれとか、メリハリをつけるといいよとかそういうことを言ってるように読めるのだが、この人Twitterではリズミカルないい文章を書くのにこの手の本では何を言おうとしてるのかいまいちピントが合わせずらい。そもそもセンスのある人になりたいのかどうか分からなくなってきた。窮屈にならず楽しんで生きろと言ってくれてると思うことにする。KU2025/07/21
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