内容説明
この本によって、あなた自身のカモフラージュ行動に対する洞察を深め、どれがあなたの助けとなり、どれがあなたの妨げとなっているのか、そして、心の健康を改善するためには、どのようにすれば小さな変化を起こすことができるのか、気づくようになっていただければと願っています。……本書の目的は、私が経験したこと、私が学んだこと、そして最も私の助けになったツールを皆さんにお伝えすることです。これは、カモフラージュを完全にやめてしまうということではありません。自分の思考や思い込み、目標に関して、より大きな気づきを得るということなのです。本書に何度も書いているように、カモフラージュは必ずしも悪いものではありません。あらゆる人間が成長のために取り入れ用いるスキルであり、そうやって私たちは種としての社会性を身に着けてきたのです。それは多くの点で私たちが生き延びる助けとなりました。私たちは幼くしてそのことを学んだ賢さと驚くほどの強さを賞賛するべきでしょう。(本書「はじめに」より)
目次
日本語版によせて(藤川洋子)
推薦の言葉(ウィル・マンディ)
謝 辞
免責事項
はじめに
第1章 模倣を学ぶ
本章のねらい/キーワード
生存のために周囲に溶け込む
サルは見たとおりに真似をする
カメレオン効果
模倣から自閉症のカモフラージュへ
本章のまとめ
第2章 カモフラージュへと駆り立てるもの
本章のねらい/キーワード
カモフラージュとは何か?
なぜ自閉症の人はカモフラージュするのか?
性 差
機能や能力、スキル
人と違っていること、スティグマに直面すること
カモフラージュの効果
本章のまとめ
第3章 CAT-Qからわかること
本章のねらい/キーワード
自閉症特性カモフラージュ尺度
いつ、そしてなぜ、カモフラージュをするのか?
エクササイズ
あなたの事例
本章のまとめ
第4章 セルフ・コンパッションの技法
本章のねらい/キーワード
思考の力
良い面を無視する/物事を大げさにとらえる/占う/読心術/
否定的なラベリング/基準を高く設定しすぎる/自分を責める
/感情を事実と見なす/べき思考
不快な情動にもちこたえること
マインドフルネスとイマジネーション
シンプルな癒しとリラクゼーション/イメージによるリラクゼーション
全体像をとらえる
本章のまとめ
第5章 仮面を外す
本章のねらい/キーワード
自分を幸せにしてくれるものとつながりなおす
マスクを外す実験
自己の再構築
本章のまとめ
第6章 執筆を終えて
References
Further Reading
解説とあとがき(三好智子)
訳者略歴