内容説明
海洋研究所に勤めるイーサンと飼育委員のノアのもとに、世界環境を救う貴重なキャニスターを、シャチを訓練して海底から回収して欲しいという依頼が舞い込んだ。間もなくシャチが到着。イーサンはセブンと名付けられたそのシャチが他動物と言語によるコミュニケーションが出来ることに気づく。しかしここに来る前、セブンは従姉のエルと共に捕獲された経験があった。ある日、セブンはエルが苦境にあることを知り不調に陥る。イーサンは、苦心の末にその原因を突き止め、ミッション終了後にシャチたちを海に帰すことを決意するが…。シャチと人間の愛と絆を描く感動の海洋冒険小説! 小説すばる新人賞受賞作!!
目次
プロローグ
第1章
第2章
第3章
第4章
第5章
第6章
第7章
第8章
第9章
第10章
第11章
第12章
第13章
エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
38
海洋研究所のイーサンと飼育員ノアのもとに国際バイオ企業から届いた依頼。シャチを訓練して世界環境を救う微生物を収めた貴重なキャスターの回収を目指す海洋冒険小説。好奇心が災いし、従姉のエルと共に人間に捕獲されたシャチのセブン。他動物と言語によるコミュニケーションが出来るセブンが、離れ離れになったエルが苦境にあることをクジラから聞く展開で、やや視点の切り替わりが多く、どこまでがファンタジーなのかも考えながら読んでいましたが、周囲の助けも借りながら困難に立ち向かい、乗り越えてみせたその結末はなかなか良かったです。2024/02/22
Nao Funasoko
16
僕らの世代はわんぱくフリッパーの時代から賢い動物との友情物語は大好き。シャチ同士だったりシャチとクジラとの会話部分の描写は抜き出したらそのまま絵本になりそうで素敵だった。2024/03/17
まつどの理系こうし(まりこ)
12
世紀の発見のサンプルを輸送する船の沈没をきっかけに、海洋で捕獲したシャチの「セブン」を短期間で訓練したのちにベーリング海の海底からシャチにサンプルを回収させるお話。セブンの知能の高さと人間味あふれる様子、セブンを信じるプロジェクトのトップであるイーサンや飼育・訓練を担当するノア、その他周りでサポートする面々の純真さにあふれるストーリーでした。ちょこちょこ挟まる恋人とのお色気含んだセリフは余計に見えたけど、シャチと人間の奮闘が熱いワクワクするお話でした。2024/03/29
スプリント
7
徐々に盛り上がっていく展開に引き込まれる。 丁寧にストーリーが練られている感じがして読み心地がよい。2024/04/22
しるべ
4
仔シャチのセブンはイーサンとノアと2ヶ月の訓練を経て、深い信頼と絆を胸に、大きなミッションへ挑む。シャチ視点のシーンもあるのが面白いところ。 小説すばる新人賞受賞ということで、これからの活躍にも期待です。2024/04/12