夢と生きる バンドマンの社会学

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夢と生きる バンドマンの社会学

  • 著者名:野村駿
  • 価格 ¥2,860(本体¥2,600)
  • 岩波書店(2024/03発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784000254342

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内容説明

人生を賭ける夢に出会えたことの幸福と困難――.いつの時代にも少数派ながら「卒業したら就職する」という,普通とされる生き方を選ばない者がいる.夢は諦めに終わるのか,形を変えて続くのか? 数年にわたる二十代から三十代のバンドマンへの貴重なインタビュー調査をもとに現代の「夢追い」のリアルな実態を描き出す.

目次

はじめに
Ⅰ 「夢追いの社会学」の試み
序 章 夢追いの社会学に向けて
1 夢追い研究の到達点と課題
2 夢追いを「若者文化と進路形成」の問題として捉える
3 分析枠組み――「若者文化と進路形成」に向けて
4 調査の概要
第1章 夢追いの戦後史――若者はいかなる将来の夢を抱いてきたのか
1 将来の夢を跡づける
2 複数のデータをつなぎ合わせる・重ね合わせる
3 将来の夢の変化の全体像――JGSS-2006による分析
4 夢追い志向か,それとも安定志向か?
5 将来の夢のゆくえ――現代の夢追いの特徴とは何か
Ⅱ 夢を追い始める
第2章 来歴と条件――夢追いの選択に踏み切る
1 夢追いの幕開け――〈教育〉と〈若者文化〉の関係から
2 音楽活動を始める
3 音楽活動を中心とした進路形成
4 夢追いの選択に踏み切る条件
5 〈教育〉から〈若者文化〉へ――「適応―離脱モデル」の視点
第3章 フリーターか正社員か――夢追いに伴う働き方の選択
1 フリーターとして夢を追い始める
2 なぜフリーターを選択するのか
3 なぜフリーターであり続けられるのか
4 そもそもフリーターになるべきなのか――正社員バンドマンの存在
5 夢を追うためにフリーターになるか,正社員になるか
Ⅲ 夢を追い続ける
第4章 夢の中身と語り方――夢を変えて追い続ける
1 バンドマンはいかなる夢を追うのか
2 夢の中身が変わる
3 夢の語り方も変わる
4 夢の変化の背景
5 夢を変えるからこそ夢が追い続けられる
第5章 夢の調整と破綻――集団で夢を追う方法
1 バンドマンとしての夢追い,バンドとしての夢追い
2 バンドZの来歴
3 互いの夢を共有する
4 解散とその後――共有された夢の破綻,そして別々の人生へ
5 集団で夢を追い続けることのリアリティ――「音楽性の違い」とは?
第6章 批判と抵抗――ライブハウス共同体の機制と陥穽
1 批判されても夢を追い続ける
2 標準的ライフコースとの攻防
3 夢追いは反動的に維持される
4 ライブハウス共同体という準拠集団
5 ライブハウス共同体の生成・波及・限界
6 夢追いはどこまで続くのか
Ⅳ 夢を諦める
第7章 挫折か納得か――夢を諦める二つの契機
1 「仲間がどんどんいなくなる」
2 第一の契機――身体的・精神的問題を抱えて
3 第二の契機――無視できなくなる将来への不安
4 だれのせい?――「やりたいこと」と自己責任の共振
5 夢追いの先へ――標準的ライフコースの呪縛
第8章 夢追いバンドマンのライフヒストリー――選択・維持・断念のつながり
1 夢追いライフコースをトータルに描く
2 分析の焦点
3 夢追いの選択から維持へ
4 そして夢を諦める
5 夢追いの幕引き
終 章 夢追いからみる現代社会
1 本書の知見
2 夢と生きる軌道――四領域モデルからの考察
3 「正しく生きる」とは何か――夢を追わせる社会・夢が追えない社会
4 今後の課題と展望
引用文献
初出一覧
おわりに
資 料
その1 研究参加者のプロフィール
その2 職業分類の細目(第1章)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

shikashika555

38
せつない。 「いちばん若くて何でもできる時にやりたいことを好きなだけやる方がいいんじゃないか」 しかしいちばん若くて何でもできる時にこそ安定した生活の基礎が築きやすいのだ。 ライブハウス中心の繋がりの他にも なにかどこかで繋がりをもてる人や集団があれば、中年以降健康問題を抱える年齢になっても そこそこ生きていきやすいのだけれど、と思えた。2024/03/03

今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン

19
バンドマンとして生きることは夢を追うことである、という定義のもと、夢とは何か、なぜバンドマンなのかというケーススタディ。夢と生きるということは、夢以外のものを切り捨てる必要がある。それが結婚と正社員ってのが限定されすぎと感じなくもなかったが、読んでて将棋の奨励会のことが思われた。将棋の道も歩み続けるには、将棋以外のかなりのものを切り捨てなくてはならないだろう。「けいおん!」という漫画が人気だが、まさに軽音楽部がバンドマンを育むための土壌となっていることが驚きだった。学校というレールに乗ったからこそバンド→2024/10/14

くさてる

16
「若者の夢追い」をテーマにした博士論文を基にした本。ライブハウスやバンド文化になじみがある人にはとても面白いはず。元が論文なので難解な箇所もあるけれど、興味深い内容でした。結論と今後の課題も納得。やっぱり学問っていいなと思いました。現場にぶつかってアプローチする調査で得たデータ、過去の類似研究との比較、そして考察。身近な文化や生活をテーマにしながら、なにかを導きだしてくれる。こういうかたちでなにかが「残る」。わたしはそういう仕事を知るのが好きです。2024/07/10

チェアー

7
生き方には「望ましい」とされるルールとルートが決められていて、そこから外れることは認められているにしても、リスクは自分で負えという世界が広がっている。だからバンドマンたちは失敗する前に引き返していく。「望ましい」生き方は生産に寄与するからだ。それゆえ、ルートから外れた人たちは社会を根底から変える可能性を秘めているのだと思う。 2024/04/09

アルノ

6
元々は社会学の論文だったものを加筆修正したものであるため、学術的な文章で読むのに最初は少し苦労したが面白かった。結婚や子供を産むといった標準的ライフコースを選択しない人世間では増える一方で、バンドマンという不安定なライフコースをやめて標準的ライフコースを選択しようとする葛藤についても知ることができた。この取材を受けたバンドマンたちの中でどれぐらいの人が音楽で売れて夢を掴むことができたのか気になった。取材は2016.4〜2020.2に行われているが、取材を受けたバンドマンたちは今どうしているのだろう?2024/06/25

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